新世代グランドツアラー「マセラティ グラントゥーリズモ」と「アストンマーティン DB12」を比較

3000万円級グランドツアラー「マセラティ グラントゥーリズモ」と「アストンマーティン DB12」を比較して意外な違いを発見

アストンマーティン DB12(上)とマセラティ グラントゥーリズモ。
アストンマーティン DB12(上)とマセラティ グラントゥーリズモ。
「マセラティ グラントゥーリズモ」と「アストンマーティン DB12」は、どちらも2023年に日本で発表されたばかりの、官能的な走りと人々を魅了するプロポーションを兼ね備えたグランドツアラーだ。ただ、グラントゥーリズモが先代のコンセプトをおおむね引き継いでいるのに対し、DB12はDB11に比べてよりハイパフォーマンスモデルとしての性格を強めているなど、両車のキャラクターは微妙に異なるようだ。今回はグラントゥーリズモのICE搭載車における最上級グレードであるグラントゥーリズモ トロフェオとDB12を比較してみたい。

MASERATI GRANTURISMO
×
ASTON MARTIN DB12

キャラクターの違いはディメンションに表れる

キャラクターの違いは両車のディメンションにもよく現れている。グラントゥーリズモはDB12に対して全長が240mm、ホイールベースが125mmも長く、一方のDB12はグラントゥーリズモよりも全幅が105mm広く、全高が115mm低い。DB12はよりワイド&ローのプロポーションが特徴的だ。

このことからもわかるように、グラントゥーリズモが伸びやかなシルエットを持つラグジュアリークーペと言うべきであるのに対し、DB12のプロポーションはまさにスーパースポーツカーのそれである。

マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ

ボディサイズ=全長4965mm×全幅1955mm×全高1410mm
ホイールベース=2930mm
車両重量=1870kg
タイヤサイズ=(前)265/30ZR20(後)295/30ZR21

アストンマーティン DB12

ボディサイズ=全長4725mm×全幅2060mm×全高1295mm
ホイールベース=2805mm
車両重量=1788kg
タイヤサイズ=(前)275/35ZR21(後)325/30ZR21

3.0リッターV6のグラントゥーリズモと4.0リッターV8のDB12

パワートレインの違いからも、両車の設計思想の違いをうかがい知ることができる。

グラントゥーリズモに搭載されるのは、最高出力550PS/最大トルク650Nmを発揮する3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンだが、DB12では最高出力680PS/最大トルク800Nmに達する4.0リッターV型8気筒のツインターボエンジンが採用されている。

組み合わされるトランスミッションは両車ともに8速ATだが、駆動方式はグラントゥーリズモがAWD、DB12はRWDとなる。

どちらのパワートレインも、日常生活においては必要十分以上であることは言うまでもないが、やはりDB12のほうがよりハイパフォーマンスなモデルを志向していることがわかる。

マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ

エンジン形式=V型6気筒 DOHC ツインターボ
排気量=2992cc
エンジン最高出力=550PS/6500rpm
エンジン最大トルク=650Nm/3000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

アストンマーティン DB12

エンジン形式=V型8気筒 DOHC ツインターボ
排気量=4000cc
エンジン最高出力=680PS/6000rpm
エンジン最大トルク=800Nm/2750-6000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD

価格はほぼ互角だが…

価格はグラントゥーリズモが2998万円であるのに対しDB12は2990万円とほぼ互角だが、より多彩なオプションが用意されているDB12のほうが、乗り出し価格が高くなる傾向があるかもしれない。

グラントゥーリズモには、今回紹介した「トロフェオ」に加えて、2444万円とわずかに手の届きやすい「モデナ」も用意されている。また、現時点では日本国内未導入ではあるが、ブランド初のBEVである「フォルゴーレ」も控えているなど、電動化の時代も見据えた多彩なラインナップが魅力だ。

一方のDB12にはオープントップ版の「ヴォランテ」が設定されている。いずれも、アストンマーティンが「世界初のスーパーツアラー」と称するだけのパフォーマンスとラグジュアリーさを備えている。

どちらを選ぶかは悩ましいところではあるが、どちらを選んでも至福のひとときを与えてくれる1台であることに疑う余地はないだろう。

初期限定モデルのマセラティ グラントゥーリズモ プリマセリエ 75th アニバーサリー ローンチエディションも当日発表された。

新型「マセラティ グラントゥーリズモ」が日本市場デビュー「価格は2440万〜3660万円」

11月21日、マセラティ ジャパンは2ドアGTクーペ、その名も「グラントゥ―リズモ」の新型を日本初公開した。価格はベースモデルの「モデナ」が2440万円、高性能モデルの「トロフェオ」が2998万円。EV版となる「フォルゴーレ」は来年導入予定とされた。

アストンマーティンらしくハイパフォーマンスでありながら、エレガントで美しいスタイリングとサヴィルロウと呼べるようなインテリアが魅力だ。

最新アストンマーティン「DB12」に試乗してラグジュアリークーペの進化を堪能

伝統のDBの称号を受け継ぐアストンマーティンの主力モデルが生まれ変わった。11から12へ、そのパワートレインやシャシーの進化は、アストンマーティンのこれからを担うに相応しい仕上がりなのだろうか。(GENROQ 2023年9月号より転載・再構成)

キーワードで検索する

著者プロフィール

ピーコックブルー 近影

ピーコックブルー

クルマやバイクの分野では日本最大級の記事配信数を誇るコンテンツ・プロダクション。ビギナー向けのやわ…