目次
高速道路のキロポストとは「道路の目盛り」
高速道路の路肩や中央分離帯などに設置された「キロポスト」は、所在地が分かりづらい高速道路上でも、位置を把握しやすいように100m間隔で設置されている標識だ。
道路上に「87.5」と書かれたキロポストを見かけたら、そこは起点位置から87.5kmの位置にあるということを意味する。キロポストは、いわば道路の目盛りの役割を果たすものと言えるだろう。
キロポストの数値に上り/下りの区別はなく、あくまで起点と定められた位置からの距離を表しているため、上り線も下り線も数値は共用されることになる。
群馬県と栃木県をつなぐ総延長150kmの北関東自動車道の上り線を例に挙げると、起点(0キロポスト)となる群馬県高崎JCTから、栃木方面に向かって走行すると数値はカウントアップしていく。
途中の栃木県岩舟JCTは、上り線も下り線も54.4キロポストと表示される位置にあり、ここから群馬方面へ下り線を引き返すと数値はカウントダウンしていくことになる。
ただし、北関東自動車道の終点となる水戸南ICは150キロポストとはならない。北関東自動車道は一部区間を東北自動車道と共用しているため、栃木都賀JCTで起点が一度リセットされ、再び終点の水戸南ICに向かって距離のカウントアップがはじまるようになっている。
このように同じ路線内でも、分岐があると起点が複数できる場合があることは覚えておこう。
また標識の色や形も場所によってさまざまで、100kmや200km地点のような節目はデザインが違う場合もある。トンネル内では壁面にプレートが貼り付けられている場合が多いようだ。
キロポストの活用法一覧
高速道路ではランドマークとなる目印が少ないため、場所を指し示すのが難しい。しかし、キロポストの使い方がわかれば以下のような状況で役立てられる。
- 高速道路での事故/故障/異常の報告
- 高速道路上のオービスや危険箇所の確認
- ハイウェイラジオでの情報収集
それぞれのケースでの詳しい使い方を解説していこう。
高速道路での事故/故障/異常の報告
事故や故障が起こった際は警察や道路管理会社、ロードサービスなどに連絡をすることになるが、高速道路上では具体的な場所を伝えるのが困難だ。
そんなとき「路線名」「上り/下り」に加えて「キロポストの数字」を伝えれば、正確な位置を素早く確実に伝えられる。
事故を目撃した場合や落下物/道路設備の破損の報告にも、同じようにキロポストの数値を伝えるとよいだろう。
高速道路上のオービスや危険箇所の確認
高速道路上にある施設などの所在を表す際もキロポストが用いられる。
高速道路会社が作成した地図や危険箇所を注意喚起する資料には、場所がキロポストで示されている。また、オービスの設置箇所もキロポストで示されることが多い。
高速道路に関連することで「KP」という単位が出てきたらキロポストを表していると思ってよいだろう。
高速道路のオービスで捕まった場合にも、呼出状などには「◯◯道△△キロポストの位置」のように、高速道路のオービス撮影場所がキロポストで細かく記載される。
ハイウェイラジオでの情報収集
車内や、サービスエリア(SA)/バーキングエリア(PA)の館内放送で流れるハイウェイラジオでも「◯◯キロポスト付近で事故」「◯◯キロポストを先頭に5kmの渋滞」など、キロポストで場所が指し示されることが多い。
もちろん目印となる付近のSA/PA/インターチェンジ/ジャンクション名で大まかな場所を伝えてくれるが、キロポストの意味がわかればより正確な情報が入手できる。
使い方を知っておくと役に立つキロポスト
キロポストは高速道路上のアドレス(番地)とも言える大切なものだ。
知らなくとも大きな問題にはならないが、キロポストの意味と使い方を知っておくと役に立つシーンは多い。
数字だけが記載された標識のほかにも、場所によってはアルファベットが追記されたキロポストがあることも知っておくとよいだろう。
ランプウェイ(連結ロ)上にあるアルファベット付きのキロポストは、同じ場所に複数あるランプの区別に用いられる。
北海道ではキロポストの数字の頭に、方角を意味するS/N/W/Eのアルファベットを付けて各路線を表している。
また、キロポストの標識は高速道路だけでなく、主要な国道や林道などにも設けられていることも覚えておきたい。
事故や故障などの緊急連絡の際、近くに目印となるランドマークがない場合は、周辺にキロポストの標識がないか確認してみるとよいだろう。