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NISMOチューンの駆動制御とレース譲りの空力性能が注目点
東京オートサロン2024における日産自動車ブースは「NISMO」の名を冠したストリートモデルが主役といった展示になっている。注目は、オートサロンにおいて初公開されたアリアNISMO。EVのパイオニアといえる日産のEVフラッグシップモデルにNISMO仕様が登場したというわけだ。
メカニズム的には前後にモーターを配する4WDテクノロジー「e-4ORCE」を、NISMOチューンしているのが特徴。最高出力を標準車に対して10%増としたほか、後輪寄りの駆動配分とすることで、アクセルを踏み足して曲がる走りが味わえるという。このあたり日産が歴代GT-Rで培ってきた「アテーサE-TS」の知見も生かされているというのもファンにとっては見逃せないポイントだろう。
外観では、スポーツバイクのトレンドである”ウイングレット”のような形状を与えられたフロントバンパーのエアロダイナミクスもアリアNISMOの特別感を強調。ミシュランのEV用ハイパフォーマンスタイヤ(20インチ)を履いているのも走りっぷりを期待させる。
しかも東京オートサロン期間中の土曜・日曜には屋外会場においてデモランも行われる予定となっている。NISMOチューンの電動4WDの走りを、その目で確かめたいというファンも少なくないことだろう。
同時に、日系メーカーとしては日産は唯一参戦しているフォーミュラeマシンもデモランを行う予定。まだまだエンジン車が主役のオートサロンだが、あらためて電動モータースポーツのパイオニアでもある日産へはリスペクトしたくなるデモランのラインナップだ。
GT-R、フェアレディZ、スカイラインのNISMOが揃うのは貴重
アリアNISMOとステージ上で並んでいたのがGT-R、フェアレディZ、スカイラインの各NISMOモデル。いずれも街で見かけることは珍しい希少車であり、アリアと合わせて4台が揃っている様子はここでしか見ることのできない貴重なシーンといえる。
NISMOに共通するテイストであり、アリアNISMOにも共通する、ボトムラインの赤いアクセントカラーのアレンジがモデルによって微妙に異なっているのも、こうして並べてみると確認しやすい。細かい部分で、モデルごとに注入されたこだわりを確認するのもおもしろそうだ。
多彩なコンセプトカーで日産ワールドを表現する
ブース中央にNISMOの4台を並べた日産ブースは両サイドに「キャラバン」、「エクストレイル」、「ルークス」、「マーチ」などのコンセプトカー、オーテックによる「セレナ」と「エクストレイル」スポーツスペックコンセプトを並べている。
キャラバン「Disaster Support Mobile-Hub」は、防災支援を目的にしたコンセプトモデル。中古のリーフから回収した「ポータブルバッテリー from LEAF」を17台搭載することで、スマートフォンの充電ステーションとなるほかパソコンを使えるデスクを用意するなど、小さな自治体の対策本部を想定した仕様となっている。
企画時点では能登半島地震が起きることなど思いもよらなかっただろうが、地震大国である日本だけに、こうしたキャラバンが全国の自治体に配備されるようになる未来がくれば安心につながることだろう。
そのほか、セレクトショップBEAMSが監修した軽スーパーハイトワゴン「ルークス」のコンセプトカーは、市販化を期待したくなる完成度で、熱い視線を集めていたのも印象的。
現実味のあるコンセプトカーに期待が高まる日産ブースはとなっていた。