三菱「トライトン」がトーヨータイヤ「オープンカントリー」を装着してラリー北海道に参戦! 竹岡圭のXCRスプリントカップ北海道への挑戦!!

2024年7月1日(月)、女性モータージャーナリスト・竹岡圭さん(以下、敬称略)による「圭rallyproject」が三菱自動車とトーヨータイヤのサポートを受け、北海道などで開催される「XCRスプリントカップ北海道の第3戦「2024ARKラリーカムイ」および第4戦「RALLY HOKKAIDO」に参戦することが発表された。

圭rallyprojectとは?

幅広く活躍するモータージャーナリスト・竹岡圭が2016年に立ち上げた企画で、2017年から全日本ラリー選手権に5年間参戦した後、コロナ禍により一時休止。今回、セーテフティドライブングスクールで講師を務めるなど縁の深い三菱自動車のサポートを受け、再始動することに。

三菱自動車は、
・新型トライトンの日本導入あたり、そのアピールのみならずピックアップトラックの文化を広める。
・WRCやパリダカールラリーといった歴史や事績を現在に繋げ、”三菱らしさ”をアピールする。
・ユーザーの冒険心を応援する。

ことを掲げており、冒険心を忘れない”チャレンジャー”竹岡圭をサポートする。

竹岡圭
TV、ラジオ、YouTubeなど多方面で活躍するタレント/モータージャーナリスト。2016年に「60歳になったらポルシェを買う貯金」を元手に圭rallyprojectを立ち上げ5年間全日本ラリーにチームオーナー権ドライバーとして出場した。コロナ禍の影響と資金枯渇により活動を休止するが、2022年〜2023年はトーヨータイヤのサポートチームにドライバーとして招かれる。
JAFモータースポーツ小委員会委員、日本自動車ジャーナリスト協会副会長、2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、オプカン女子部部長。

また、ラリー活動休止中はトーヨータイヤのオファーで同社のクロスカントリラリーサポートチームでドライバーを務め、その縁からトーヨータイヤの人気オフロードタイヤ「オープンカントリー」をアピールする「オプカン女子部」の部長に主任していることから、トーヨータイヤも今回の参戦を協力にサポートする。

トーヨータイヤの人気オフロードタイヤ「オープンカントリー」シリーズ。同ブランドは41年という永井歴史を持ち、その走行性能はもちろんホワイトレターやトレッドデザインなどスタイリッシュさも人気を集めている。三菱自動車とはデリカやデリカミニ、トライトンのデモカーに装着され、東京オートサロンなど各種イベントで展示された。

コドライバーは国内外のラリーでドライバーとしてもコドライバーとしても活躍する山田政樹選手。竹岡圭とは2020年以来のコンビだ。また、メンテナンスガレージはグローバルモータースポーツ(代表:神田誠)という陣容になっている。

ドライバーの竹岡圭とコドライバーの山田正樹、そしてチームスタッフの面々。
XCRスプリントカップ北海道とは?
2021年より毎年北海道にて開催されている日本自動車連盟(JAF)公認のクロスカントリーラリーシリーズで、2024年度は1月から10月にかけて全6戦が開催される。
特に9月6日から8日にかけて帯広市を拠点に開催される第4戦の「RALLY HOKKAIDO」は、全日本ラリー選手権と併催のため幅広いクラスの車両がエントリー。ラリー経験豊富な選手が多数出場することから特に注目を集めている。山間部の林道や砂利道などの未舗装路を高速で走り抜けるハイスピードグラベルラリーとして、ドライバーの高度なテクニックに加え、車両とタイヤには悪路を走破するためのタフさが求められるイベントだ。

トライトン・圭rallyproject仕様

三菱自動車が圭rallyprojectに協賛するのは人気急上昇中のトライトン。2023年のアジアクロスカントリーラリーに参戦したり、ジャパンモビリティショーや東京オートサロン、東京アウトドアショーなどにも展示され注目を集めているピックアップトラックだ。

三菱トライトン・圭rallyproject仕様。実質10日ほどで完成させたとか。

XCRスプリントカップ北海道のレギュレーションに合わせて改造された本車ではあるが、リエゾン区間で一般公道を走ることからナンバー付きであることが必須。改造もそのレギュレーションに沿った内容となっている。

4N16型2439cc直列4気筒インタークーラーターボディーゼルのエンジンはノーマルで、150kw/470Nmのスペックはカタログ通り。トランスミッションもスポーツモード付き6速ATだ。

