超電導モーターを使った液体水素ポンプを採用したGR水素カローラが富士スピードウェイに姿を現した。

液体水素のー253℃という極低温を利用した超電導モーターで駆動するポンプを使うことで、ポンプのインタンク化、低重心化、タンク容量の拡大(=航続距離の延長)ができる。超電導モーターは、京都大学の協力を得て開発している。



超電導液体水素ポンプを使うことで新たな技術課題も見つかっている。超電導モーターは、ー253℃の液体水素の中にあるときは、超電導性能を発揮できるが、液体水素の残量が少ないときや横Gがかかっているときに、超電導モーターが液体水素の液面から表出する状態が発生する。そうなると、モーターの温度が上昇してしまって、超電導性能が低下してしまう、という問題がある。

また、ー253℃という極低温と水素、そして無潤滑環境下では、これまでの自動車のギヤやベアリング技術が通用しないという。ここも今後の課題だ。
今回の2025年最終戦では実戦に投入できなかったが、2026年シーズンにはレースデビューするはず。水素GRカローラの戦闘力がグッとアップするはずだ。それはとりもなおさず、水素エンジン、水素社会への距離が縮まることを意味する。超電導とその周辺技術の進展に期待しよう。


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