日産が新たなサスティナビリティプランを発表。環境および社会性に特化したプログラムを推進

日産自動車はこのほど、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」に向けた取り組みを加速させるなか、サステナビリティを中核に据えた日産のビジネスとその進捗を紹介する「統合報告書2024」を発行した。

「大切なことは、様々なパートナー企業、ステークホルダーと連携し、継続的に進むべき方向性について社内で多様な議論を交わしながら、活動を進化させていくことです」(田川丈二CSO)

この報告書は日産として初めて発行する統合報告書で、長期ビジョン、経営計画、戦略および財務情報に加え、サステナビリティに関する方針や実行計画を通じて日産が中長期にわたり社会に与えるインパクト(価値創造)を説明。さまざまな取り組みを通じて、安全・安心なまちづくりや社会の発展、豊かな自然と生態系の回復を目指している。

また、サステナビリティの取り組みとして、第5世代となる「ニッサン・グリーンプログラム2030」(NGP2030)と、これまでの社会性の取り組みを戦略的にまとめた「ニッサン・ソーシャルプログラム2030」(NSP2030)を策定し、日産のビジネス戦略を支えている。

長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」への架け橋となる経営計画「The Arc」においても、NGP2030とNSP2030は重要な要素で、あらゆる企業活動にサステナビリティの考え方が織り込まれている。

日産の田川丈二CSO(チーフサステナビリティオフィサー)は、「大切なことは、様々なパートナー企業、ステークホルダーと連携し、継続的に進むべき方向性について社内で多様な議論を交わしながら、活動を進化させていくことです。企業を持続可能なものにし、持続可能な社会を築くために将来に向けて着実に準備をしていかなくてはなりません。これは、『人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける』という日産のコーポレートパーパスに一致するものです」と述べている。

日産はサステナビリティを企業の根幹に据え、最適な方法でサステナビリティを推進し、よりクリーンで、より安全で、よりインクルージブな社会の実現に向けて取り組みを推進していく。

ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)
日産は2002年に最初の中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム(NGP)」を発表し、環境理念「人とクルマと自然の共生」の実現に向けた取り組みを長期にわたり続けてきた。NGP2030では「気候変動」「資源依存」「大気品質と水」の3つを、戦略的に取り組むべき重要課題として定めた。カーボンニュートラルに向け世界の気温上昇を1.5度以内に抑えるシナリオへの適合、循環型経済への移行、自然や生態系への依存と影響の最小化などに取り組む。NGP2030に含まれる、主要な環境目標は以下のとおり。
●車両1台当たりのライフサイクルCO2排出量を30%削減(※)
●車両1台当たりの製造時のCO2排出量を52%削減(※)
●新車走行時のCO2排出量を、日本、米国、欧州、中国の4つの主要市場において50%削減(※)。また、グローバルで同CO2排出量を32.5%削減(※)
●日本、米国、欧州、中国におけるサステナブルマテリアル3比率を40%へ向上
※削減率は2018年を基準とする2030年目標

ニッサン・ソーシャルプログラム2030(NSP2030)
NSP2030は、これまで取り組んできた日産の社会性の取り組みを包括的にまとめ、さらに向上させた行動計画。NSP2030を実施することで「The Arc」の基盤としての役割を果たし、「Nissan Ambition 2030」を実現するための道筋を示す。日産は「人」を中心とした取り組みにより、従業員、地域社会、パートナー、さらに社会とともに成長していく。この包括的な取り組みを通じて日産は、社会にポジティブなインパクトを与え、真に持続可能な企業となり、将来の世代のためにより良い世界を創造することに貢献する。
●「安全」「品質」「責任ある調達」「知的財産」「地域社会」「Power of employees」をNSP2030の6つの柱として定めた。各分野で2030年に向けた目標設定と行動計画を策定し、同プログラムの社会的価値を明確に定義している。
●日産は「人」を何よりも大切にしている。すべてのステークホルダーの人権を尊重することを企業活動の基本としている。この価値観は企業文化の基盤と位置付けられ、本プログラムの6つの柱にも反映されている。
●「Power of employees」の分野には、「DEI」「従業員の人権」「従業員の能力開発」、「労働安全衛生」の取り組みが含まれている。従業員一人ひとりが自信を持ち、支えられ、自分らしさを発揮できるような働きがいのある職場環境を築くことで、従業員の能力が最大限に発揮できることを目指している。それにより、会社と従業員がともに成長できる企業文化が醸成され、さらなるイノベーションの創出に繋がる。DEIは日産が特に取り組みを推進している分野で、例えばLGBTQ+、育児両立、マルチカルチャーなどをテーマとした従業員リソースグループ(ERG)は、よりオープンで革新的な職場づくりを支援するため、従業員主導の活動をサポートしている。

日産自動車企業情報サイト

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部