秋になると長く続く秋雨で、気づけば愛車がいつも濡れたままということも少なくない。雨ざらしにしていても大きな問題はないのか、それとも見えないダメージが蓄積しているのだろうか。

意外と蓄積している見えないダメージとは

雨の後、ボンネットに水滴がのったままになるとウォータースポットになりかねない。

日本は、世界的に見ても降水量が多い国とされている。これは、梅雨や台風だけでなく、秋雨のように長く続く雨があることからもうかがえるだろう。

そして、環境省が昭和58年度から継続している酸性雨対策調査によれば、日本の降水は平均してpH5.6前後と弱酸性を示している。つまり、年間を通して酸性成分を含む雨が降っており、クルマは常にその影響を受け続けているというわけだ。

特に、秋雨の時期は降水が長く続くため、塗装や金属部分への負荷が強まるのはいうまでもない。

雨の後、ボンネットに水滴がのったままになるとウォータースポットになりかねない。

実際、米国環境保護庁(EPA)の研究では、酸性成分を含む雨が塗装表面にシミやエッチングを生じさせ、再塗装以外に完全な回復は難しいと報告されている。さらに、雨には酸性成分だけでなく大気中の塵や排気ガス由来の微粒子も混ざっているため、降雨後に水滴が乾燥すると、汚染物質が塗装面に固着してウォータースポットが残る。

なお、ウォータースポットは単なる水跡ではない。硬化したミネラル汚れに近いため、放置すればクリアコート層を侵食し、光沢を失わせる原因になるというのだ。

また、金属部品が酸性成分を含んだ水に触れ続ければ、酸化が進みサビの発生を招く。特にドア周辺や下回りは、路面からの跳ね上げも加わるため、腐食が進行しやすい傾向があり、結果として部品交換や修理が必要になるケースも避けられない。

対策はどうしたら良い!?

クルマへのダメージを減らすには定期的な洗車が必要となる。

雨によるクルマへのダメージを減らすには、やはり定期的な洗車が欠かせない。降雨後に残留物を洗い流すことで、酸性成分やミネラル汚れを確実に除去できるほか、ワックスやシーラントを施工すれば、塗装面に保護層が形成される。保護層は水滴を弾き、酸性雨の直接的な影響を和らげる役割を持つ。

さらに、近年はセラミックコーティングの普及が進み、長期間にわたり撥水性や耐酸性を維持できる点が高く評価されている。そのため、維持費を抑えつつ塗装を守りたいユーザーにとって、有効な選択肢といえるだろう。

ガラス部にのった水滴
カーカバーをかけることで、クルマに水滴がつくのをある程度防げる

また、EPAの報告でも、こうした保護処理やカーカバーの使用は酸性雨による被害を抑える有効な手段と示された。

しかし、カーカバーに通気性のない素材が使用されている場合、かえって湿気をため込みやすく、逆効果になるおそれも少なくない。そのため、カーカバーの材質の選定は慎重におこなうべきだろう。

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結論として、雨によるクルマへの影響は常に存在していることがわかった。秋雨そのものが特別に酸性というわけではないが、降雨が長く続くため、秋は塗装や金属部品への影響が表面化しやすい時期といえるだろう。

そして、クルマを守るには洗車やコーティング、駐車環境の工夫といった日常的なケアが不可欠だ。酸性成分を含む雨の影響を軽視せず、習慣的な対策を積み重ねることこそが、長期的に美しい状態を維持する唯一の方法といえるだろう。