サンシェードは車内温度の上昇を抑制する

日差しに照らされる自動車
日差しの下に駐停車すると、車内の温度はたちまち上がる。
車内温度計
真夏の日差しの下、長時間放置された車内の暑さは言うまでもないだろう。

真夏の直射日光によってクルマの車内温度は急激に上昇する。車内の高温状態が続くと、シートやハンドルが触れないほど熱くなり、熱中症ややけどの原因にもなり得るほか、車体にもさまざまな悪影響を及ぼす。

たとえば、内装の樹脂パーツや電装機器は熱によって劣化が進み、クルマ全体の寿命を縮める要因にもなりえる。こうした事態を防ぐためのアイテムは多く存在するが、中でも代表的なものが「サンシェード」だろう。

サンシェード
サンシェードは、車内の温度上昇を抑えてくれるアイテムだ。

サンシェードは、フロントガラスからの日差しを遮ることで、車内の温度上昇と紫外線の侵入を大幅に抑制するアイテムだ。使い方は非常にシンプルで、広げたシェードをフロントガラスに沿って広げ、サンバイザーなどで固定するだけで設置が完了する。

これにより、太陽光による車内温度の急上昇を抑えるとともに、ダッシュボードやシートなど内装の紫外線による劣化を軽減する効果があるという。

また、ステアリングや金属パーツの熱を和らげ、乗車時の不快感を軽減する点でも有用だ。アルミ蒸着加工や断熱材入りの製品であれば、遮熱性能がより高く、猛暑日での効果も大きい。車内の快適性と車体の保護を両立させる、夏場の必須アイテムといえるだろう。

サンシェードは窓に合った適切なサイズを選ぶのがポイント

簡易なサンシェード
サンシェードにもさまざまな商品が展開されている。愛車の窓に合うサイズを選びたいところだ。

サンシェードは夏の必須アイテムとされているが、実はその効果については意見が分かれる。JAFが2012年におこなったテストでは、サンシェードの使用によって車内温度の上昇は多少抑えられたものの、劇的な効果はあらわれていない。しかし、使い方によってはサンシェードの効果をより引き出すことは可能だという。

大手カー用品店オートバックスの担当者は、「サンシェードは、まず窓に合った適切なサイズのものを選ぶことが重要です」と語る。さらに、遮熱性能にすぐれた仕様、たとえば外面がアルミ蒸着されたシルバー素材であることや、生地が2層以上構造になっているタイプを選ぶことで、熱の侵入を抑える効果が向上するそうだ。

蛇腹式のサンシェード
蛇腹式のサンシェードは、もっともスタンダードなタイプと言える。

続けて、前述の担当者は「サンシェードは、フロントガラスに可能な限り密着させて設置することで、より効果を発揮します」と話した。

サンシェードを取り付ける際にズレが生じたり隙間ができたりすると、そこから日光が差し込み、効果を大きく損なう結果となることは、言うまでもない。つまり、サンシェードは“正しく選び、正しく取り付ける”ことで初めて本来の効果を発揮するアイテムと言えるだろう。

また、前述の担当者によればサンシェードにはさまざまなタイプがあるが、最近は収納しやすい「折り畳み傘型」が人気だという。これは、その名の通り折り畳み傘と同じような仕組みになっている。

サンシェードには、折り畳んで収納する「蛇腹式」が多く展開されていたが、ボタンひとつでたたむことができる点から、近年は「折り畳み傘型」の人気が高まっているという。しかし、販売数では「蛇腹式」に軍配が上がっているようで、未だ根強い人気とのことだ。

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このように、車内温度の上昇と、紫外線による内装の劣化を抑えるためにも、窓に合うサイズのサンシェードを選ぶのが重要だ。加えて、UVカットフィルムやルーフサンシェード、断熱シートなどと組み合わせれば、さらに快適な車内空間を保つことができるだろう。

真夏のドライブを快適に、そして安全に楽しむためにも、こうしたアイテムを積極的に取り入れて猛暑を乗り切っていきたいものだ。