スズキ株式会社(以下、スズキ)とglafit株式会社(以下、glafit)は、2026年1月、ペダル付電動バイク(電動モペット)の安全な普及促進を目的とした協業検討に関する覚書を締結した。
協業検討の背景と目的
2023年7月の「特定小型原動機付自転車」区分の新設以降、環境負荷の低減や都市部における新たな移動手段として、電動パーソナルモビリティへの関心が高まっている。
特にペダル付電動バイクは、手軽で環境に優しい移動手段として注目を集める一方、安全な利用環境の整備や正しい知識の普及、保安基準を満たした製品の供給などが重要な課題だ。
二輪車メーカーとして長年の実績を持つスズキと、2017年の創業以来、一貫してペダル付電動バイクの開発・製造・販売を手掛けてきたglafitは、本協業の検討を通じて両社の強みを融合させ、より安心・安全なモビリティ社会の実現を推進する方針である。
スズキによる電動モペッド開発の取り組み

スズキは本協業に先立ち、電動モペッドの実用化に向けた具体的な検証を進めている。パナソニック サイクルテックと共同開発し、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に参考出品した原付一種の折り畳み電動モペッド「e-PO(イーポ)」については、2024年6月上旬より公道走行調査を実施した。
同調査では、原付一種の届出を行いナンバーを取得したことで公道走行が可能となった。調査はスズキの本社が所在する静岡県浜松市を中心に行われ、実際の路面状況や交通状況下での走行を通じ、日常の使い勝手や走行課題など多角的なデータ収集が進められた。
スズキは、これらの調査結果を製品化に向けた電動モペッドの開発に活用していく考えである。
協業検討の内容
今回のglafitとの協業検討においては、以下のテーマを中心にワーキンググループを設置し、協議を進める。
・安全な普及促進に向けた取り組み: 正しい交通ルールの啓発活動や、安全な利用環境を構築するための広報活動を積極的に展開する。
・社会的な課題解決: モビリティの特性や関係法規に関する社会的な理解を促進し、健全な市場発展に寄与する。
なお、本覚書に基づく検討の結果、具体的な業務提携を実施する場合には、改めて正式な契約を締結し、詳細を公表する予定である。
両社代表によるコメント
スズキの常務役員 二輪事業本部長である伊勢敬氏は、「カーボンニュートラル時代の新たな移動手段には大きな可能性がある。一方で、これまでにないモビリティゆえに、利用者や周囲の方々が特性や法規を正しく理解することが不可欠である。当分野の先駆者であるglafit社と連携し、知見を共有しながら、社会的な課題解決に取り組んでまいりたい」と述べた。
また、glafitの代表取締役CEOである鳴海禎造氏は、「創業以来『移動を、タノシメ!』をコンセプトに、ペダル付電動バイクの可能性を追求してきた。日本を代表する二輪車メーカーであるスズキとの協業により、より安全に、より多くの方へ移動の楽しさを広め、電動パーソナルモビリティ市場全体の健全な発展に貢献していく」と意欲を示した。
