目次
リアバンパー両サイドにカナードのようなエアロコンポーネントが装着
プロトタイプは、これまででもっともカモフラージュが削ぎ落とされ、本気の高速テストの様子がうかがえる。
フロントエンドでは、ラウンドしたキドニーグリルを装備、その上部はクローズされている。下部バンパーは、冷却のためにエンジンに大量の空気を供給する台形インテークを配置、両端の垂直エアベントはホイールでの乱気流を防ぐエアカーテンの役割を果たすはずだ。
足回りでは、フロントに巨大な20インチのアロイホイール、リアに21インチのホイールを装着、M5特有のドリルドディスク、青いブレーキキャリパーも確認できる。
後部では、完全に新設計されたトランクリッドスポイラーが見てとれるほか、お馴染みの円形クワッドエキゾーストパイプがインストールされている。注目はバンパー両サイドにカナードのようなエアロコンポーネントが装着されている点だろう。
パワートレインは、ライバルのメルセデスAMGがV8から直列6気筒や直列4気筒へダウンサイジングしたのに対し、BMWはV8をキープ。「XMラベルレッド」の4.4L V8プラグインハイブリッドを流用、電動アシストにより最高出力728ps、最大トルク1,030Nmを発揮する。この数値は先代の「M5 CS」よりなんと102psも上回る狂気のスペックと言えるほか、電動「i5 M60」の最高出力601ps、「i7 M70」の659psをも凌駕、同ブランド最強セダンに名乗りを上げることになるのだ。
これが何を意味するのか。同ブランドは、「BMW史上ニュル最速市販モデル」を視野に入れているという。現在BMW最速は「M4 CSL」の持つ7分18秒だが、その記録を超えるとも噂されている。
M5セダン新型のワールドプレミアは、今後数ヶ月以内とみられるが、年内にも「ニュル最速市販モデル」のランキングが書き換えられるかも知れない。