基本情報

2代目マツダ・CX-5

CX-5は、マツダのデザイン思想「魂動(KODO)」を体現したミドルサイズSUVだ。流れるようなボディラインと抑揚のある面構成は、登場から年数を重ねた現在でも古さを感じさせにくく、マツダらしい造形美を前面に押し出している。

全幅は約1.84mと、日本の道路環境ではやや大きめのサイズにあたる。ただし、その分だけ室内空間には余裕があり、走行時の安定感や直進性にも好影響を与えている。高速道路や長距離移動では、車格なりの落ち着きが感じられる場面が多い。

パワートレーンはガソリンとディーゼルの両方をラインアップしており、なかでもディーゼルエンジンはCX-5のキャラクターを象徴する存在だ。低回転域から太いトルクを発揮し、アクセルを深く踏み込まなくても余裕のある走りができる。実用燃費とのバランスも良く、高速巡航や長距離移動での快適性につながっている。

現行型は2代目モデルをベースに、年次改良を重ねてきた熟成世代にあたる。大きな方向転換こそ行われていないものの、装備や内外装の質感、走行性能は着実に磨き込まれており、全体としての完成度は非常に高い。

派手さよりも「使い続けたときの満足感」を重視する人に向いたSUVだ。

CX-5(代表グレード例/ディーゼル・FF)

項目数値・仕様
駆動方式FF / 4WD
乗車定員5名
全長×全幅×全高約4,575 × 1,845 × 1,690mm
ホイールベース約2,700mm
エンジン2.2L 直列4気筒ディーゼルターボ
トランスミッション6AT
最高出力約200PS
最大トルク約450N・m
燃費(WLTCモード)約17km/L前後
使用燃料軽油

CX-5とは?

CX-5は、マツダが「SUVであっても走りや質感を妥協しない」という姿勢を明確に打ち出している。積載性や視界の高さといったSUVの利点を備えながら、操縦性や乗り味にも重点を置いて設計されてきた点が大きな特徴だ。

単なる実用車として割り切るのではなく、ステアリングの操作感や車体の動き、内外装の仕上げに至るまで、乗用車に近い感覚を意識した作り込みがなされている。そのため、日常的に運転する場面でも「大きな車を扱っている」という負担感が出にくい点が特徴だ。

実際に運転席に座ると、視点は高いが、ステアリングに対する反応は素直で、車両の動きも分かりやすい。SUVにありがちな鈍重さは抑えられており、狭い道や市街地でも扱いやすさを感じやすい設計となっている。

こうした特性から、CX-5は「運転していて疲れにくいSUV」として評価されることが多い。移動距離が伸びるほど、そのバランスの良さが実感しやすい点は、CX-5を語るうえで欠かせない要素と言える。

CX-5の魅力

走りと安定感のバランス

CX-5の大きな魅力は、SUVでありながら走行時の安定感と車体との一体感が高い点にある。車高の高さを感じさせにくく、コーナリング時も不安定さが出にくいため、日常の運転から高速走行まで落ち着いた挙動を保ちやすい。

足回りは適度なしっかり感がありつつ、過度に硬い印象はない。路面の凹凸を丁寧にいなしながら、不要な揺れを抑えるセッティングとなっており、市街地から高速道路まで幅広いシーンで安心感のある走りを提供してくれる。

とくにディーゼルモデルは、低回転域から太いトルクが立ち上がる点が特徴だ。発進時や追い越し時に余計なアクセル操作を必要とせず、自然な流れで速度を上げられるため、運転に余裕が生まれやすい。

高速巡航でもエンジンに無理を感じにくく、一定速度を保ちやすいことから、長距離移動時の疲労軽減にもつながっている。CX-5の走りは、刺激よりも「安定して気持ちよく走れること」に価値を置いたバランス型と言えるだろう。

内装の質感と大人向けの装飾

CX-5の内装は、同クラスのSUVと比べても質感の高さが際立つ。強い個性や装飾性を前面に出すのではなく、素材の選び方やパネルの仕上げ、スイッチ類の操作感といった基本部分に丁寧さが感じられる作りだ。

派手な演出は控えめだが、その分、落ち着いた雰囲気が保たれており、「長く使っても飽きにくい」空間に仕上がっている。視界の整理やメーター周りの情報配置もシンプルで、運転中に余計なストレスを感じにくい点は、大人向けの装飾と言えるだろう。

