【ラグジュアリーSUV比較】意外と似てる「トヨタ センチュリー」と「ランドローバー レンジローバー」

PHEVの「トヨタ センチュリー」を「ランドローバー レンジローバー」とラグジュアリーSUV比較

日本の誇るラグジュアリーカー「トヨタ センチュリー」と、元祖高級4WDの「ランドローバー レンジローバー」を比較した。
日本の誇るラグジュアリーカー「トヨタ センチュリー」と、元祖高級4WDの「ランドローバー レンジローバー」を比較した。
道なき道を走る走破性能はもちろん、砂漠のロールス・ロイスと言われるほどのラグジュアリー性を兼ね備え、世界中のVIPから愛されてきたレンジローバー。SUVテイストを漂わせる新型センチュリーにとっては、大先輩とも言える存在だ。最新モデルでは、ガソリン&ディーゼルエンジンに小型モーターが追加されたマイルドハイブリッド仕様となり、プラグインハイブリッド仕様もラインナップされるレンジローバーと、新型センチュリーのスペックを比較していく。

Toyota Century
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Land Rover Range Rover

LWB仕様で圧倒的な室内空間のレンジローバー

レンジローバーのスペックは本国仕様のものを採用する。センチュリーと比べてみると、全幅と全高はレンジローバーがかなり大きい。全幅が219mm差、全高が65mm差となり、正面から見た印象は両車でまったく異なるだろう。ただし、日本仕様のレンジローバーでは全幅が2005mmとされており、その差は15mmにまで縮まる。

これに対して、全長はセンチュリーが153mmも長い。しかし、ホイールベースではレンジローバーが逆転して47mm長くなっており、ロングホイールベース仕様になるとその差は247mmにまで広がる。レンジローバーのロングホイールベース仕様には3列シートの7人乗りも設定されており、この長く確保されたホイールベースはそのためでもある。

トヨタ センチュリー

全長5205×全幅1990×全高1805mm
ホイールベース2950mm
車両重量=2570kg

ランドローバー・レンジローバーP530

全長5052(5252)×全幅2209×全高1870mm
ホイールベース2997(3197)mm
車両重量=2585(2708)kg
( )内はロングホイールベース仕様

多彩なパワートレインが魅力のレンジローバー

プラグインハイブリッド仕様のみとなるセンチュリーに対し、レンジローバーはディーゼルとガソリンエンジンに加えて、プラグインハイブリッド(PHEV)仕様をラインナップ。同じPHEV同士で比較してみると、エンジンとモーターを合わせたシステム最高出力は、センチュリーが412PSであるのに対して、レンジローバーは550PSと圧倒的なハイパワーを誇る。

ただし、センチュリーが前後にそれぞれ182PS&109PSという強力なモーターを計2個備えているのに対して、レンジローバーが有するのは218PSのモーターのみ。現状ではEVとしての魅力はセンチュリーに分がありそうだが、レンジローバーはBEVモデルの投入が予定されており、今後の展開に期待したいところだ。

レンジローバーのディーゼルエンジン搭載車は最高出力300PS、V8ガソリンエンジン搭載車は530PSとなっており、センチュリーはその中間の動力性能となる。

トヨタ センチュリー

エンジン形式=V型6気筒
排気量=3456cc
エンジン最高出力=262PS/6000rpm
エンジン最大トルク=335Nm/4600rpm
モーター最高出力=前182PS/後109PS
モーター最大トルク=前270Nm/後169Nm
トランスミッション=電気式無段変速機
駆動方式=AWD

ランドローバー・レンジローバーP550

エンジン形式=直列6気筒ターボ
排気量=2997cc
システム最高出力=550PS/5500-6500rpm
システム最大トルク=800Nm/2000-5000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

ランドローバー・レンジローバーP530

エンジン形式=V型8気筒ターボ
排気量=4394cc
最高出力=530PS/5000-7000rpm
最大トルク=750Nm/1800-4500rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

ランドローバー・レンジローバーD300

エンジン形式=直列4気筒ディーゼルターボ
排気量=2993cc
最高出力=300PS/4000rpm
最大トルク=650Nm/1500-2500rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

意外とお得なPHEV仕様

最後に、価格を確認してみよう。レンジローバーは装備が充実した「AUTOBIOGRAPHY」にそろえて、価格が高い方から並べてみると……

・センチュリー 2500万円
・レンジローバーP530 2485万円
・レンジローバーP550 2447万円
・レンジローバーD300 2204万円

となり、センチュリーが最も高額。注目はレンジローバーで、PHEV仕様よりもパワー面で劣るV8仕様の方が、やや高価な設定とされている。レンジローバーのPHEV仕様は、意外にも買い得感が高いと言えそうだ。

V6ターボエンジンが強力なパワーを生み出すベンテイガに対して、センチュリーは前後に備えたモーターが主役的な存在感を醸し出す。もちろん、ベンテイガはPHEVなので、EVとして69kmという距離の走行も可能だ。

「価格差わずか50万円」トヨタ センチュリーとベントレー ベンテイガで「2500万円級ラグジュアリーSUVを比較」

国産車のなかでは唯一無二のラグジュアリーな世界観を持つ新型センチュリー(SUVタイプ)だが、世界に目を向けるとライバルと目されるモデルが存在する。そのひとつと言えるのが、ベントレー初のSUVとして、デビュー以来高い人気を得ているベンテイガだ。センチュリーにとって、世界の高い壁として立ちふさがるモデルとの違いは、どのあたりにあるだろうか。

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著者プロフィール

古川 裕 近影

古川 裕

新型モデルを比較することを信条とするフリーランスジャーナリスト。過去にはゲンロクWebを運営する三栄に…