基本情報

パジェロは、いわゆる「街乗り向けSUV」とは成り立ちが異なる車である。見た目は同じSUVでも、設計の考え方は大きく違う。堅牢なフレーム構造と本格的な四輪駆動機構を備え、悪路や雪道などの厳しい環境でも走り切れることを重視して磨かれてきた、三菱を代表するクロスカントリーSUVである。
舗装路での快適性を主目的にした近年のSUVに対し、パジェロは「どこまで行けるか」「どんな道でも走り続けられるか」を前提に開発されている。そのため、アウトドア、キャンプ、山道、雪道といった場面で強みが出やすく、今でも評価が高い。
国内向けは2019年に区切りを迎え、最終モデルとして「パジェロ ファイナルエディション」(限定700台)が設定された。
現在、日本でパジェロを選ぶ場合は中古車が前提となる。
ここでは、中古市場で流通の中心となる最終世代の「ショート」と「ロング」を軸に、サイズの違い、エンジン特性、日常での使い勝手をポイントに絞って整理していく。
ロング(3.2 ロング エクシード ディーゼルターボ 4WD)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車両型式 | LDA-V98W |
| 駆動方式 | 4WD |
| 乗車定員 | 7名 |
| 全長×全幅×全高 | 4,900×1,875×1,870mm |
| ホイールベース | 2,780mm |
| 車両重量 | 2,260kg |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| エンジン型式 | 4M41(直4 DOHC・ディーゼルターボ) |
| 総排気量 | 3,200cc |
| 最高出力 | 190ps |
| 最大トルク | 441N・m(45kg・m)/2,000rpm |
| トランスミッション | 5AT |
| 燃費 | JC08 10.4km/L |
ショート(3.2 ショート VR-II ディーゼルターボ 4WD)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車両型式 | LDA-V88W |
| 駆動方式 | 4WD |
| 乗車定員 | 5名 |
| 全長×全幅×全高 | 4,385×1,875×1,850mm |
| ホイールベース | 2,545mm |
| 車両重量 | 2,110kg |
| 最小回転半径 | 5.3m |
| エンジン型式 | 4M41(直4 DOHC・ディーゼルターボ) |
| 総排気量 | 3,200cc |
| 最高出力 | 190ps |
| 最大トルク | 441N・m(45kg・m)/2,000rpm |
| トランスミッション | 5AT |
| 燃費 | JC08 10.4km/L |
三菱 パジェロとは?
パジェロは、三菱が長年培ってきた四輪駆動技術を象徴する存在として知られる、本格派のSUVである。舗装路だけでなく、山道や雪道、未舗装路といった厳しい環境でも安定して走れることを前提に作られてきた車だ。
最低地上高が高く、車体の下を擦りにくい構造に加え、大きな車体を余裕をもって動かせるディーゼルエンジンの力強さが特徴となっている。荷物をしっかり積めて、人もきちんと乗せられる設計で、「移動手段」というよりも「信頼できる道具」として評価されてきたSUVと言える。
ただし、国内での新車販売はすでに終了しており、現在パジェロを手に入れる方法は中古車が中心となる。そのため、名前やイメージだけで選ぶのではなく、自分の使い方に合っているかを冷静に見極めることが重要だ。
パジェロには、車体がコンパクトな「ショート」と、室内や荷室に余裕のある「ロング」があり、それぞれ性格が異なる。また、年式やグレードによって装備内容にも差があり、個体ごとの状態にもばらつきがある。
これからパジェロを検討するのであれば、「有名なSUVだから」という理由だけでなく、サイズ感や使い道、維持のしやすさまで含めて、自分の生活に合う一台かどうかを考える視点が欠かせない。
パジェロの魅力