後席の居住性や荷室容量も実用面では十分な水準にあり、日常の買い物から家族での移動、旅行まで幅広く対応できる。特別に広いわけではないが、「不足を感じにくい」バランスが取られている点が特徴だ。

日常使いを前提としながらも、内装の質感や居心地の良さによって、所有する満足感をしっかりと満たしてくれる。この落ち着きと実用性の両立こそが、CX-5が長く支持されてきた理由と言える。

CX-5の気になるポイント

サイズ感と取り回し

CX-5の全幅は約1.84mと、日本の道路環境ではやや大きめの部類に入る。そのため、立体駐車場や区画の狭い月極駐車場、住宅街の細い道では、取り回しに気を使う場面が出やすい。

とくに、これまでコンパクトSUVや小型車に乗っていた場合、乗り換え直後は車幅感覚に慣れるまで時間がかかることもはずだ。駐車時の切り返しや、対向車とのすれ違いでは、車両感覚を意識する場面が増えやすい。

ただし、着座位置が高く視界が広いため、サイズのわりには車両周囲の状況を把握しやすい。運転支援機能やカメラ類を活用すれば、日常の取り回しで大きな不安を感じる場面は次第に減っていく。

CX-5のサイズ感は、明確なデメリットというよりも「慣れが必要なポイント」と捉えるのが実態に近い。走行時の安定感や居住性と引き換えに、どこまでサイズを許容できるかが、検討時の判断材料になるだろう。

燃費と維持費

CX-5のディーゼルモデルは、燃料単価の低さと実用燃費の安定感から、走行距離が多い使い方では燃料代を抑えやすい。一方で、車両価格は同等グレードのガソリン車より高く設定されており、初期費用の差は意識しておく必要がある。

また、ディーゼルエンジンは構造上、オイル管理や定期的なメンテナンスが重要になる点は押さえておくべきポイントだ。とくに短距離走行が中心で、エンジンが十分に温まらない使い方が続く場合、ディーゼル特有のトラブルを招く可能性もあるため、使用環境との相性は事前に考えておきたい。

ガソリンモデルは維持のしやすさという点で安心感があり、日常使い中心であれば扱いやすい選択肢となる。そのため、燃費性能だけで判断するのではなく、年間走行距離や使用シーンを踏まえたうえで、トータルコストを見極めることが重要だ。

CX-5の維持費は、選ぶエンジンによって性格が大きく変わる。自分の使い方に合った仕様を選ぶことで、満足度の高い付き合い方がしやすくなるはずだ。

CX-5 中古車市場

CX-5は中古車市場でも流通量が多く、年式やグレード、エンジンタイプまで含めて選択肢が豊富なモデルである。販売期間が長く、改良を重ねてきた車種であるため、予算や用途に応じた個体を探しやすい点が特徴だ。

価格帯は幅広く、初期モデルであれば100万円前後から見つかる。一方で、状態の良い後期型や高年式車、装備の充実したグレードでは、200万円台後半までが中心的なレンジとなる。年式や走行距離が近くても、装備内容や駆動方式によって価格差が出やすい。

とくにディーゼルとガソリンの違いは中古価格にも反映されやすく、ディーゼル車は走行距離が多くても一定の価格を保ちやすい。反対に、ガソリン車は価格が抑えられやすく、短距離中心の使い方であれば狙い目になる場合もある。

CX-5の中古車選びでは、「年式が新しいかどうか」だけで判断するのは避けたい。装備内容、エンジンタイプ、駆動方式、そしてこれまでの使われ方まで含めて整理したうえで、自分の使い方に合った条件を明確にすることが、コストパフォーマンスの高い一台に出会う近道となるはずだ。

CX-5 中古車 注意点

中古でCX-5を選ぶ際にまず意識したいのが、年式による装備差だ。CX-5は改良を重ねながら販売されてきたモデルのため、同じ2代目であっても年式によって安全装備や快適装備の内容に違いがある。価格だけで判断すると、「想像していた装備が付いていなかった」というギャップが生じやすいため注意したいところだ。

エンジン種類による違いも重要なポイントだ。とくにディーゼルモデルは、低回転からの力強さが魅力である一方、使われ方によって車両コンディションに差が出やすい。短距離走行が中心だった個体や、定期的なメンテナンスが行われていない車両では、後々のトラブルにつながる可能性もあるため、整備記録や走行環境の確認は欠かせない。

