FIAフォーミュラE世界選手権は3月29日から30日にかけて、東京ビッグサイトを中心に今シーズン第5戦東京E-Prixを開催している。30日の午後には決勝レースが行われ、マセラティMSGレーシングのマキシミリアン・グンターが今シーズン初優勝を手にした。
本格的な四輪のレースマシンが走る市街地レースとしては日本初のイベントとなった東京E-Prix。午前に実施された予選では、ニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランドが躍動し、東京E-Prix最初のポールポジション獲得者となった。
決勝は、午後3時4分にスタートした。
ポールシッターのローランドが無難にスタートを決めてターン1~2を通過。その後方では、3番グリッドから発進したマヒンドラ・レーシングのエドアルド・モルタラがフロントロウからスタートしたグンターをかわして2番手に浮上した。
レースはローランドが先頭となり引っ張っていく展開となった。ローランドは2番手以降を引き離すことはできなかったものの、オーバーテイクの隙も与えず周回を重ねていく。先頭のローランドから最後方まで一列縦隊が組まれ、コースの各所でときには接触も発生するなどドッグファイトが繰り広げられた。
スタートから10周前後で上位勢がアタックモードの使用を始めた。ローランドは11周目に1度目のアタックモードを順位を下げずに作動させることに成功。一方、同時に作動させた2番手のモルタラは3番手グンターの逆転を許した。
その後、ローランドは13周目にも立て続けに2度目のアタックモードを使用。ここではグンターにトップを譲ったものの、翌周にグンターもアクティベーションゾーンを通過したことで再び首位に返り咲いた。
レースが動いたのは25周目。ターン9の立ち上がりでローランドがグンターにトップを譲るかたちで後退した。レースリーダーのローランドとグンターは、一時1秒以上の差が開くこともあり、ローランドに対してはライバルがたびたびオーバーテイクを試みる場面も見られたが、首位グンター、2番手ローランドのオーダーは変わらず。
レース最後の勝負所である最終ラップのターン14で、ローランドがグンターにアウト側から仕掛けるも実らず、グンターがそのまま逃げ切って、東京E-Prix初のウィナーとなった。
2位はローランド、3位は昨季のフォーミュラE王者である、アンドレッティ・フォーミュラEのジェイク・デニスとなった。
全日本スーパーフォーミュラ選手権などでタイトルを獲得したジャガーTCSレーシングのニック・キャシディは19番グリッドスタートながら8位入賞を果たした。