走破性と安心感(本格4WDの価値)
パジェロのいちばんの強みは、舗装された道でも、そうでない道でも「無理をせずに走れる」点にある。路面の凹凸や段差を過度に気にすることなく進めるため、運転していて精神的な余裕が生まれやすい。
この安心感は、街乗りを前提としたSUVとははっきりとした違いがある。多少道が荒れていても、「壊さないように慎重に走る」という意識が少なくて済むのが、パジェロらしさだ。
とくに力を発揮するのが、雪道や山道、キャンプ場の砂利道など、路面状況が一定でない場面である。滑りやすい場所や起伏のある道でも、四輪駆動の安定感によって車がしっかり路面を捉えてくれるため、不安を感じにくい。
普段は舗装路が中心でも、「いざという時に余裕がある」という感覚は、長く乗るほど価値を実感しやすい。パジェロの走破性は、スピードや派手さではなく、安心して目的地にたどり着けることを重視する人にこそ向いた魅力と言えるだろう。
ディーゼルのトルクで“重さが武器”になる
最終世代のパジェロに搭載される3.2Lディーゼルエンジンは、力強いトルクが大きな特徴である。最大トルクは441N・m(45kg・m)と、日常使いの車と比べても余裕のある数値だ。
パジェロは車体が大きく、決して軽い車ではない。しかし、この太いトルクによって、重たいボディを無理なく前に押し出すことができる。そのため、坂道や荷物を多く積んだ状態でも、アクセルを大きく踏み込む必要がなく、走りに余裕がある。
この特性は、運転のしやすさだけでなく、安心感にもつながる。エンジンに余力があるため、急な勾配や悪路でも挙動が不安定になりにくく、「踏めばちゃんと進む」という感覚を得やすい。
また、車重とトルクの組み合わせは、長距離移動での疲れにくさにも影響する。高速道路など速度域が上がった場面でも車体が落ち着いており、ふらつきにくい。結果として、ドライバーは余計な緊張をせずに運転できる。
パジェロにとって重さは欠点ではなく、ディーゼルの力と組み合わさることで「安定感」という武器になる。その点が、他のSUVとは異なる魅力と言えるはずだ
「ロングは積める・乗れる」「ショートは扱いやすい」という分かりやすさ
パジェロは、ロングボディとショートボディで役割がはっきり分かれている点も大きな特徴だ。
ロングボディは3列シートを備えた7人乗り仕様が基本で、人を多く乗せたい場合や、荷物をたくさん積みたい用途に向いている。室内の長さに余裕があり、キャンプ道具やアウトドア用品を積んでも窮屈になりにくい。家族や仲間と移動する機会が多い人には、ロングのほうが扱いやすいはずだ。
一方、ショートボディは全長が短く、最小回転半径も小さい。そのため、狭い道での取り回しや駐車のしやすさを重視する人に向いている。林道や細い道でも扱いやすく、「大きすぎないパジェロ」を求める層に支持されてきた。
このように、用途によって選びやすい構成になっている点は、中古でパジェロを検討する際の大きなメリットと言える。「人や荷物を重視するならロング」「運転のしやすさを重視するならショート」と、目的に合わせて判断しやすいのは、評価できる大きなポイントだ。
パジェロの気になるポイント
パジェロ 燃費
パジェロの燃費は、現代のハイブリッドSUVやコンパクトSUVと比べると、どうしても不利になりやすい。代表的な最終世代ディーゼル車では、JC08モードでおよそ10.4km/L前後がひとつの目安となる。
これは決して「悪すぎる数値」ではないが、燃費性能を重視して開発されたクルマではないことは理解しておきたい。ラダーフレーム構造の重量級ボディと、本格4WD機構を備えている以上、軽快さや低燃費を最優先する設計ではないからだ。
また、中古車の場合は個体差による影響も大きい。装着されているタイヤの銘柄やサイズ、ルーフキャリアやウインチなどの重量物、リフトアップの有無によって、実際の燃費は大きく変わる。カタログ数値だけを基準にすると、ギャップを感じやすい点には注意が必要である。
