電動アシスト自転車とモペットの違いはここ！
最近、都内をスピードを出して走り回る、自転車のようなモビリティを見かける機会が増えている。これはペダル付き電動バイク、いわゆる「モペット」と呼ばれるモビリティである。モペットは一見すると電動アシスト自転車に似ているが、クルマを追い抜く場面も多く、その速さはもはや自転車とは言いがたい。
では、モペットは合法的なモビリティなのだろうか。電動アシスト自転車とモペットがそれぞれどのようなモビリティなのか、詳しくみていこう。
まず、電動アシスト自転車とは、ペダルをこぐ人の力をモーターが補助する仕組みを持つ自転車である。特徴はあくまで人力が主体である点だ。そのため、モーターだけで自走することは認められておらず、発進や坂道といった場面でこぐ力を助けるように作られている。
たとえば、速度10km/h未満では、人がこぐ力の2倍までしかモーターが補助できない。速度が10km/hから24km/hの範囲では補助比率が段階的に下がり、24km/hでは補助が完全に切れる構造である必要がある。さらに、モーターは電動機であることが必須であり、基準を逸脱する改造が容易にできない構造であることも条件である。
これらに適合する車両は、国家公安委員会の型式認定を受けた証としてTSマークを表示できる。また、自転車協会の自主基準に適合したBAAマークも目安となる。
一方、ペダルを備えていてもモーターのみで走行できる車両や、補助比率が基準を超えるものはモペットとされ、道路交通法上は原付以上に分類される。
モペットを運転するには免許が必要なほか、ナンバープレート、自賠責保険、保安基準に適合した装置、ヘルメット着用が義務付けられている。なお、スロットルが装備された車両も基準外であり、取り外し可能であっても電動アシスト自転車とは認められない。
また、2023年10月25日に国民生活センターが公表した内容によれば、通販で販売された10銘柄中9銘柄が基準を満たしていなかったという。中にはペダルを軽く回すだけで20km/h以上まで加速し、24km/hを超えても出力が止まらない製品も確認された。
さらに、一部製品ではスロットル操作で加速可能な仕様や、取扱説明書に45km/hや65km/hで補助が停止すると記載されている事例もあった。そして、同資料によれば、電動アシスト自転車の普及にともない、事故件数は過去10年で約3倍に増加している。
基準不適合品で歩道を走行し、衝突事故を起こして有罪判決に至った事例や、不正競争防止法違反で販売業者が検挙されたケースも発生しているというのだ。警察庁はこうした状況を踏まえ、区分の周知や取り締まりを強化しているようだ。
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電動アシストとモペットの境界を誤ると違法行為につながる。TSマークやBAAマークを確認して正規品を選ぶことが、安全で合法的な利用につながるのである。また、消費者は見た目や商品名に惑わされず、基準やマーク表示を確認することが不可欠と言えるだろう。