すっかり日常を取り戻し、各地で盛んに旧車イベントが開催されるようになった。そして季節は夏。夏といえば長い休みに海への行楽、夏祭りと大いに気分は盛り上がる。ただ、エアコンやクーラーのない旧車にとり、体温近くまで気温が上昇する昨今の夏は楽しむどころか命の危険さえ秘めている。熱い車内で渋滞にハマろうものなら、ドライバーはまさに地獄。だから毎年、真夏の時期に開催される旧車イベントはごくわずか。そこで今回は福島県喜多方市で開催される夏祭り「第18回喜多方レトロ横丁」の一環として行われたレトロモーターShowを紹介したい。
喜多方の中心街には「レトロ横丁」と呼ばれる商店街がある。古い建物がそのまま残る商店街で、昭和62年(1987年)までは「ふれあい通り」と呼ばれていた。それが2021年に一般公募して名称を変更したのだ。場所はJR喜多方駅から約1キロほどの市中心部で、明治・大正・昭和の時代に作られた建物がそのまま残り懐かしい景観が広がっている。そこで2005年の夏から「喜多方レトロ横丁」と銘打った歩行者天国イベントを開催している。
昭和ロマンを感じさせる商店街を歩行者天国して封鎖するとともに、テレビやラジオといった家電のほか生活雑貨などを展示する「テーマ別ミュージアム」、昭和の衣装を身につけてステージに上がる「レトロファッションSHOW」、バナナの叩き売りやガマの油売り、ちんどん屋が練り歩く「伝統の大道芸上演」など、楽しい演出で来場者を楽しませている。その一つとして開催されるのが「レトロモーターShow」なのだ。
レトロモーターShowは歩行者天国と化したレトロ横丁へ古いクルマたちがゆっくりとパレードすることから始まる。沿道にはカメラやスマホを片手にした見学客が大勢並び、色とりどりのクルマたちを撮影している。このパレードは午前9時過ぎから開催されるので、来年見に行くのであれば早めに会場へ足を運ぶことをお勧めする。
パレードを終えたクルマたちは歩行者天国となった商店街の西端から順に整列する。主催側によればパレードの順番はできるだけ同じ車種やクラブ単位であることを優先しているそうで、整列した後も同じ車種やクラブの車両がまとまって並ぶことになる。エントリー順だったり会場へ到着した順ではなく、見る側・参加する側ともに楽しめるよう工夫されているのだ。
レトロモーターShowのパレードが終わると商店街はさらなる活気に湧く。大道芸が始まるだけでなく農機具用の発動機が運転を始め、ミニ機関車が走り出す。さらには誰でも参加できるカラオケの「のど自慢」や「激闘! 青空プロレス」も始まり、どこを歩いていても楽しめること間違いなし。単なる旧車イベントだけでもクルマ好きなら楽しめるが、こうして夏祭りを同時に開催される場合なら家族や子供たちを連れて行くこともできる。それでは以降、パレードの様子など写真を中心にお届けしよう。