パジェロは、燃費の良さで選ぶクルマではない。むしろ、「燃費と引き換えに、どれだけの走破性や安心感が必要か」という視点で判断することが重要だ。雪道や未舗装路でも気兼ねなく走れること、重い荷物を積んでも安定して移動できることに価値を感じるかどうかが、選択の分かれ目になる。
日常の移動コストだけを見ると不利に映るが、その代わりに得られる“道を選ばない安心感”をどう評価するか。そこが、パジェロというクルマを理解するうえでの大切なポイントと言える。
パジェロ サイズ
パジェロのサイズでまず意識しておきたいのが、全幅約1.88mという数値だ。これは日本の道路や駐車場環境では、はっきりと「気を使う幅」にあたる。
とくにロングボディは全長が約4.90mあり、立体駐車場や区画の狭いコインパーキングでは、そもそも入庫できない、もしくは停めづらい場面が出てくる。街中の月極駐車場でも、両隣との間隔がタイトな場合は乗り降りに神経を使うことになるだろう。
一方で、走行中の安定感や見晴らしの良さは、このサイズならではのメリットでもある。ただし、それは「置き場所が確保できていること」が前提条件になる。
そのため、パジェロを検討する際は、自宅駐車場の幅だけでなく、よく利用するコインパーキングや商業施設の駐車場についても確認しておきたい。単に「入るかどうか」だけでなく、切り返しに余裕があるか、ドアを開けて無理なく乗り降りできるかまで見ておくと安心だ。
パジェロはサイズを妥協して選ぶクルマではない。
日常的に使う環境と無理なく付き合えるかどうかを、事前にしっかり確認しておくことが、後悔しないための重要なポイントになる。
パジェロ 安全性能
パジェロの最終世代は、現代のSUVに当たり前のように搭載されている最新の運転支援機能を前提にすると、どうしても物足りなさを感じやすい。
全車速対応のアダプティブクルーズコントロールや、高度なレーンキープ支援といったADAS(先進運転支援システム)は基本的に備わっておらず、運転の主体はあくまでドライバー自身にある。そのため、「クルマが運転を助けてくれる」感覚を重視する人には、ギャップが出やすい点は理解しておきたい。
中古でパジェロを選ぶ際に重要なのは、「何が付いているか」よりも「何が付いていないかを把握すること」である。運転支援に頼りすぎず、自分で状況を判断しながら運転する前提で付き合えるかどうかが、満足度を左右する。
また、安全装備の内容はグレードや年式、メーカーオプションによって差がある。エアバッグの数、横滑り防止装置の有無、カメラやセンサー類などは、年式が近くても仕様が異なる場合があるため注意が必要だ。
そのため、中古購入時はカタログ情報だけで判断せず、装備表の確認と実車チェックは必須となる。どこまでの安全装備が付いているのかを一つずつ確認し、納得したうえで選ぶことが、パジェロと長く安心して付き合うためのポイントと言えるだろう。
パジェロの安全性能は、「最新で便利」ではなく、「必要十分で堅実」という性格に近い。その特性を理解したうえで選べば、大きな不満につながることは少ないはずだ。
パジェロ 中古車市場
パジェロはすでに国内での新車販売が終了しているため、中古車市場では年式や走行距離以上に、「状態」と「履歴」が価値を大きく左右する。
最終世代のパジェロ(3.2Lディーゼル・4WD)を例に挙げると、中古価格はおおよそ120万円〜300万円前後が中心的なレンジとなっている。
同じ最終世代、同じグレードであっても、使われ方によってコンディションに差が出やすい点は、購入前に意識しておきたいポイントだ。年式が同じでも価格差が大きく出やすく、「安い=お得」とは限らないのがパジェロの大きな特徴である。
とくに注意したいのが、これまでの使用環境と用途だ。パジェロは本格的な4WD性能を備えるため、雪道や林道、未舗装路で使われてきた個体も少なくない。そうした車両では、下回りの傷や錆、ゴムブーツ類の劣化、足回りの消耗に差が出やすい。外装や内装がきれいであっても、下回りの状態確認は欠かせないポイントと言える。
次に確認したいのが、改造やカスタムの内容だ。リフトアップや社外ホイール、補強パーツなどは、パジェロらしさを強める要素である一方、直進安定性や乗り心地、タイヤ摩耗に影響を与えているケースもある。カスタム自体が問題なのではなく、「その仕様が自分の使い方に合っているか」という視点で冷静に判断することが重要だ。
