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FIA WEC 6 Hours of Fuji
トヨタがマニファクチャラータイトルを確定
9月9〜10日、富士スピードウェイで開催された世界耐久選手権(WEC)第6戦のハイパーカークラスで「ポルシェ963」6号車が3位に入り、デビューシーズンで2度目の表彰台に上がった。ケビン・エストル/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ヴァントールが乗る6号車は、スタートの混乱で予選3位から首位に立つと、ほぼ4時間に渡ってトップを快走した。
しかし今シーズン4勝と圧倒的強さを見せる「トヨタ・ガズー・レーシング」の「GR010 ハイブリッド」7号車と同8号車が、地元の強みを見せて後半逆転すると、ホームコースとなる富士スピードウェイで1-2フィニッシュを飾り、ハイパーカークラスのマニファクチャラータイトルを決定した。
今シーズン2度目の表彰台に沸くポルシェ
ポルシェ 963の6号車、ケヴィン・エストレはレース後、「トヨタ勢にはわずかに及ばなかったものの、3位という結果に満足しています。我々のペースは素晴らしく、4時間レースをリードできました。富士のレースで我々の進化を証明し、前向きな状態で最終戦に臨めます」とコメントした。
ポルシェモータースポーツの責任者トーマス・ローデンバッハは今シーズン2度目の表彰台に喜びを隠さずコメントした。
「今日はポルシェ 963 とチーム全体が非常に強力なパフォーマンスを見せてくれました。表彰台という結果を得るために懸命に努力したすべての人に大きな賛辞を送ります。今日の3位は必然の報酬でした。私たちは週末を通じて963のポテンシャルを発揮し、レースの最初の4時間でトップを快走する時間を楽しみました。私たちは高いモチベーションと自信を持ってバーレーンでのシーズン最終戦に向かいます」
フェラーリ51号車に残されたドライバーズタイトルの可能性
一方、今年100周年を迎えたル・マン24時間で劇的な優勝を遂げたフェラーリの「499P」は、今シーズン初めて2台とも表彰台を逃し、それぞれ4位と5位に終わった。あいにくの雨に祟られた予選から調子を上げることができなかった。
499P 51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームズ・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ)が6位、50号車(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)が7位からスタート。序盤トヨタを抑えてポルシェ 963の6号車に続く2位と3位を走行するも、50号車が4位、51号車が5位、それぞれ1周遅れでフィニッシュした。
2023年シーズンのWEC最終戦は11月4日、バーレーンインターナショナルサーキットで開催される。ハイパーカークラスのドライバーズタイトルはまだ決定しておらず、バーレーン8時間で獲得できるポイント次第では、トヨタ8号車、同7号車そしてフェラーリ51号車のドライバーにタイトルのチャンスが残されている。
昨年に続き488 GTEがLMGTE Amを制する
一方のLMGTE AmクラスではフェラーリAFコルセの「488 GTE」54号車(トーマス・フローア/フランチェスコ・カステッラッチ/ダビデ・リゴン)が今シーズン初勝利を収めた。プライベートジェット事業によって成功を収めたジェントルマンドライバーのフローアにとって、2017年以来の勝利となった。488 GTEは昨年の富士6時間でも優勝しており、富士スピードウェイでの相性の良さを示すことができた。
PHOTO/Porsche、Ferrari、GENROQ