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Renault Scenic E-Tech Electric
クロスオーバーに生まれ変わったセニック
1996年にルノー メガーヌの派生車種としてデビューしたコンパクトMPVの初代「メガーヌ セニック」。IAA モビリティで公開された4代目モデルは、クロスオーバースタイルにフル電動パワートレインを搭載した「セニック E-Tech エレクトリック 」に生まれ変わった。
家族のかたち、旅行習慣、環境問題へ興味、安全に対する要求は年々変化しており、これを受けてルノーは3世代に渡りコンパクトMPVとして人気を集めてきたセニックのコンセプトを、大きく変えることを決定。ルノー日産三菱アライアンスが開発したフル電動プラットフォーム「CMF-EV」をベースに、フル電動クロスオーバーのセニックを開発はした。
ルノー・ブランドのファブリス・カンボリブCEOは、セニック E-Tech エレクトリックのデビューを受けて、次のようにコメントした。
「1996年の初代デビュー以来、セニックはそれまでの常識を打ちこわし、新たなファミリーカーを象徴するモデルとして人気を集めてきました。セニック E-Tech エレクトリックは、このコンセプトを踏襲しつつ、長距離移動が可能で、持続可能性を重視して設計されたオールラウンダーな電気自動車に生まれ変わりました。新世代セニックは、コンパクトながらも優れた室内空間、明るさと快適性、そして最先端のコネクティビティも提供します」
ロングホイールベースによる快適な室内
フラットなルーフと2780mmのホイールベースにより、リヤシートはレッグスペースが278mm、ヘッドルームが884mmと、快適な室内空間を実現。ラゲッジスペースはリヤシート使用時も545Lと、十分な積載量が確保された。インテリアには不透明ガラスルーフに加えて、リヤシートには様々な機能を搭載したインジニアス・アームレストが採用されている。
コクピットには、12.3インチ・デジタル・ドライバー・ディスプレイと12.0インチの縦型センタータッチスクリーンを配置。ルノーが独自開発したコネクティビティシステム「オープンR・リンク」マルチメディアシステムには50以上のアプリが搭載されており、インテリジェントなナビゲーションシステムにより、旅の計画を簡単に立てたり、様々なゲームや動画などをパッセンジャーと共に楽しむことができる。
また、フル電動モデル用に作曲家のジャン=ミシェル・ジャールと共同製作された、専用サウンド・シーケンスも導入されている。
最高出力223PSを発揮するフル電動パワートレイン
セニック E-Tech エレクトリックは、ルノー日産三菱アライアンスが開発した「CMF-EV」プラットフォームを採用。コンパクトながらも、大胆なデザインとセグメントを超えた広い室内スペースを実現した。
バッテリーの配置を工夫し、内燃機関モデルと変わらない居住スペースを確保。パワーと航続距離の異なる2種類の仕様が用意され、どちらも駆動方式は前輪駆動のみ。ベースモデルは最高出力172PSを発揮し、60kWh容量のバッテリーが組み合わされ、最大航続距離は420km。パフォーマンス仕様は最高出力223PS、87kWh容量のバッテリーを搭載し、航続距離は620kmまで伸ばされる。
セニック E-Tech エレクトリックは、フランス・ドゥエーの電気自動車専用工場で生産され、2024年初頭から欧州において販売をスタート。セニック E-Tech エレクトリックに使用される素材の最大24%がリサイクルされ、バッテリーを含む質量の90%が、ルノーの専用施設においてリサイクルされる。