さらに見落とせないのが、整備状況と保証内容である。パジェロは重量級の4WD車であり、ブレーキや足回り、タイヤなどの消耗品も比較的コストがかかりやすい。車両本体価格が手頃に見えても、納車前整備が簡易的であったり、保証が付かない場合は、購入後の出費が膨らむ可能性がある。
中古のパジェロ選びでは、「いくらで買えるか」だけで判断するのは危険だ。これまでの使われ方、改造内容、整備の手厚さ、そして今後想定される維持費まで含めた「総額での判断」が、後悔しないための重要なポイントとなる。
条件が合った個体に出会えれば、パジェロは中古であっても、他では代えがたい安心感と走破性を提供してくれる存在だ。だからこそ、市場価格だけに目を向けず、一台一台の中身を丁寧に見極める姿勢こそが、満足度の高い選択につながるはずだ。
パジェロ 中古車 注意点
パジェロを中古車で選ぶ際に失敗しやすいのは、価格の安さだけで判断し、実際の使い方に合わない個体を選んでしまうケースである。知名度や「本格SUV」というイメージに引っ張られ、生活環境との相性を十分に考えないまま決めてしまうと、購入後に扱いづらさを感じやすい。
まず意識したいのが、ロングとショートの違いだ。ロングは全長があり、駐車場や日常の取り回しに余裕が必要になる。一方、ショートは扱いやすい反面、積載量や後席の余裕には限りがある。どちらが優れているかではなく、「自宅の駐車環境」「家族構成」「荷物の量」と合っているかを基準に考える必要がある。
次に注意したいのが、グレードや装備の違いである。同じ年式のパジェロでも、装備内容は大きく異なることがある。たとえば、寒冷地向け装備や快適装備が付いているかどうかで、日常の使いやすさは大きく変わる。欲しい装備が「後付けできないもの」ほど、購入前にしっかり確認しておきたい。
車両状態の確認も欠かせない。パジェロは悪路走行を前提とした車であるため、下回りや足回りの状態、錆の有無、オイルのにじみなどは特に差が出やすい。外装や内装がきれいでも、見えにくい部分にダメージが残っていることもあるため、現車確認は必須と言える。
さらに、納車後にかかりやすい費用にも目を向けたい。タイヤやブレーキ、バッテリーなどは、重量級SUVであるパジェロでは消耗が早い場合もある。購入時の総額だけでなく、「すぐに交換が必要になりそうな部品がないか」を確認しておくことで、想定外の出費を防ぎやすくなる。
パジェロの中古車選びでは、「安く買えるか」よりも「自分の使い方に合っているか」が何より重要だ。サイズ、装備、状態、維持費まで含めて冷静に見極めることで、パジェロ本来の安心感と頼もしさを、長く楽しめる一台に出会いやすくなるだろう。
パジェロ 中古車が安く見える理由
パジェロの中古車価格が「思ったより安い」と感じられやすい最大の理由は、維持費の見通しによって購入できる層がはっきり分かれる車だからである。燃費性能や自動車税、重量に伴う消耗品コストなどを考えると、誰にでも勧められる車ではなく、自然と検討する人が絞られやすい。
その結果、中古車市場では需要が広く分散せず、価格が二極化しやすい傾向が生まれている。状態が良く、整備履歴がはっきりしていて、装備内容や仕様に魅力がある個体は、今でもしっかりとした価格を維持している。一方で、走行距離が多い、装備が少ない、下回りの状態に不安があるといった条件が重なると、価格は一気に下がりやすい。
このため、「相場よりかなり安い」と感じる個体には、それなりの理由があるケースが多い。車両本体価格だけを見ると魅力的に映っても、購入後に整備費や消耗品交換が重なり、結果的に割高になることも珍しくない。
パジェロの中古車は、価格の安さだけで判断する車ではない。とくに安く見える個体ほど、整備内容や今後かかる維持費まで含めた「総額」で考える視点が重要になる。条件を正しく見極めれば、価格以上の安心感と走破性を得られる一方、見落としがあると負担が大きくなりやすい車でもある。
パジェロ フルモデルチェンジ
