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TOYOTA VELLFIRE
スポーティな走りを堪能
「快適な移動の幸せ」を実現するために、広大な室内空間やスーパーロングオーバーヘッドコンソールなどといった、痒いところに手が届く操作系を充実させた新型アルファード/ヴェルファイア。日本が誇るラグジュアリーミニバンならではの快適性に注目が集まりがちだが、実は走りも超絶に進化しているのである。
横浜はみなとみらいで行われたアルファード/ヴェルファイア試乗会に参加した筆者は、先代とは比較にならない、走りの質感に大いなる感銘を受けた。その中でも突出していたのが「ヴェルファイア Z Premier(2WD 2.4リッターガソリンターボ)である。
はっきり言おう、ヴェルファイアの本グレードは運転が好きな人に突き刺さるスポーティな走りを堪能できる。その走りはミニバンでありながらスポーツカーを彷彿とさせるものだ。
侮れない足まわりの剛性パーツ
そもそもアルファードとヴェルファイアは走りのセッティングや搭載エンジンが異なる。最高出力279PS、最大トルク430Nmのアウトプットを誇るトヨタ自慢のT24A-FTS型2.4リッターターボはアルファードには設定がなく、ヴェルファイアのみ搭載されるエンジンだ。
ステアリングや足まわりのセッティングもヴェルファイアはスポーティな専用チューニングが施されている。そしてヴェルファイアならではの走りの装備の中で白眉となるのが、ラジエーターサポートとサイドメンバーを繋ぐ剛性パーツ「フロントパフォーマンスブレース」だろう。
アルファードには用意されないこの剛性パーツが実にいい仕事をしている。走り出してすぐに、その効果を実感することは容易だろう。アルファードを運転しているときは、ステアリングのフィーリングに特に違和感なく試乗したが、ヴェルファイア「Z Premier」に乗り換えてすぐ、ステアフィールが実にしっとりとして適度な心地よい重さを伝えてくることに衝撃を受けた。
おすすめは2.4リッターガソリンターボの2WD
操舵の切り始めからキビキビとノーズが動き、まるで路面を実際に掴んでいるかのようなリアルなフィールをステアリングに伝えてくる。フロントパフォーマンスブレースを採用したことで、フロントの前後・上下方向の振動を抑制しているというが、確かに未採用のアルファードとはまったくフィーリングが違う。
試しに首都高速・湾岸線も試走したが、リニアかつトルキーで、まるでV6のようなフィールの2.4リッターターボがドライバーの意図する加速を瞬時に引き出し、本当にミニバンに乗っていることを忘れさせる。
アルファード、ヴェルファイアともに走りの満足度は高いが、運転好きが購入するのであればヴェルファイアZ Premier(2WD 2.4リッターガソリンターボ)が断然おすすめだ。
REPORT/石川亮平(Ryohei ISHIKAWA)
PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)
SPECIFICATIONS
トヨタ・ヴェルファイア Zプレミア(2WDモデル)
ボディサイズ:全長4995 全幅1850 全高1945mm
ホイールベース:3000mm
車両重量:2180kg
エンジンタイプ:直列4気筒DOHCターボ
排気量:2393cc
最高出力:205kW(279PS)/6000rpm
最大トルク:430Nm(43.8kgm)/1700-3600rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:FWD
サスペンション:前マクファーソンストラット 後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前後225/55R19
燃料消費率:10.3km/L
車両本体価格:655万円