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Mercedes-Benz Concept CLA Class
4台で構成される次世代エントリー・メルセデス
メルセデス・ベンツ コンセプト CLA クラスは、メルセデス・ベンツ・ブランドの入口となる次世代フル電動ファミリーカーを予告。その完成度の高さは、市販化が近いことをアピールする。メルセデス・ベンツは長期的な電動化戦略を掲げており、中でもコンパクトセグメント重視の姿勢を表していると言えるだろう。
コンセプト CLA クラスは、次世代EV用プラットフォーム「メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー(MMA)」を採用。WLTP基準での航続距離は750kmを超え、エネルギー消費量はわずか12kWh/100kmと、電動化時代の「1リッターカー」を実現している。
エクステリアは、メルセデス・ベンツを象徴するディテールに、新時代の到来を予感させるダイナミックなデザインが組み合わせられた。インテリアも電動化とデジタル時代に向けて、これまでにない快適性と利便性が追求されている。メルセデス・ベンツ・グループAGのオラ・ケレニウス会長は、コンセプト CLA クラスについて、次のように説明する。
「コンセプト CLA クラスは、メルセデス・ベンツが投入を予定している新世代フル電動エントリーモデルの先駆けとなる1台です。 次世代メルセデスのエントリーモデルは、4ドアクーペ、シューティングブレーク、そして2台の魅力的なSUVで構成されます」
「MMAプラットフォームをベースに開発された、フル電動モデルファミリーは、メルセデス・ベンツならではのフィーリングに加え、より多くの機能、より優れた快適性と安全性、そして最先端のテクノロジーが導入されます」
ヴィジョン EQXX由来の高効率電動パワートレイン
コンセプト CLA クラスは、メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー(MMA)をベースに開発された初めての車両。MMAは、4ドアクーペ(コンセプト CLA クラス)、シューティングブレーク(ワゴン)、SUV、クロスオーバーといった、異なるホイールベースやボディスタイルにも、フレキシブルに対応する。
航続可能距離は750km(466マイル)以上をターゲットにしており、エネルギー消費量は12kWh/100kmと、電気自動車時代の「1リッターカー(1リットルの燃料で100kmを走行する内燃機関車両)」と言えるほどの高効率を実現した。
コンセプトカー「ヴィジョン EQXX」から直接派生した、新開発のフル電動ドライブトレインを搭載。800Vの電動アーキテクチャーと、卓越したエネルギー密度を持つ革新的なバッテリーシステム、高効率の電気駆動ユニットが組み合わせられた。コンセプト CLA クラスは、電気モーターをリヤアクスルに搭載した後輪駆動となるが、MMAはAWDモデルにも対応する。
開発中の革新的なバッテリーシステムは、従来のバッテリーよりも大幅なダウンサイズと軽量化を実現。さらに剛性レベルも向上しており、衝突安全性能もアップした。充電システムは、250kWの高出力DC充電に対応しており、わずか15分の充電で最大400kmもの走行が可能だという。
星の輝きが表現されたエクステリア
ロングホイールベース、ショートオーバーハング、スレンダーなグリーンハウス、シャープなボンネットは、メルセデス・ベンツの最新デザインランゲージを反映。エクステリア全体で「星座の中で最も輝く星」が表現された。あらゆる角度に輝きを放つ、超低消費電力LEDライトは、コンセプト CLA クラスのプロポーションを強調し、エクステリアに動きと生命力、そして高い機能性をもたらしている。
印象的な星形ヘッドランプ・クラスターを包み込むかたちで、フロントとリヤをライトバンドがつなぐ。このライトバンドは、非点灯時にはスタイリッシュな鏡面クロームとして機能。シャークノーズに配置されたグリルパネルは、センターにメルセデスを象徴するスリー・ポインテッドスターが輝く。このエリアはイルミネーションで照らされた、アニメーションのキャンバスにもなる。
グラスハウスにはクロームメッキが施され、筋肉質なプロポーションを強調。4ドアクーペ・デザインらしく、視覚的な重心は低く抑えられた。力強いホイールアーチの奥には、特徴的なスターパターンが施された21インチ・ホイールが奢られる。
インテリアに持続可能性を追求した素材を多用
コンセプト CLA クラスのインテリアは、持続可能な素材を使用。CO₂をほとんど含まないスチールや、CO₂使用量を削減したアルミニウム、持続可能な方法で生産・加工されたレザー、紙から作られたトリムまで、そのマテリアルは多岐にわたる。
インテリア全体のテーマは、ハイテクを採り入れながらも、ミニマルなエレガンスを追求。ペーパートリムや植物由来のなめし剤を使用して加工されたナッパレザーなど、革新的な新素材を採用したことで、エクステリアと同様に、光と影が印象的に表現された。日中は広々としたガラスルーフから自然光が降り注ぎ、入念に配置された控えめなLED照明がアクセントを加える。
持続可能なアルミニウム製ハウジングは、最先端のガジェットをイメージしたデザイン。スクリーンの左端と右端には、タービンのような仮想エア・ベンチレーションがデジタル表示される。物理的なエアベンチレーションは、冷却リブのようにデザインされ、スクリーンの後方に目立たないよう配置された。
新開発オペレーティングシステム「MB.OS」は、先進的なリアルタイムグラフィックを取り入れた「MBUXスーパースクリーン」を介して、これまでにないユーザーインターフェイスとユーザーエクスペリエンスを、ドライバーやパッセンジャーに提供する。