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Rodin FZERO
マウント・ライフォードの本社拠点で初走行
今回、本社テストコースを舞台に初走行を行ったことは、FZEROプロジェクトだけでなく、ロダン・カーズ全体にとっても大きなマイルストーンとなった。シェイクダウンを終えたFZEROは、現在もロダン・カーズが独自設計した4.0リッターV型10気筒ツインターボエンジン「RC.TEN」の集中的なテストプログラムを行っている。
FZEROは、ニュージーランド南島のマウント・ライフォード近郊にあるロダン・カーズの最新鋭施設で設計・開発された。この施設には、3つの専用テストサーキットとハイテク生産施設も併設。ロダン・カーズの創業者、デイビッド・ディッカーがFZEROと「RC.TEN」エンジンの設計を担当。自身が立ち上げたテクノロジー企業を所有するディッカーはニュージーランド有数の億万長者であり、熱心なアマチュアレーサーでもある。
テストセッションでは、ディッカー自身がFZEROのステアリングを握り、テストトラックを周回。自身が設計したハイパーカーの走行にディッカーは喜びを隠さない。
「開発プログラムとテストは、これからも長い道のりとなるでしょう。今回、FZEROが初めて走りだしたことで、このプログラムを実現させるため、私たちのチームが達成した成果に誇りを感じています。最初のテストは非常にうまくいきましたし、予定していたプログラム全てを完了することができました。FZEROプロジェクトが次の段階に入るのを心待ちにしています」
世界最高レベルのトラックカーに挑戦
シェイクダウンテストでは、数周のインストレーションラップ後、ロダン・カーズのピットへと戻り、エンジニアへのフィードバックとシステムチェックを行った。 その後、再びサーキットへと戻り、終日走行を続けている。 今回、初めて走行するFZEROの勇姿を見ようと、ロダン・カーズのスタッフの多くが、昼休みにコースサイドへと駆けつけたという。ゼネラルマネージャーを務めるエマ・ダンカンは次のようにその光景を振り返っている。
「FZEROが何のトラブルもなくサーキットを走る姿は、本当に感動的な場面になりました。このクルマはロダン・カーズが持つ卓越した技術力を象徴する存在です。まさに傑作になると私は信じています。今回の初テストは、ロダン・カーズの未来にとって極めて重要な一歩となるでしょう」
クローズド・コクピットを持つFZEROは、史上最高レベルのパフォーマンスとダイナミズムを目標に開発。アストン・マーティン、ゴードン・マレー・オートモーティブ、メルセデスAMGのサーキット専用ハイパーカーへの挑戦が明言されている。
V10ターボに加えて自然吸気仕様も開発
FZEROには、ディッカー自身が設計した4.0リッターV型10気筒「RC.TEN」ツインターボエンジンが搭載される。電動モーターが組み合わせられ、最高システム出力1176PS(755kW)、同最大トルク1026Nmを発揮。V10エンジン単体で132kgという超軽量を実現し、リカルドと共同で製造した特注の8速ギヤボックスを介して、リヤを駆動する。最高速度は360km/hがターゲットだ。
英国のニール・ブラウン・エンジニアリング(Neil Brown Engineering)によって、2基のプロトタイプエンジンを製作した後、「RC.TEN」の開発と製造はロダン・カーズへと移された。「RC.TEN」に関しては現在のターボ仕様に加えて、自然吸気仕様の開発も行われている。
ロダン・カーズは、12月7日から9日までインディアナポリスで開催されるパフォーマンス・レーシング・インダストリーショーに「RC.TEN」を展示。アメリカのカスタマーに向けて、そのパフォーマンスをアピールした。