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ボディを大きく上級化し初代の人気を加速
1970年(昭和45)年5月6日、トヨタの2代目「カローラ」が発売。1966年に誕生し大ヒットした初代カローラに続いて登場した2代目は、ボディとエンジンを拡大し快適性を向上。さらに豊富なバリエーションによりファミリーカーとして確固たる地位を築いた。
日本モータリゼーションをけん引した初代カローラ(TE10型)
日産自動車の「サニー」から遅れること約半年、1966年11月に初代カローラはデビューした。1961年にデビューした小型大衆車「パブリカ」が期待通りの人気が得られなかったため、ユーザーの上級志向に応えるファミリーカーとなることがカローラの使命だった。
ライバルのサニーに負けられないトヨタは、“プラス100ccの余裕”というキャッチコピーで、サニーより100cc排気量が大きい、最高出力60ps を発揮する1.1L直4 SOHCエンジンを搭載。スタイリングは、当時最先端のセミファストバックが採用された。
サニーより遅れてデビューしたカローラだが、標準仕様で43.2万円というリーズナブルな価格設定もあり、販売台数でサニーを凌ぎ、発売から3年半で100万台を超える大ヒットを達成。サニーとともに日本のモータリゼーションをけん引した。
ユーザーの多様性に応え、豊富なバリエーションを用意した2代目(TE20型)
ライバルのサニー初のモデルチェンジに対抗する形で1970年に登場した2代目カローラ。ボディタイプは、2/4ドアセダンに2ドアクーペ、3/5ドアライトバンを用意しユーザーの多様性に応えた。
最大の特長は、ホイールベースを50mm伸ばし、全長で90mm、全幅で20mmほどボディを拡大し、車室内空間を広げてファミリーカーとして快適性を向上させたこと。パワートレインは、1.2L直4 SOHCとそのチューニングを変えた3機種エンジンと、4速MTおよび2速ATの組み合わせ。
さらに、ボディサイズの拡大に合わせ、1.4Lエンジンを搭載した「カローラ1400」は、ファミリーカーの概念を超えた上質なクルマとして高い評価を受けた。また先代で1968年に設定されたスポーティなクーペ「カローラスプリンター」は、2代目の誕生を機に単独ネーム「スプリンター」となり、それぞれ独立した兄弟モデルとなった。
2代目の車両価格は、大型化、上級化したにもかかわらず、標準仕様で初代とほぼ同額の43.9万円。これも初代に人気を加速する原動力になった。ちなみに当時の大卒初任給は3.7万円程度(現在は約23万円)なので、現在の価値では約273万円に相当する。
初代カローラレビン/スプリンタートレノ(TE27型)も登場
1972年3月には、2代目で初めてカローラクーペ/スプリンタークーペよりさらにスポーティなモデルとして、初代「カローラレビン/スプリンタートレノ(TE37型)」が追加された。
レビン/トレノは、クーペボディに「セリカ1600GT」に搭載されていた高性能1.6L DOHCエンジン(2T-G型)を搭載。ハイオク仕様が115ps、レギュラー仕様が110psを発揮し、セリカよりも小柄なボディだったレビン/トレノの走りは秀逸で、当然ながら走り屋から大きな注目を集めた。ちなみに、特に人気が高く今でも話題になることが多い4代目「AE86」は、1983年に登場した。
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人気を獲得した初代に続いた2代目カローラは、市場の上級志向に応える形で大型化やパワーアップを追求。現在も続くカローラのロングセラーの地位を盤石にしたモデルだった。
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