「ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルト」レンシュポルト・リユニオンで公開

GT3レーシングカーベースの「ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルト」ワールドプレミア【動画】

限定77台が製造されるトラックカー「ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルト」のエクステリア。
ポルシェの歴史的レーシングカーをオマージュしたエクステリアを纏い、限定77台が製造されるトラックカー「ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルト」がデビューを飾った。
ポルシェは、アメリカ合衆国カリフォルニア州のラグナ・セカで開催されたポルシェ・ミーティング「レンシュポルト・リユニオン 2023」において、限定77台のトラックカー「911 GT3 R レンシュポルト(Porsche 911 GT3 R Rennsport)」を世界初公開した。

Porsche 911 GT3 R rennsport

GT3規定の縛りから解き放たれたフォルム

限定77台が製造されるトラックカー「ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルト」の走行シーン。
ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルトは、世界中のGTレースシリーズで活躍する「911 GT3 R」をベースに、GT3レギュレーションに縛られることないエクステリアが与えられた。

最高出力620PS(456kW)の4.2リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載する「911 GT3 R レンシュポルト」は、タイプ992世代の911 GT3 Rをベースに開発されたトラックカー。FIAが定めるモータースポーツレギュレーション「GT3規定」の縛りから解き放たれた、自由なエクステリアデザインが与えられた。さらに、バイオエタノールを含む、Eフューエル燃料で走行できるように設計されている。

77台のみが限定される911 GT3 R レンシュポルトは、高性能レーシングカーのパワフルなエクステリアと、スーパースポーツのモダンなデザインを融合。シャシーやシーケンシャル6速ギヤボックスは、911 GT3 Rからキャリーオーバーされた。ポルシェのモータースポーツ担当副社長を務める、トーマス・ローテンバッハは911 GT3 R レンシュポルトについて次のように説明する。

「新型ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルトは、911ベースのレーシングカーを最もプリミティブな形で体験することができます。見るだけで鳥肌が立つエクステリアは、最高レベルのモータースポーツテクノロジーとポルシェらしいデザインが融合させました」

「そのパフォーマンスによって、911 GT3 R レンシュポルトは、ポルシェの歴史を目の前に再現する存在です。限定77台の製造枠はポルシェの特別なお客様だけに用意された特別なオファーとなります」

スタイル・ポルシェがデザインを担当

限定77台が製造されるトラックカー「ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルト」のエクステリア。
911 GT3 R レンシュポルトのエクステリアは、スタイル・ポルシェのグラント・ラーソンとトルステン・クラインが担当した。

911 GT3 R レンシュポルトは、スタイル・ポルシェのグラント・ラーソンとトルステン・クラインがデザインを担当。911 GT2 RS クラブスポーツベースの現代版「ポルシェ 935」の後継モデルとなり、992世代の現行911 GT3 Rをベースに開発された。

「大幅に再設計されたカーボンファイバー製ボディシェルの下には、本文のレーシングサラブレッドが存在しています」と説明するのは、スタイル・ポルシェのスペシャルプロジェクト・ディレクターを務めるラーソン。現在、彼はクラインと共に、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチャーの個性的なワンオフカーのデザインも行っている。

クラインは 「私たちは911 GT3 R レンシュポルトをワイド化し、美しくデザインされたホイールのスタンスを低く抑えました。これにより、完璧なプロポーションが生まれ、より華やかな存在感を獲得しました」と、付け加えた。

935/77や962をイメージしたリヤウイング

限定77台が製造されるトラックカー「ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルト」のエクステリア。
ボンネットとルーフ以外のボディパーツは、すべて刷新。大型リヤウイングは、ブルモス・レーシングのポルシェ 935/77や、962をイメージしている。

ベースの911 GT3 Rから引き継いだのはボンネットとルーフのみ。その他のボディエレメントはすべて変更された。冷却用エアインテークやダクトなど、空力的に最適化された専用のフロントセクションを採用。サイドフィンとフリック周辺に、視覚的なアクセントも加えられた。フロント・ホイールアーチのエアインテークと、アウトレットパネルも形状を変更。通常のエクステリアミラーはデジタルミラーに置き換えられている。