ドライバーを務める竹岡圭は、完成車をまだほとんど乗っていないとのことだったが、トライトンについてはタイでの発表会にも参加。北海道で開催された試乗会で乗った印象として「ボディサイズの割に小回りが聞いて取り回しが良く、乗り心地も乗用車と変わらない。新しいSUVのカタチだと思います」と語った。

フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン独立懸架。ショックアブソーバーとスプリングはTEIN製で、圭rallyprojectのために急ぎ開発された「4×4SPORT DANPER」。クロスカントリー4WD車向けのヘビーデューティ仕様で、車高は1.5インチアップ、16段の伸縮同時減衰力調整機構とADVANCEニードル、油圧バンプストッパー「H.B.S」を備える。さらに、シェルケースは強度と容量を高め、腐食性と防錆性にも配慮されている。

また、ラリーカーとしてのポテンシャルについても試乗時の印象から「グラベルでの走破製はもちろん、狭いコースでも苦労せず走れる手応えを感じている」と好感触だったようだ。

タイヤはトーヨータイヤ「オープンカントリー R/T」(265/70R17)をセレクト。レギュレーションでマッドタイヤは使用できず、「オープンカントリーA/T」よりグラベル性能の高いものを選んだ。
荷台にはスペアタイヤと大型のジャッキを搭載。ホイールはレイズの「VOLK RACING ZE40X」(17×8J)を組み合わせる。
アンダーガードはクスコ製。
リヤサスペンションはリジッド/リーフスプリング。リヤデフはクスコがLSDを協賛している。
クスコ製のロールケージはXレイアウトのサイドバーも装着。トリムも残るドアには緊急脱出用のハンマーを装着。
カーペットが剥がされている以外はダッシュボードなどはそのままのノーマル然としたコックピット。
シートはレカロが協賛する「RS-G GK」。サベルトの2インチ6点式ハーネスは三菱とトーヨータイヤのコーポレートカラーであるレッドとブルーを組み合わせて装着した。

まだ発売されてからそれほど時間が経っておらず、まだそれほど多く出回っているこことでもないため競技用のパーツというものはあまりなく、その用意にはなかなか苦労があったとのこと。パーツによっては協賛社が新たに制作したものもあり、ワークスであるラリーアートが参戦するアジアクロスカントリーラリー仕様以外では貴重なトライトンの競技車両と言えるだろう。

発表会の直前に撮影されたトライトン・圭rallyproject仕様の完成車。

圭rallyprojectをサポートする協賛各社

発表会では、圭rallyprojectをサポートする協賛各社がこの企画への期待や激励を語った。また、会場にはラリーカーに装着、使用される協賛社の製品やパーツが展示された。

1913年設立の老舗部品商・エンパイヤ自動車はサベルトのハーネスを用意。モータースポーツにおいて乗員の安全を守るために必須のパーツだ。
T.M.Worksの「鹿ソニック」は動物除け。2017年から開発を始め。2018年には竹岡圭選手の車両に試作品を装着して効果を上げており、今回も野生動物の宝庫・北海道でその効果が期待される。
Winmaxのブレーキパッド「itzz R7」とブレーキフルード「BFレーシング」はエムケーカシヤマのサポート。
オイルはモータースポーツ用オイルを扱うMoty’s。ディーゼルエンジンとAT用のスポーツオイルを、オフロードユーザーにアピールする。
オレンジジャパンのTPMSバルブ「HT430」。タイヤの空気圧センサー。
空気圧センサーのモニター部。「クルマから降りずに空気圧をチェックできるのは助かります」とはコドライバーの言。

他にもフロントガラスの保護フィルム「アーマーテック」を提供するエスアンドカンパニー、ブレーキキャリパーとローターをサポートするネステックジャパンからも激励の言葉が贈られた。

レースやラリーで活躍し、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める日下部保雄氏。

そして最後に、竹岡圭選手とも古くから縁も深く、今回の圭rallyprojetを協賛するモータージャーナリストの日下部保雄氏が登壇し、激励の言葉を述べた。

圭rallyprojectのメンバー(右)と協賛各社(左)の皆さん。

いざ北海道へ!初陣は「2024 ARK ラリーカムイ」

この出来立てのトライトンは早くも7月5日(金)〜7月7日(日)で開催されるXCRスプリントカップ北海道第3戦「2024 ARK ラリーカムイ」に出走する。
7月3日にフェリーで北海道に運ばれ、4日にラリーの舞台となるニセコ町まで自走するのが実質シェイクダウンとなる。グラベル走行はラリーが始まってブッツケ本番だ。

信頼性が高くドライバビリティに優れたトライトンと経験のあるクルーだけに、いきなりの本番でどのような走りを見せてくれるのか期待したい。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部