また、グレードによって安全装備や運転支援機能、快適装備の内容が大きく異なる点にも注意が必要だ。電動シートや運転支援機能、ヘッドアップディスプレイなど、後付けが難しい装備ほど、購入前に「必要かどうか」を整理しておくと失敗しにくい。

CX-5は流通量が多い分、条件の良い個体とそうでない個体の差もはっきりしている。年式や走行距離だけでなく、装備内容や使われ方まで含めて冷静に見極めることが、中古選びでの満足度を高めるポイントとなる。

CX-5 フルモデルチェンジ

CX-5はこれまで熟成改良を重ねながら商品力を維持してきたモデルであり、次のフルモデルチェンジは多くの関心を集めていた。2025年7月10日、マツダは欧州仕様の新型「MAZDA CX-5」を世界初公開し、その存在を正式に明らかにした。

新型CX-5は、導入から長年積み重ねてきた魅力を基盤に据えつつ、基本性能や快適性、安全性能、日常使いの利便性を進化させることを目指して開発された。

開発コンセプトは「新世代エモーショナル・デイリーコンフォート」とされ、デザインテーマの「魂動(SOUL of MOTION)」や、意のままに操る「人馬一体」の走りという本質は継承されたまま、現代的な快適性と利便性を高めている。

2026年モデル(北米仕様)では、従来型の延長線上ではなく、デザインや乗員空間、装備の面で大きな進化が見られた。シルエットやフロントフェイスが刷新され、110インチ(約2,790mm)という拡大されたホイールベースにより、乗員スペースと荷室の余裕が高められている点が確認されている。また、ボディ全体の造形やエンブレム周りの処理にも新しいデザインアイデンティティが反映されている。

北米市場向けの新型CX-5は、従来型とは異なる一連の装備やパッケージを採り入れており、価格帯は約2万9990ドル(約477万円)〜と発表された。主要装備として、改良されたショックアブソーバーや最適化されたハンドリング関連技術、最新のインフォテインメントシステム、先進運転支援機能を含む安全装備が充実していることが報じられている。

なお、日本市場では2026年春に発売予定とのことだが、正式な価格や仕様、具体的な投入時期は未確定のため今後の発表に注目したい。

CX-5 やめとけ?

インターネット上で「CX-5はやめとけ」と言われる背景には、いくつか共通した理由がある。代表的なのは、全幅1.84m前後というサイズ感による取り回しの難しさや、SUVとしてはやや高めに感じられる維持費、そしてディーゼルモデル特有の性格だ。

とくにディーゼルエンジンは、力強いトルクと燃費性能が魅力である一方、短距離走行が中心の使い方では本来の良さを活かしにくい。こうした特性を理解せずに選ぶと、「思っていたのと違う」と感じる要因になりやすい。

また、CX-5はデザインや走りの質感に明確な方向性を持つモデルであるため、誰にでも無難にフィットするSUVとは言い切れない。実用性や価格重視で選ぶ人にとっては、やや個性が強く映る場合もあるようだ。

ただし、ハンドリングの自然さや乗り心地の落ち着き、内装の質感といった点を重視する人にとって、CX-5は今なお完成度の高い選択肢であることに変わりはない。向き・不向きがはっきりしているからこそ、使い方や価値観が合ったときの満足度は非常に高いモデルだと言える。

まとめ

CX-5は、SUVに「走りの質」と「内外装の完成度」を求める人にとって、今なお高い評価に値する一台だ。派手な装備や目新しさで訴求するタイプの車ではないが、基本性能を丁寧に磨き上げてきた結果としての完成度が、このモデルの本質的な価値と言える。

ハンドリングの自然さや乗り心地の落ち着き、長時間運転しても疲れにくい運転感覚など、日々の使用を重ねるほどに良さが伝わってくる点は、CX-5ならではの魅力だ。単なる移動手段ではなく、「運転する時間そのもの」を大切にしたい人ほど、満足度は高くなりやすい。

日常の足としても、週末のドライブや長距離移動の相棒としても、一台で幅広く対応できる懐の深さを備えている。流行に左右されにくく、堅実で後悔の少ないSUVを求めるのであれば、CX-5は今もなお有力な選択肢であり続けている。