初代となる現行型iXは2020年にオンラインで量産モデルを公開され、翌2021年には欧州と日本で発売。今回、登場4年での大幅改良となる。
世界的に電気自動車(EV)の売れ行きが想定を下回るケースが見られるが、BMWはEVの売上が飛躍的に伸びており、2023年にはEV登録台数が世界中で92%増となっている。そしてこの勢いに乗ってフルサイズSUV「iX」も初の大幅改良がなされる。
以前見た開発車両は、ボディ前後を軽くカモフラージュしただけだったが、ニュルブルクリンクで捉えた最新プロトタイプは全身を偽装。本格的に開発が進んでいることを示唆している。
フロントエンドでは、縦基調の新LEDデイタイムランニングライト(DRL)パターンを備えた新設計のヘッドライトを装備している。また巨大キドニーグリルはデザインを微調整。イルミネーションパッケージが搭載されるだろう。さらにバンパーのワイドエアインテークには3本の縦スラットを配置するなど、完全に新設計されていることがわかる。
側面では、サイドミラーをはじめ、サイドスカートなどが微調整されると予想される。後部では、LEDテールライトのグラフィックが変更されることが濃厚だが、ルーフスポイラーが新たにカモフラージュされていることから、アップグレードされる可能性もありそうだ。
そして注目は、はじめて捉えたコックピットだ。現行型では、BMW初となる一体型のディスプレイパネルが採用され、12.3インチのデジタルメーターと14.9インチのセンターディスプレイが1枚の湾曲したパネルで一体化されている。捉えたプロトタイプでは、全体的に布が被され、開発用ダミーディスプレイが搭載されているなど、大きな変化がなされる可能性を示唆している。
フェイスリフトされたiXは、テクノロジーのリフレッシュとモデルの名前の変更も行われる予定で、 「iX xDrive40」は「iX xDrive45」に、「iX xDrive50」は「iX xDrive60」にリネームされる。
さらに、今回捉えた最強モデル「iX M60」の後継モデルには「iX M70」の新名称が与えられる。名前の変更に伴いパワーアップも期待され、すべてのバージョンでバッテリー性能が向上して航続距離が伸びる。特に最強「iX M70」は、現在の最高出力540psからi7と同じ660psへと向上すると予想されている。
BMW iX の改良新型は2025年3月に発売予定となっている。