乗ってすぐに“実効空力”を体感できるシビック用のテールゲートスポイラー
ホンダアクセスは2023年1月の「東京オートサロン2023」に「シビックe:HEVスポーツアクセサリーコンセプト」を出品。この車両に、タイプR用と同様のシェブロン(鋸刃)形状などを取り入れたテールゲートスポイラーを装着したところ、市販化希望の声が多く寄せられたため、開発にGOサインが出たのだという。
すでに発売されている、シビック標準車用「テールゲートスポイラー」はあくまでドレスアップを主眼としており、性能面では敢えて大きな変化が出ないよう設計されている。
だが、この新しい「テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)」は、タイプR専用のリアルカーボン製「テールゲートスポイラー」と同様、ホンダアクセスが持つ設計理念“実効空力”のノウハウをふんだんに盛り込んだもの。
実車に装着しホンダの鷹栖プルービンググラウンドを走り込んで細部の形状が煮詰められているそのウイングは、四輪への垂直荷重を空力によって増やすことでタイヤのグリップ限界を高め、コーナリングパワーも増大。これにより、直進性を大幅に高め、かつ旋回時の一連の挙動をよりリニアなものにしながら、空気抵抗も低減するという。
なお、この「テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)」、別体式ステーは現行品の標準車用「テールゲートスポイラー」と共通のもの。これは現行品を装着するオーナーがウィングのみ交換できるよう、交換キットを設定するための心憎い措置だ。しかしそれゆえウイング形状に大きな制約が生じ、開発がより困難になったそうだが、タイプR用と同様に乗ってすぐ体感できる“実効空力”が得られるというので大いに期待したい。
素材はFRP製で、成形自由度の高さを求めつつ量産性と製造コスト=価格にも配慮したもの。タイプR用「テールゲートスポイラー」はあまりの人気と量産性の低さからすでに販売終了となっているが、標準車用「テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)」は手に届きやすいものとなるだろう。
そのほか、4月25日にマイナーチェンジと同時に発売されたホンダ・ヴェゼル用「18インチアルミホイールMS-050」を先行公開していたが、これは惜しくも開発中止となってしまったコンプリートカー・ヴェゼルモデューロX用に設計されていたアルミホイールと同形状。
装着する車両に対しホイール各部の剛性バランスを文字通り“最適化”させることでタイヤの接地面圧を高めるという、モデューロXのノウハウが余す所なく注入されている逸品だ。
ブース内ではそのほか、五代目ホンダ・プレリュードや八代目シビックタイプRの、空力性能を重視して設計された純正エアロパーツ装着車の模型を展示したほか、モデューロ開発アドバイザーである土屋圭市さんを交えた「Modulo30周年トークショー」も開催。
先代ホンダN-BOXのルーフ後端にシェブロン形状のマグネットシートを脱着して“実効空力”を体験できる試乗会も開催するなど、今回も盛りだくさんの内容だった。