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Toyota Century
従来のセダンタイプも引き続き併売
新型トヨタ・センチュリーが発表された。センチュリーSUVではない。あくまでも新型のセンチュリーだ。その姿形は以前から噂されていたセンチュリーのSUVスタイルと言えるが、これはあくまでもセンチュリーが時代と共に進化した姿であり、現代版の最高級ショーファーカーを考えたらこのような形になったのだ、とトヨタは説明する。なお、従来のセンチュリー(セダンタイプ)も引き続き併売される。
ボディサイズは全長5205mm、全幅1990mm、全高1805mmの堂々たるサイズで、ホイールベースは2950mm。これはセダンのセンチュリーと比べて全長は130mm短く、全幅は60mm広く、全高は300mm高い。そしてホイールベースは140mm短い。
リヤのバルクヘッド部分には「ラゲッジルームセパレーター骨格」が結合されており、2BOX構造ながらボディ剛性と乗り心地を大きく向上させた。ちなみにリヤシート上部とラゲッジルームは遮音ガラスで仕切られており、ショーファーカーにふさわしい快適さを生み出している。当然、リヤシートを倒してラゲッジルームを拡大する、という下世話な機能は備わっていない。
スライド式ドアも選択可能
快適装備は枚挙に暇がないほど。主役が座るリヤシートは格納式のオットマンが備わり、大きくリクライニングさせてくつろぐことも可能。中央には大きなセンターコンソールを備えた4人乗り仕様のみで、テーブルや冷蔵庫も装備する。ドアを開閉する際は電動ステップが昇降するので、車高が高いボディでも乗り降りは楽だ。
そのドアだが、リヤドアは通常のスイング式に加えてスライド式ドアも選択できる。1種類のボディにスイング式ドアをスライド式ドアの両方を用意するのはおそらくセンチュリーが初めてだろう。スライド式ドアは内側から太い2本のアームで支えるので、ボディ側のレールは不要。それによって外から見る限りではどちらのドアなのか、判別することはできない。
そしてさすがセンチュリー、と唸らされるのは、随所に見られる匠のこだわりだ。ボディの塗装は圧倒的な輝きを見せる鏡面磨きでまさに鏡のようだし、象徴である鳳凰のエンブレムは細かな彫刻が施され、芸術作品のようだ。
ショーファーを第一義とした超高級SUV
パワートレインは3.5リッターV6にモーターを加えたPHEV。エンジンのパワーは262PS、トルクは335Nmで、それにフロント182PS/270Nm、リヤ109PS/169Nmのモーターが加わる。もちろんAWDで、69kmのEV走行を可能としている。
気になる価格は2500万円と発表された。従来のセダンタイプよりもさらに約500万円も高く、日本車最高峰となる。今や超高級SUVは世界に数多くあれど、ショーファーを第一義としたクルマはロールス・ロイス・カリナンくらいしかない。新型センチュリーは、日本車の新たな歴史を作る存在となるのかもしれない。
SPECIFICATOINS
トヨタ・センチュリー
ボディサイズ:全長:5205×全幅1990×全高1805mm
ホイールベース:2950mm
車両重量:2570kg
エンジン:V型6気筒DOHC
総排気量:3456cc
最高出力:193kW(262PS)/6000rpm
最大トルク:335Nm(34.2kgm)/4500rpm
Fモーター最高出力:134kW(182PS)
Fモーター最大トルク:270Nm(27.5kgm)
Rモーター最高出力:80kW(109PS)
Rモーター最大トルク:169Nm(17.2kgm)
トランスミッション:電気式無断変速
駆動方式:AWD
サスペンション形式:Fマクファーソンストラット Rマルチリンク
ブレーキ:FRベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:FR255/55R20
パフォーマンス:燃費14.2km/ℓ(WLTC)
価格:2500万円