5ナンバー国産コンパクトのベストセラー!「トヨタ・ヤリス」【最新コンパクトカー 車種別解説】

コンパクトカー国内販売台数ナンバーワンの「トヨタ・ヤリス」。ボディカラーはツートーンを含め15色、パワートレーンの種類と駆動式の組み合わせにより12ものグレードが用意される。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:菅原樹里亜

運転感覚や小回り性は理想的 前席の柔軟な座り心地も好感

国産コンパクトカーの主力車種で、日本ではヴィッツの後継に位置する。全長が4m以下のボディは5ナンバーサイズに収まり、最小回転半径は4.8〜5.1mだから、小回りの利きも良い。サイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げているため、斜め後方は少々見にくいが、ボディがコンパクトだから運転しやすい。全高も1550mm以下となり、械式立体駐車場も使いやすい。

エクステリア

躍動感あふれる外観は、大型リヤフェンダーと後方からフロントグリルに向かって押し出すような造形により生み出されている。後ろ姿は、テールランプとリヤウインドウの一体感を抱かせるグラフィックが目を惹く。最小回転半径はグレードにより4.8〜5.1m。


前席の居住性はおおむね快適だ。長距離移動時の疲労を考えると、腰の近辺をもう少し硬めに仕上げて身体を確実に支えたいが、柔軟な座り心地は馴染みやすい印象も受ける。

インストルメントパネル

ダッシュボードの断面を薄くし、小径ステアリングにより圧迫感を抑制した。「Z 」系にはソフトパッドを用意し、ドアトリムのファブリックを拡大することで高級感を演出。フードレスのデジタルメーターは、すっきり感に寄与する。

後席は足元空間が狭めだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシひとつ少々に留まる。ルーフを後方に下降させてリヤゲートを寝かせたから、着座位置も下がり、腰が落ち込みやすい。後席の居住性を重視するなら、同じプラットフォームを使うアクアが快適だ。

居住性

車両重量は、自然吸気エンジンなら約1tと軽いため、1.5lエンジンの動力性能には余裕がある。ステアリング操作に対する反応も機敏で良く曲がるが、後輪の接地性はもう少し高めたい。

うれしい装備

運転席の「イージーリターン機能」は、運転姿勢を決めた後に写真のメモリーレバーを使って降車すると、記憶した位置に一発で戻せる。
ハイブリッド仕様は、モーター走行が可能なEVをはじめ、ノーマル、エコ、パワーの走行モードを用意し、走行状況や好みに応じて選択できる。
月間登録台数    6071台(21年11月〜22年4月平均値)
現行型発表      20年2月(一部改良 21年5月)
WLTCモード燃費    36.0km/l※「HYBRID X」のFF車

ラゲッジルーム

乗り心地は全般的に硬めで、特に14インチタイヤは、燃費向上のために転がり抵抗を軽減させたタイプだ。指定空気圧も前輪が250kpa、後輪も240kpaと高めに設定されているため、乗り心地に粗さが生じやすい。販売店で複数の試乗車を運転して、自分に合った仕様を見つけたい。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.142「2022-2023 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/142/

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