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ホンダとホンダ・レーシング(HRC)はFIAフォーミュラ1世界選手権(F1)の開幕戦バーレーンGPを週末に控えた2月27日、「F1 2024 シーズン開幕前オンライン取材会」を実施。今シーズンにおけるF1での取り組みについて語った。
ホンダは1964年以来、断続的にF1での活動を行ってきた。2015年からパワーユニット(PU)サプライヤーとして参戦した“第四期”では、F1復帰当初は振るわなかったものの徐々にPUパフォーマンスを改善。最終シーズンである2021年には、PU供給先であるレッドブルのマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得した。
2022年以降はレッドブルとテクニカルパートナーシップを締結し、PUの製造と供給を継続。ホンダが手掛けるPUを採用するレッドブルは現在、コンストラクターズ選手権で3連覇、同チームのエースであるフェルスタッペンもドライバーズ選手権で4連覇中と、高い競争力を示している。
記念すべき年に新たな歴史を
2024年シーズンにおいては、チャンピオンチームであるレッドブルのほか、日本人ドライバーの角田裕毅が所属し、今季アルファタウリから名称を改めたビザ・キャッシュアップRBにPUを供給。両チームの活動をサポートしていく。
HRCの渡辺康治 代表取締役社長は2024年シーズンに向けて「ドライバーもマシンも高い競争力があるというのは確かですが、今年はレース数が2戦増えて、年間24戦のタフなシーズンとなりますし、当然フェラーリやメルセデスなどライバル勢も信頼性、パフォーマンスともに上げてくると思いますので、決して楽な戦いはできないと見ています」とコメント。
「HRCとしても2022年のPU開発凍結以降、継続的に耐久性と信頼性を上げる取り組みを行っており、ポテンシャルを最大限に発揮して、サーキットでのパフォーマンスにつなげています」
「今シーズンはレッドブル(F1参戦20周年)、そしてホンダ(同60周年)の双方にとって記念すべき年ですので、ドライバーズタイトルの4連覇、コンストラクターズタイトルの3連覇を達成して、新たな歴史を刻めるようにチーム一丸となって全力を尽くしていきます」
また、2026年に再びPUサプライヤーとしてホンダは再びF1に復帰を果たすことが決定しているが、HRCの渡辺社長は同年に向けての開発状況にも言及した。
「新しいレギュレーションでは、小型軽量高出力のモーターや大電力を扱える高性能バッテリー、そしてエネルギーマネジメントの技術が勝利への鍵となるため、現在HRCでは、新たなPUの開発を急ピッチで進めています。(2026年にタッグを組む)アストンマーティン・レーシングとも大変に良好な関係を構築し、技術面、そしてマーケティング面での連携を開始しています。ぜひ2026年からの活動についてもご期待をいただければというふうに思います」
さらに、ホンダはF1復帰に際してはヨーロッパにおける“前線基地”を設立する準備を進めているという。
日本GP前に六本木でイベント開催へ
なお、ホンダはF1参戦60周年に際し、記念ロゴを制作。1964年のドイツGPを走ったホンダ初のF1マシン「RA271」がからめられており、これをあしらったグッズの展開を予定している。加えて1965年に初勝利をもたらした「RA272」を走行させるイベントも計画中だという。
ホンダはさらに、今年は4月に開催時期が移ったF1日本GPに向けてもイベントを企画。
「Honda Japanese GP welcome session 2024」と称したこの催しは4月3日、六本木ヒルズクラブ(東京都港区)で開催される。フェルスタッペン、角田らをゲストに迎え、サーキットでは見られないドライバーの一面を垣間見る機会が提供される有料ファンイベントとなる。
具体的なイベント内容やチケット情報などは、3月上旬にSNSを通じて告知するという。
Honda Japanese GP welcome session 2024 ~Featuring with Oracle Red Bull Racing and Visa Cash App RB F1 Team~ ■日程:2024年4月3日(水) ■会場:「六本木ヒルズクラブ」(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー51階) ■主催:本田技研工業株式会社 ■出演ゲスト: マックス・フェルスタッペン/オラクル・レッドブル・レーシング セルジオ・ペレス/オラクル・レッドブル・レーシング 角田裕毅/ビザ・キャッシュアップRB F1チーム ダニエル・リカルド/ビザ・キャッシュアップRB F1チーム ■Honda公式Xアカウント(@HondaJP):https://twitter.com/HondaJP