巨大なリアウイングは、1978年のデイトナ24時間レースにおいて、ピーター・グレッグ、トイン・ヘゼマンス、ロルフ・シュトメレンがドライブし、ポルシェに7度目の総合優勝をもたらしたブルモス・レーシングのポルシェ 935/77をイメージした。

リヤウイングのアッパーエレメントにかかる負荷を支えるべく、2本のバーティカルサポートを追加。このさりげないコンポーネントは、プロタイプレーシングカー「ポルシェ 962」を彷彿とさせる。微細なLEDストリップで構成されたライトバーは、「PORSCHE」の文字にイルミネーションを施し、ワイド化されたリヤセクションに個性的な表情を持たせている。

一段低い位置に配置されたリヤエプロンは、軽量化を目的にグリルカバーやパネルを取り払った。この結果、リヤセクションのテクニカルコンポーネントや、ツインテールパイプを備えたセンター・エキゾーストシステムがクリアに見えるようになっている。

3種類の専用ペイントデザインを用意

限定77台が製造されるトラックカー「ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルト」のエクステリア。
レンシュポルト・リユニオンで公開された「レンシュポルト・リユニオン・デザイン(写真)」をはじめ、「フラハト・デザイン」と「スピードアイコン・デザイン」という3種類の専用ペイントデザインも用意された。

911 GT3 R レンシュポルトは「アゲートグレーメタリック」にペイントされたボディシェルと、ピュアカーボンファイバー製ボディパーツの組み合わせで提供。ボディカラーはスター・ルビーやシグナル・オレンジなど、7色のカラーバリエーションを展開し、3種類の専用ペイントデザインも用意された。

今回、レンシュポルト・リユニオンで公開された「レンシュポルト・リユニオン・デザイン」は、伝統的なモータースポーツカラーをベースにデザインされ、ボディサイド全体にラグナ・セカの名物コーナー「コークスクリュー」をイメージした専用グラフィックを配置する。

レッドとホワイトを基調とした「フラハト・デザイン」は、ポルシェ・モータースポーツが伝統的に使用してきたカラーをチョイス。「フラハト」とは、ヴァイザッハのモータースポーツ部門がある地区にちなんで名付けられた。3つ目のオプション「スピードアイコン・デザイン」は異なる色調のブルーをレイアウトし、ワイド感を強調する。

専用のアンビエントライトを採用したコクピット

コクピットに採用された専用のアンビエント・ライトは、カラー調整可能なメインヘッドライトと連動している。
足元には専用設計されたBBS製18インチ・レーシングデザイン・ホイールを採用。センターロック付きホイールは、ポルシェ・モータースポーツの標準カラーであるダークシルバーメタリックにペイントされた。

911 GT3 Rベースのコクピットは、フェンダーに取り付けられた2基のエクステリア・カメラ用モニターを、両サイドに配置。センターディスプレイのスプラッシュ・スクリーンと、インストルメント・パネル・ディスプレイには、911 GT3 R レンシュポルトのフォルムを模した専用グラフィックが採用された。また、カラー調整可能なメインヘッドライトと同じカラーテーマを、インテリアのアンビエント・ライトにも導入している。

911 GT3 Rと同様、911 GT3 R レンシュポルトにはパッセンジャーシートは取り付けられず、シングルシーターとして販売。すべての安全装備は、ベースとなった911 GT3 Rと同様にFIA規格に準拠する。高い剛性レベルを誇るロールケージ設計により、サーキットアタック時、ドライバーに抜群の安心をもたらすことになるだろう。

ポルシェ 911 GT3 R レンシュポルトを動画でチェック!

米国・カリフォルニアのウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカにおいて、2023年9月28日~10月1日にかけて「レンシュポルト・リユニオン 7」が開催された。

非公開: ポルシェ・ファン9万1000人がラグナ・セカで熱狂したレーシングポルシェの祭典「レンシュポルト・リユニオン 7」の見どころとは?

2023年9月28日~10月1日、アメリカ合衆国カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカにおいて、世界最大規模のポルシェ・ミーティング「レンシュポルト・リユニオン 7(Rennsport Reunion 7)」が開催された。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…