フル電動MPV「ボルボ EM90」デビュー「自宅のようなくつろげる空間を実現」

ボルボ初のフル電動マルチパーパスバン「EM90」がワールドプレミア「中国市場に先行投入」【動画】

ボルボ初のフル電動マルチ・パーパス・バン「EM90」のインテリア。
ボルボ初のフル電動MPV「EM90」が、中国においてワールドプレミアされた。
2023年11月13日、ボルボは、新型フル電動プレミアムMPV「EM90」を、中国においてワールドプレミアした。EM90は、快適な走るリビングルーム、大切な人たちとの特別な空間を楽しむためのBEVとして開発。ボルボのラインナップとしては初のフル電動MPVとなり、まず中国市場へと導入される。これを受けて、中国で予約オーダーの受付がスタートした。

Volvo EM90

BEVで蘇った現代版「デュエット」

ボルボ初のフル電動マルチ・パーパス・バン「EM90」のインテリア。
EM90は、1950年代に人気を集めた元祖MPV「デュエット」のコンセプトを、フル電動パワートレインと共に現代に蘇らせた。

EM90は、ボルボのEVラインアップにおける重要車種として開発。MPVセグメントは近年、特にアジアを中心に高い人気を博しており、EM90は世界最大の自動車市場である中国市場へと最初に導入されることが決まった。

EM90の始祖と言えるのが、1950年代に高い人気を集めた「ボルボ デュエット」。EM90は大人数での家族旅行だけでなく、エグゼクティブなビジネス用交通手段としても使用でき、ミーティングやビジネスコールのための快適な車内環境を提供する。ボルボが誇る安全性も確保されており、快適かつ広々とした移動体験を求めるカスタマーにとって、魅力的な選択肢となるだろう。

ボルボは2023年前半に小型フル電動SUV「EX30」を投入しており、今回発表したEM90と合わせて、新たな顧客層の開拓を目指している。また2030年までに完全なEVメーカーになるというボルボの経営方針をアピールする1台が、EM90と言えるだろう。ボルボ・カーズのジム・ローワンCEOは、EM90の発表を受けて次のようにコメントした。

「EM90によって、ボルボの伝統と高い安全性を、エキサイティングなフル電動MPVセグメントへと導入します。EM90によって、私たちはこれまで開拓してこなかった新たなマーケットの需要を取り込み、より多くのお客様ににボルボ・ブランドの魅力を伝えることができると考えています」

「古くからの決まり文句ですが、自宅ほどくつろげる場所はありません。そこは大切な人とつながり、自分らしくいられる場所ですからね。新型EM90にインスピレーションを与えたのは、この自宅という感覚です」

自宅のリビングルームのような空間

ボルボ初のフル電動マルチ・パーパス・バン「EM90」のインテリア。
北欧製家具を思わせるシックな雰囲気のインテリアは、自宅のリビングルームをコンセプトに開発。広々とした空間と高いレベルの快適性が追求されている。

EM90は、MPVセグメントに新しいスタイルのスタンダードを打ち立てることを目指し、インテリアは動くリビングルームとなるようデザイン。ディテールまでこだわったスカンジナビアン・デザインは、車内で過ごす時間を最大限に楽しめるよう、極上の快適さを提供する。

ゆったりとしたキャビン幅とレッグルーム、数多く用意されたスマートな収納機能によって、EM90の車内はすべての人が広々とくつろげるインテリアを実現した。また、独自の空気清浄テクノロジーを標準装備しており、空気清浄システムのプレイオン化と繊維ベースのフィルターにより、PM2.5を最大95%除去することが可能になった。

ドライバー用の15.4インチ・インフォテインメント・スクリーンは、スカンジナビアの美しい自然にインスパイアされた、最新のボルボ・アバターが登場。ルーフに設置された高解像度15.6インチスクリーンは折り畳み式となり、家族向けのエンターテインメントや、ビジネスにおけるビデオ会議などで、いつでも展開して使用できる。また、このスクリーンはモバイル画面の投影や、さまざまな外部アプリにも対応する。

EM90は動くリビングルームというだけでなく、プライベートな移動式コンサートホールとしても機能する。Bowers & Wilkins社製の21基のスピーカーを、フロントシートのヘッドレストをはじめ、キャビン全体に美しく配置。2460Wのパワーによる3Dサウンドのハイファイオーディオが、極上のサウンド体験を乗員にもたらすという。

ひと目でボルボと分かるエクステリア

ボルボ初のフル電動マルチ・パーパス・バン「EM90」のインテリア。
エクステリアはトールハンマー・ヘッドライトや縦型テールランプなど、ひと目でボルボと分かるアイコニックなデザインが採用された。

エクステリアデザインは、フロントにひと目でボルボと分かるアイコニックなトールハンマー・ヘッドライトを配置。今回、ボルボ製市販モデルとしては初めて採用されたイルミネーションロゴを含む、イルミネーションフロントが導入された。超高層ビルや最先端の没入型アートからインスピレーション得たフロントセクションは、温かみを持ちながらも、ハイテクかつ精巧さが追求されている。

リヤセクションは、ライトアップされたワードマークとスタイリッシュなテールライトデザインが、モダンかつプレミアムな雰囲気をアピール。ボルボを象徴する縦型テールランプも最新デザインへと進化を遂げた。テールランプは近代的な都市のスカイラインからインスピレーションを得ており、中心部のメタルストリップは地平線を表現している。

足元には19インチ/20インチエアロホイールを装着。この専用ホイールは優れた空力性能により、航続距離の延伸にも寄与する。エクステリアカラーは4色をラインナップ。どのカラーも自然と光の交わりからインスピレーションを得た、温かみのある色調が採用された。

最大航続距離738kmを確保

ボルボ初のフル電動マルチ・パーパス・バン「EM90」のインテリア。
EM90は、最高出力271PSの電動モーターと容量116kWhのバッテリーを搭載。最大航続距離は738kmが確保された。

EM90の航続距離は、CLTCテストサイクル(中国の燃料消費量・排ガス試験サイクル)で最大738kmが確保された。容量116kWhのバッテリーが搭載されており、10%の状態から80%まで充電する時間は30分未満を想定。また、最高出力200kW(271PS)の電動モーターを搭載しており、0-100km/hの加速は8.3秒となっている。

フラッグシップSUVのEX90と同様、EM90にも双方向充電に必要なハードウェアを搭載。この機能により、EM90のバッテリーを蓄電池として活用し、他のEVや電化製品を充電することができる。

「ボルボEM90は、スマートなキャビン、急速充電、競争力のある航続距離、ボルボ独自のデザインによる美しいエクステリア、そして細部にまでわたる高いプレミアム性を備えた、最高に快適なEVです。それ以上に重要なのは、このクルマは人とのつながり、創造力を働かせたり、リラックスしたりできる空間を実現しました」と、ジム・ローワンCEOは付け加えている。

ボルボ EM90を動画でチェック!

エクステリアは、EVならではのフロントシールドデザインやボルボのアイデンティティを主張するトールハンマーライトが印象的だ。

新世代ボルボを感じさせるフル電動コンパクトSUV「EX30」が人気の理由は程よいサイズと高い品質

ボルボのBEVラインナップに第3のモデルとなるEX30が登場した。日本の道路や駐車環境にうってつけのコンパクトなサイズは本邦だけでなく世界市場で大きな人気を博しているという。スペイン・バルセロナで注目のフル電動コンパクトSUVに乗った。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…