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■初代の大ヒットを受けて登場した2代目ストリーム
2006(平成18)年7月14日、ホンダからコンパクトミニバンの2代目「ストリーム」がデビュー。2003年に登場して大ヒットしたトヨタ「ウィッシュ」に対抗して、初代よりもスタイリッシュでスポーティに変貌し、コンパクトミニバンの首位奪回のために登場した。
●ホンダのミニバン攻勢は、オデッセイから始まった
・オデッセイ(1994年~)
それまでの商用車ベースのミニバンとは異なり、乗用車をベースとし、車高は低いが広い室内空間を実現して3列シート6人/7人乗りを設定。ミニバンの常識を覆した乗用車感覚の初代オデッセイは、1995年には販売台数12万を超える空前の大ヒットを記録、新世代のミニバンブームの火付け役となった。
・ステップワゴン(1996年~)
ボクシーなスタイリングでFFのメリットを生かし、広い室内空間を実現。5ナンバーながら3列シート8人乗りを用意。子育て世代のファミリー層から支持され、発売から3年間ミニバン首位を独走する大ヒットを記録した。
・ストリーム(2000年~)
シビックのプラットフォームを延長し、5ナンバーサイズながら3列シート7人乗りの室内空間とスポーティで流麗なスタイリングを両立。コンパクトで小回りの利くスポーティなミニバンとして新しい市場を開拓して人気を獲得。販売から10ヶ月で10万台を超える大ヒットモデルとなった。
●打倒ウィッシュで登場した2代目ストリーム
5ナンバーのスポーティなコンパクトミニバンとして人気を獲得した初代ストリームだったが、2003年に同じコンセプトでスタイリングも似通ったトヨタのウィッシュが登場すると、その煽りを受けて販売台数は徐々に落ち込み始めた。
初代ストリームの人気挽回のために、初のモデルチェンジで2006年のこの日登場したのが2代目ストリームである。初代よりさらに車高を下げてスタイリッシュなフォルムとなりながらも、ホイールベースを20mm伸ばすなどで3列目の室内空間を拡大。パワートレインは、1.8Lと2.0Lの直4 SOHC i-VTECエンジンと、CVTおよび5速ATの組み合わせ、駆動方式はFFと4WDが用意された。
スタイリッシュなフォルムとスポーティな走りが評価され、さらに標準的な2WD仕様で172万(1.8L)/194万円(2L)のリーズナブルな価格により、一時的に人気回復に成功。しかし、ウィッシュの勢いを止めることはできず、その後販売台数は徐々に落ち込み、結局2014年に生産を終えることに。ストリームは、2世代14年でその歴史に幕を下ろしたのだ。
●ストリームに代わり、車高を上げたボクシースタイルのフリードが人気に
ストリームの人気が低迷する一方で、ホンダは2008年からコンパクトミニバンの「フリード」を発売した。車高がストリームの1590mmよりも120mm高い1710mmで、ホンダ伝統の低床・低重心技術を採用した流麗かつボクシーなスタイリングが特徴。ストリームよりもさらに広い室内空間によって、20代~40代の子育て世代のファミリー層から圧倒的な支持を受け、約1ヶ月で約2万台を受注する大ヒットモデルとなった。
ストリームを圧倒したウィッシュも、2010年以降は徐々に人気が右肩下がりとなり、2017年に生産を終了。2010年代までは、背の低いスタイリッシュなミニバンが人気だったが、以降はフリードやトヨタのヴォクシー/ノアのようなスライドドアを備えた比較的背の高いボクシーなミニバンが人気となっているのだ。
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コンパクトミニバンのユーザー層は、主として子育て中の若いファミリー層である。乗用車のようなスタイリッシュさよりも、多人数で楽しめる室内の広さ(車高の高さ)や乗降のしやすさ(両側スライドドア)のような実用性が重視されるのだ。軽自動車でも、車高の高いハイトワゴンやスーパーハイトワゴンが長く主流となっており、このトレンドが2024年の今現在、定着している。
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