パジェロは、1980年代に登場して以降、「本格4WDとは何か」を体現する存在として進化を重ねてきたモデルである。ダカールラリーでの活躍に象徴されるように、初期のパジェロは悪路走破性と耐久性を最優先に開発され、過酷な環境でも確実に走り切ることを目的とした車だった。
その後、世代を重ねるにつれて、走破性という軸は維持しながらも、乗用車としての快適性や安全性が徐々に高められていく。エアコンや電動装備の充実、室内空間の拡大などにより、「本格4WDでありながら、日常でも使えるSUV」へと性格を広げていったのが中期以降の流れである。
最終世代では、この方向性がより明確になった。ラダーフレーム由来の強さやスーパーセレクト4WDといった本格的な機構はそのままに、内装の質感や静粛性、長距離移動時の安定感が磨かれ、「走れる道具」と「移動手段としての快適さ」を両立する仕上がりとなっている。
ただし、国内市場においては2019年で生産が終了しており、現在パジェロを検討する場合は中古車が前提となる。そのため現実的な論点は、「どの世代を選ぶか」ではなく、「最終世代の中から、どの仕様を選ぶか」に集約される。
パジェロは、世代ごとの差よりも、同じ世代内での違いが満足度を大きく左右しやすい車だ。とくに影響が大きいのが、ロングボディかショートボディかという選択である。ロングは多人数乗車や積載力を重視した設計で、ファミリー用途やアウトドアでの余裕を求める人に向く。一方ショートは取り回しの良さが際立ち、日常使いとオフロード性能を両立したい層に適している。
さらに、グレードや装備内容、過去の使われ方による個体差も無視できない。舗装路中心で使われてきた車両と、頻繁に悪路を走ってきた車両では、同じ年式でも状態に大きな差が出る。ここを見誤ると、「パジェロだから安心」という先入観だけで選んでしまい、後悔につながりやすい。
パジェロを選ぶうえで重要なのは、「どの世代が新しいか」ではなく、「自分の生活や用途に合った仕様かどうか」である。とくにロングかショートかという選択は、駐車環境や使い勝手に直結するため、最優先で整理しておきたいポイントだ。
最終世代のパジェロは、条件が合えば今でも他では代えがたい魅力を持つ一台である。だからこそ、変遷を理解したうえで、仕様と使い方の相性を丁寧に見極めることが、満足度の高い選択につながるはずだ。
パジェロ 新型(復活)はある?
2026年1月9日、三菱自動車工業 取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者の加藤隆雄氏は、東京オートサロン2026の会場で行われたプレスカンファレンンスに登壇し、2026年中に本格的なオフロード性能を備えた新型クロスカントリーSUVを投入する計画を明らかにした。
ただし、この発言時点では車名や価格、パワートレーン構成、ボディサイズといった具体的な商品情報は公表されておらず、加藤社長自身も表現としては「本格クロスカントリーSUV」にとどめている。
一部報道や関係者の見方では、この新型クロスカントリーSUVが、かつて三菱を象徴する存在であった「パジェロ」の後継モデル、あるいはブランド復活を担うモデルではないかとの推測が広がっている。実際、公開されたティザー映像やシルエットについても、角張った造形や力強いプロポーションがパジェロのイメージと重なるとして、ファンや自動車メディアの間で注目を集めている。
しかし現時点において、三菱自動車が公式に「新型パジェロ」という車名や、その仕様を発表した事実はない。2026年中にクロスカントリーSUVを投入するという方針自体は明確に示されているものの、「パジェロの復活」や「パジェロの名を冠して発売される」といった点については、いずれも未確定である。
以上を踏まえると、新型クロスカントリーSUVが登場する可能性は高いが、現段階では具体的な車名や商品像は確定していないという理解が最も正確と言える。
2026年中の投入という発言は公式なものであり、新モデルの登場を現実的な将来計画として捉える価値はあるが今後の動向に注目したい。
パジェロ やめとけ?
