SNS上でみられる「どちらの足をつくか」論争

一本道をバイクで走る
春はツーリングの予定が立てやすい時期だ。

本格的な春の訪れを前に、ツーリングを計画したり冬眠明けのバイクでの移動を視野に入れたりするライダーも少なくないだろう。そんななか、SNS上でたびたび議論されるのが「信号待ちのときに、右足と左足のどちらをつくか」というものだ。

一般的に、教習所の指導では左足をつくことが基本の型として教えられる場合が多い。これは右足でリアブレーキを操作し、止まっている間も車体を安定させるという明確な理由に基づいているとされている。

しかし、実際の公道では右足をついて停車するライダーも少なくなく、これに対してSNS上では熱い議論が繰り広げられているようだ。

たとえば、左足派からは「基本の左足をつくのが一番安心だ」という声や「右足でリアブレーキを踏んでいれば坂道でも滑り落ちない」という安全面を重視する意見が上がっている。

さらに、「信号が変わった瞬間にすぐギアを操作して発進できる」というスムーズさを理由にする人や「後ろから追突された時の備えとして右足をブレーキに残したい」という主張も確認できた。

停止時の足つきひとつをとっても、安全面と快適さの両面からさまざまな意見がある。

一方、右足派からは「待ち時間が長い時はニュートラルにして左足をステップで休ませたい」という意見が寄せられている。また「道路の端が排水のために斜めになっている場所では、右足をつくほうが地面に近くて安定する」という環境に合わせた声も目立つ。

このように、停止時の姿勢ひとつをとっても、ライダーたちの間では安全面と快適さの両面からさまざまな意見が飛び交っていることがわかる。

どちらの足をつくかは状況に応じて変わる

実は、どちらの足をつくかは単なる個人のくせや好みだけで決まっているわけではなく、発進の準備や安全の確保、さらには道路の形などが関係しているとされる。

まず左足をつく最大のメリットは、右足でリアブレーキをしっかりと踏み続けられる点にある。特に、坂道で止まっている際に両手を使わずに車体を固定できるため、発進する時のアクセル操作にゆとりが生まれるだろう。

凸凹な道
このような凸凹道こそ臨機応変な対応が必要だ。

一方で、道路の左端が大きく傾いていたり、路面に砂が浮いていて滑りやすかったりする状況など、右足をつく判断が理にかなっている場面も確実に存在する。無理に左足をつこうとしてバランスを崩すよりも、状況に合わせて柔軟に対応することが転倒を避ける近道となる。

さらに、大型バイクのなかには車体の重さが300kgを超えるモデルも珍しくない。止まる時のわずかな傾きひとつで重い車体を支えきれなくなるおそれがあるため、ライダーは無意識に最も踏ん張りがきく足を選んでいる。

ブレーキの保持についても、平らな場所であればフロントブレーキだけでも十分に車体を止めておくことができる。くわえて、信号待ちの時間が長い場合に左手のレバーを握り続ける負担を減らすため、あえてギアを抜いて右足をつくスタイルを選ぶ層も一定数存在しているようだ。

とはいえ、足つきの正解はひとつではない。安全かつ快適に春のツーリングを楽しむためにも、自身の止まり方を一度見直してみるとよいかもしれない。