【モントレー・カーウィーク】100台を限定生産「ゼンヴォ オーロラ」がデビュー

1875PSのハイブリッドハイパーカー「ゼンヴォ オーロラ」が登場「6.6リッターV12クワッドターボを搭載」【動画】

ふたつのモデルが用意されたゼンヴォ オーロラ、写真はサーキット仕様の「アジル」。
北欧の夜空に輝くオーロラからネーミングされた「ゼンヴォ オーロラ」は、2026年から100台のみが限定製造される。
デンマークを拠点とするゼンヴォ・オートモーティブ(Zenvo Automotive)は、モントレー・カーウィークにおいて、最新ハイパースポーツ「オーロラ(Aurora)」を公開した。オーロラは「アジル(Agil)」と「トゥール(Tur)」というふたつの仕様をラインアップ。それぞれ50台が限定製造され、2026年からデンマーク・プレストの本社ファクトリーにおいて生産が開始される。

Zenvo Aurora

「アジル」と「トゥール」の2仕様を展開

究極のサーキット走行と快適なグランドツーリングという相反する要求性能を実現するため、ゼンヴォは、快適な走行を楽しめるグランドツーリング仕様の「トゥール(左)」と、サーキット仕様の「アジル(右)」というふたつの仕様を用意した。
究極のサーキット走行と快適なグランドツーリングという相反する要求性能を実現するため、ゼンヴォは、快適な走行を楽しめるグランドツーリング仕様の「トゥール(左)」と、サーキット仕様の「アジル(右)」というふたつの仕様を用意した。

モントレー・カーウィークにおいてゼンヴォ・オートモーティブは、最新ハイブリッド・ハイパースポーツ「オーロラ」を公開した。オーロラはゼンヴォがこれまで手掛けてきたスポーツカー史上、最も軽量かつパワフルなロードカーとして開発されている。

オーロラは、スペインを拠点とするカーボンファイバーのエキスパートであるマネージング・コンポジット(Managing Composites)社と共同開発した「ZM1」モジュラー・モノコックを採用。サーキット走行と快適なグランドツーリングという相反する局面において、史上最高のパフォーマンスを発揮すべく、ふたつの仕様が用意された。

レーシングカーを思わせるアグレッシブなスタイルを持つ「アジル(Agil)」と、美しくエレガントな「トゥール(Tur)」は、それぞれ50台を限定製造。「Agil」はデンマーク語で「Agile(機敏、俊敏)」、「Tur」は「Touring(ロングドライブ)」を意味し、「フォルムは機能に従う」という言葉からインスパイアを得てモデル名が決められたという。

アジルは、シンプルなスタイルをベースに、大型リヤウイングなどサーキット走行において強力なダウンフォースを発揮する専用のエアロダイナミクスを装着。一方のトゥールは、よりシンプルに美しさを追求したエレガントなエクステリアが与えられている。

マーレ製6.6リッターV12クワッドターボ+電気モーター

ふたつのモデルが用意されたゼンヴォ オーロラ、写真はグランドツーリング仕様の「トゥール」。
マーレ・パワートレインが開発した6.6リッターV型12気筒クワッドターボは、エンジン単体で1267PSを発揮。これに軽量な電気モーターを組み合わせたことで、最高システム出力は1875PSに達する。

搭載されるハイブリッド・パワートレインは、マーレ・パワートレインが開発した6.6リッターV型12気筒クワッドターボエンジンに、202PSの出力を持つ軽量な電気モーターを組み合わせ、最高システム出力1875PSを発揮。エンジン単体で、最高出力1267PSという強烈なパワーを誇る。

7速ハイブリッドギヤボックスを介して4輪駆動を駆動し、後輪駆動での走行を楽しむことも可能。フル電動モードでは35kmの航続距離が確保された。0-62mph(0-100km/h)は2.3秒、最高速度は280mph(450km/h)という世界最高レベルのスペックを実現している。

6.6リッターV12クワッドターボは米国と欧州において、厳しい排出ガス規制をクリア。マーレ・パワートレイン製のジェット・イグニッションを採用したことで、「ユーロ7排ガス規制」が求めるパーツ保護のための過剰噴射は不要となった。

このV12エンジンは拡張性も考慮されており、柔軟性を持ったモジュラー構造を採用。オーロラに搭載された大排気量V12だけでなく、このエンジンをベースにV型8気筒やV型6気筒の開発も計画されている。今後、ゼンヴォ製スポーツカーに搭載されるほか、OEMとして他メーカーにエンジンが供給される計画もあるようだ。

コンセプトに合わせたコクピット

グランドツーリング仕様の「トゥール」のラグジュアリーなコクピット。
贅沢なマテリアルをふんだんに使ったオーロラのコクピット。アジルとトゥールのコンセプトに合わせたインテリアが採用されており、写真はラグジュアリーなトゥールの室内。

キャビンは、ハイスペックで手触りの良いマテリアルを贅沢に使用。アジルが不要なコンポーネントを排した一方、トゥールはロードノイズにも徹底的にこだわり、パッセンジャーに伝統的なグランツーリスモらしいラグジュアリーな居住空間を提供する。

ゼンヴォ・オートモーティブのCCO兼取締役会長を務めるイェンス・スベルドロップは、オーロラの開発コンセプトを次のように説明した。

「オーロラの開発において、私たちは特定のスペックやラップタイムをあえて追い求めていません。ただ、それぞれの要素のバランスを取りながら、最高レベルのハードワークを続けたことで、オーロラを最高峰のハイパースポーツへと押し上げることにったのです」

「私たちが作りたかったのは、妥協のないドライバーズカーであり、あらゆるレベルで性能を発揮し、しかもそれぞれのパラメーターが悪影響を及ぼさなことでした。ある意味、これはデンマーク的なアプローチだと言えるかもしれません。私たちはこの考え方をハイパーカーセグメントへと導入したかったのです。結果として、真のドライビングプレジャーを提供し、驚異的なパフォーマンスを発揮するふたつの仕様が完成しました」

ゼンヴォ オーロラを動画でチェック!

ゼンヴォ・オートモーティブが現在開発を続けるハイパーカー「オーロラ」に採用される、カーボンファイバー製モノコックが公開された。

非公開: ゼンヴォが開発中のハイパーカー「オーロラ」用カーボンファイバー製モノコックを公開

デンマーク・プレストを拠点とするゼンヴォ・オートモーティブ(Zenvo Automotive)は、現在開発中のハイパーカー「オーロラ(Aurora)」のモノコック製造に関して、スペインのマネージング・コンポジット(Managing Composites)社との技術提携を発表。併せて、オーロラのベースとなるカーボンファイバー製モノコックを公開した。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…