まさか、これが塗装?GRヤリス・ロバンペラEditionのカラーリングはラッピングじゃない!

WRCの2024年開幕戦ラリー・モンテカルロでアンベールされた2台の特別なGRヤリス。そのうちの1台は、GRヤリス RZ"High performance・Kalle Rovanperä  Edition(ロバンペラEdition)だ。この鮮やかなカラーリングは、なんと塗装なのだ。
ロバンペラEdition。カラーリングは一見ラッピングのようだが、じつはこれが塗装なのだ。

ロバンペラEditionのボディのカラーリングは、赤と白とグレーの3色だ。デザインも複雑で、「当初はラッピングで施工するデザイン案でした」そうだ。

しかし、ラッピングだと5年、10年という時間を経るとどうしても劣化してしまう。そこで世界初の三色塗装に挑戦したのだという。

最初にペイントするのは白。そのあとに、白を残す部分にマスキングをして赤を塗る。そしてマスキング。最後にグレーを塗る。

GRのロゴはデカールだが、他は塗装だ。

下地を含めると「8回塗って5回焼く」のだという。つまり「8コート・5ベーク」だ。極めて難易度が高く、「おそらく最初で最後のチャレンジになるのでは」というほどだった。

この三色塗装を可能にしたのは、高いマスキングの技術だ。もともとトヨタの元町工場ではパトカーを生産している。パトカーのボディ色(白/黒)をマスキングして塗り分けていた技術を応用して今回の三色塗装を実現したわけだ。

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「まさか、これが塗装?GRヤリス・ロバンペラEditionのカラーリングはラッピングじゃない!」の1枚めの画像

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実際には、グレーの部分の下には赤、その下には白の塗装が施されている。だから、グレーの部分が一番塗装が厚くなっている。実際にボディ表面を手で触ってみると、色の違う部分には微妙な段差がある。これが立体感に繋がって独特の風合いを生み出している。

三色塗装を「手の内化」したトヨタ。次はどんなカラーリングを実現してくれるのか、楽しみだ。

こだわりはこんなところにも見てとれる。ドアを開けた内側も見事に塗り分けられている。心配なのはクラッシュなどで発生する再塗装だが、マニュアルはできているそうだ。間違っても、そういう事態には陥りたくないけれど。
リヤドアのヒンジ部分も塗り分けられている。

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