インターネット上で見かける「パジェロはやめとけ」という意見は、感情論というよりも、いくつかの現実的な論点に集約されるケースが多い。
まず挙げられるのが、燃費や税金、消耗品を含めた維持費の重さである。現代のハイブリッドSUVやダウンサイジングターボ車と比べると、燃料代や維持コストはどうしても高くつきやすく、「日常の足」として使うには負担が大きいと感じられやすい。
次に、ボディサイズの問題がある。全幅1.88mという数値は、日本の駐車環境では明確に“気を使うサイズ”であり、ロングボディでは全長も約4.90mに達する。自宅駐車場やコインパーキング、狭い住宅街では使いづらさを感じる場面が出やすく、環境を選ぶ車であることは否めない。
また、先進運転支援の面でもギャップが出やすい。全車速対応のアダプティブクルーズコントロールや高度なレーンキープといった現代的なADASを前提に考えると、最終世代のパジェロでは物足りなさを感じる人もいる。安全装備は備わっているものの、「最新基準」と比較すると割り切りが必要になる。
さらに、中古車でしか選べないことから、個体差の大きさも指摘されやすいポイントだ。使われ方によって下回りや足回りの状態に差が出やすく、知識なしで選ぶと失敗しやすいという印象が、「やめとけ」という言葉につながっている側面もある。
ただし、これらは裏を返せば「向き・不向きが非常にはっきりしている」というだけでもある。駐車環境に余裕があり、雪道や未舗装路、アウトドア用途など、本格4WDの性能が活きる場面を想定している人にとって、パジェロは今なお代替しにくい価値を持つ存在だ。
パジェロは万人向けの“無難なSUV”ではない。その代わり、用途と環境が噛み合ったときの安心感と満足度は非常に高い。だからこそ、「やめとけ」という言葉だけで切り捨てるのではなく、自分の使い方に本当に合うかどうかを冷静に見極めたうえで評価すべき車だと言える。
まとめ
パジェロは、燃費性能や最新の先進装備で競うタイプのSUVではない。悪路走破性、走行時の安心感、そして積載性といった「道具としての強さ」に明確な価値を持つ、数少ないクロスカントリーSUVである。
国内向けの新車販売は2019年に終了しており、最終モデルとしては限定700台の「ファイナルエディション」が設定された。現在パジェロを検討する場合、その選択肢は必然的に中古市場が中心となる。
中古で選ぶ際に重要なのは、単に価格や年式を見ることではない。ロングかショートかというボディタイプの適性、必要な装備が備わっているか、下回りや足回りの状態、改造の有無、そして保証や納車前整備の範囲まで含めて、「総額」と「条件」をセットで確認することが欠かせない。
パジェロは“向き・不向き”が非常にはっきりした車である。だからこそ、先に自分の生活環境や用途を明確にし、それに合う個体を冷静に選ぶことが重要になる。条件が噛み合ったとき、パジェロは現代のSUVでは得がたい安心感と信頼性を提供してくれる存在だ。
流行やスペック競争から一歩離れ、「必要な性能を、必要な場面で使う」という価値観に合う人にとって、パジェロは今なお強い魅力を持つ一台である。
