KIA(キア) PV5は、ヒョンデが開発したe-CCPM(電動コンプリート シャシー プラットフォーム モジュール)を採用するミニバン。この統合プラットフォームは、バッテリーや駆動モーターなどの主要コンポーネントが標準化されており、必要に応じて車両の構造をカスタマイズできるようにする仕組みになっている。つまり乗用車、ピックアップトラックをはじめ商用バン、タクシー、ハイルーフワゴンなど、様々なボディが付け替えられる革新的コンセプトなのだ。
フォルクスワーゲン(以下VW) ID.Buzzとヒョンデ ステーリアを伴ってあらわれた謎のプロトタイプカーは、フルカモフラージュされてはいるが、どう見ても箱型のスタイリングは何の変哲もない商用バンのように見える。しかし、覆われていないサイドウィンドウをよく見ると、実はこれがPV5であり、最終生産ボディを装着している可能性が高いことがわかるのだ。
コンセプトとの違いは、従来のミラー、わずかに調整されたキャビン、および黒のスチールホイールだ。ホイールアーチの周りの無塗装のプラスチッククラッディングの一部も見ることができ、コンセプトの派手な質感はない。
PV5プロトタイプは、同じサイズの VW ID.Buzzと、少し大きいヒョンデ ステーリアと一緒に撮影されたため、そのフットプリントがよくわかる。ちなみに、電気自動車のID.Buzzの全長は4712mm(185.5インチ)で、ICE駆動ステーリアの全長は5255mm(206.9 インチ)だ。
量産型では、PBV の機能強化に不可欠なバイワイヤ・システムやインホイールモーターシステムなどの高度なテクノロジーを搭載。ステアリングとブレーキを電子的に制御するバイワイヤ・システムは、車両の上部構造の設計の柔軟性を高め、電気駆動システムがホイールに統合されているインホイールモーター システムにより、車両内のスペースが向上する。
KIA初のPBV(Purpose Built Vehicle、目的に合わせて製造する車)は、2025年第1四半期にリリースされる予定となっている。