スポーツDNAに新たな色彩を

Apriliaが、最上位グレード「Factory」シリーズであるRSV4 FactoryおよびTuono V4 Factoryに対して、2026年モデル向けの新グラフィック/カラーを発表した。 これはエンジン/車体仕様の大幅な技術刷新を伴わない、いわば“見た目”の進化であるが、Apriliaがそのスポーティなアイデンティティに改めて注力しているサインとも受け止められる。
新グラフィックで際立つレーシーな雰囲気

RSV4/Tuono V4のFactory仕様では「紫(ヴィオラ)」「白」「赤」という、戦闘的かつブランドの伝統を感じさせるカラーリングが採用された。 加えて、グラフィックのデザインも空力/カウル形状を意識して刷新。fairing(カウル)のラインに沿ったグラフィックが、より“走り”の印象を強めている。 これにより、単なる色違いという枠を超えて「Factory=特別仕様」という視覚的なメッセージが強化された。
モデル位置付けと“Factory”の意味合い

RSV4およびTuono V4シリーズにおいて、“Factory”という冠は、通常モデルよりも上質な装備/仕様、専用カラー/グラフィックを備える最上位バージョンである。例えば、RSV4はスーパーバイククラスを想定した技術を市販化したモデルでもあり、Wikipediaには「RSV4のFactoryはサーキットレース由来の仕様をまとっている」旨の記述もある。 今回、技術的な全面更新ではなくグラフィック刷新にとどまったことから、Apriliaとしては「既存仕様を維持しつつ、見せ方を変える」「所有の満足感を高める」方向でこの“Factory”シリーズをブラッシュアップしたと考えられる。
今後の展望とユーザーへの訴求ポイント

グラフィック/カラーの刷新という比較的軽微なアップデートながら、ブランド戦略的には大きな意味を持つ。まず、ライダーが「どの仕様か」「どの色か」を選ぶことで、自分の走りやスタイルをより明確に表現できるようになった。加えて、Factory仕様の視覚的差別化によって中古市場・乗換え需要にも働きかけることが可能である。今後予想される展開としては、限定モデルやコラボグラフィック、専用アクセサリーを伴ったバージョンの登場が考えられ、グラフィック・カラーの“見せ方”がモデルライフ中期戦略として重要な鍵を握ることになる。
今回のAprilia Factoryシリーズのグラフィック刷新は、走りの血統を視覚的に体現し、所有する喜びを高めるための戦略とも言える。技術面では大きな変化を伴わないが、「見た目の印象」を変えることで、ブランドとライダーの関係を再定義する一手として注目に値する。
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