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■走りと燃費の両立を目指してSKYACTIVも搭載
2009年6月11日、マツダの「アクセラ」が初のモデルチェンジで2代目に移行。2003年にグローバルモデルのスポーティなコンパクトカーとしてデビューしたアクセラだが、2代目は“エコ・スポーツ”を掲げて環境性能も重視し、2年後にはSKYACTIV技術も追加で採用した。
●“Zoom-Zoom”ブランドモデルとして登場したアクセラ
初代アクセラは、走る歓びを追求したマツダらしいクルマづくりを目指すブランドメッセージ“Zoom-Zoom”をベースに開発され、2003年にデビュー。「ファミリア」の後継だが、当時マツダはフォードの傘下であったことから、プラットフォームはフォード「フォーカス」と共用したため、ファミリアより全幅が拡大され3ナンバーボディとなった。
4ドアセダン/5ドアスポーツ(ハッチバック)が用意され、スポーティでダイナミックなスタイリングが特徴。パワートレインは、1.5L/2.0L/2.3L直4 DOHCの3種エンジンと、4速ATおよび5速MTの組み合わせ。駆動方式は、当初はFFのみだったが、追加で4WDが設定された。
アクセラは、海外では「Mazda3」として販売され、日本よりむしろ海外での人気が高く、3年3ヵ月で販売台数100万台を突破し、「アテンザ」の最短記録を更新。2代目が登場するまでの6年間で、世界中で200万台を超える販売を記録し、マツダの主力モデルに成長した。
●エコ・スポーツとして走りと燃費の両立を目指した2代目
アクセラは2009年、初めてのフルモデルチェンジにより2代目に移行。2代目は、スポーティさを継承しつつ、環境性能の向上も重視し、キャッチコピーは“エコ・スポーツ”だった。
ワイド&ローのスタイリングと、マツダで定着している“5ポイント(5角形)グリル”をフロントの低い位置に配置したダイナミックなフロントマスクが特徴。またエンジンは、1.5L直4 DOHC、2.0L直4 DOHC直噴エンジンと2.3L直4 DOHCターボの3機種が用意され、2.0Lにはマツダ独自のアイドルストップ“i-stop”が採用され、初代に対して15%も燃費が向上した。
さらに、後方からの接近車を検知しインジケーターで警告する“リアビークル・モニタリングシステム”や、急ブレーキ時にハザードランプを点滅させる“ESS(エマージェント・シグナルシステム)”など安全性能も充実。車両価格は1.5Lが166万円、2Lが189万~214万円、2.3Lのスピードアクセラ(ターボ)は267万円だった。2代目アクセラも、1ヵ月で7640台の受注を達成するなど堅調な販売を維持した。
●マツダの先進技術SKYACTIVも追加採用
2代目アクセラは、2011年8月のマイナーチェンジでさらなる燃費と性能の向上を目指し、SKYACTIV技術を採用。SKYACTIVは、同年6月に採用された3代目「デミオ」に続いて第2弾となる。SKYACTIVは、当時注目されていたハイブリッドなどの電動化技術に対抗し、マツダがエンジン車で世界一のクルマを目指して開発した独自技術である。
アクセラで採用されたSKYACTIVE技術は、ガソリンエンジンの高効率化を図った“SKYACTIV-G 2.0”と、高効率オートマチックトランスミッション“SKYACTIV-DRIVE”だ。当時のガソリンエンジンの圧縮比は12程度が限界だったが、“SKYACTIV-G”は直噴化、燃焼室形状や排気系の最適化などで圧縮比14という驚異的な高圧縮比を達成。さらに、ロックアップ領域を広げることにより、伝達効率を向上させた“SKYACTIV-DRIVE”を組み合わることにより、20km/L(10-15モード)の低燃費と高出力の両立が実現されたのだ。
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初代アクセラはスポーティな走りが特徴だったが、2000年頃から燃費競争が激化するようになったため、それに対応するようにアクセラも燃費を重視したモデルへと変貌したのが2代目の特徴。世界的に拡がったCO2(燃費)規制によって、クルマに求められる潮流が大きく変わったタイミングだったのだ。
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