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■3代目スープラに、2.5L直6ツインターボ追加
1990(平成2)年8月9日、1986年にデビューした3代目「スープラ」のマイナーチェンジで、トヨタ初の出力自主規制値280psを発生する2.5L直6ツインターボ搭載モデルが追加された。スープラは、日本名「セリカXX」の海外名で、3代目から日本でもスープラを名乗るようになった高級スポーツモデルである。
高級スペシャリティカーのセリカXX(A40/A50型、海外名:スープラ)誕生
上級スペシャリティカーのセリカXX(ダブルエックス)は、1978年にデビュー。車名の“X”は、最大のライバルである日産「フェアレディZ」の“Z”を意識したものとされている。
セリカXX(A40/A50型)は、2代目セリカをベースにしたワンランク上のグランドツーリングカーとして、フロントノーズを長くして全体的にボディを拡大。トヨタのTをあしらったフロントグリルに角形ヘッドライト、ボディ同色のウレタンバンパー、鏡面仕上げのセンターピラー、横長のリアコンビネーションランプなどを採用し、スポーティさと高級感をアピールした。
パワートレーンは、2.0L&2.6L直6 SOHCの2種のエンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ。セリカ搭載の4気筒から6気筒エンジンに変更し、また北米向け(車名:スープラ)にはパワフルな大排気量2.6Lエンジンを用意した。
高級化した分、価格も高かったので、大人のスペシャリティ感が強く、日本よりもむしろ北米でヒットモデルになった。
セリカXXの3代目(A70型)から国内もスープラを名乗る
セリカXXは、3代目から国内でもスープラを名乗るようになった。リトラクタブルヘッドライトや大型エアカットフラップなどを採用したロングノーズ、ショートデッキで構成される3ドアハッチバックで、スペシャリティカーからシャープなシルエットのスポーツモデルへと変貌した。
トップグレードの3.0GTターボには、当時最強の230psを発生する3.0L直6 DOHCインタークーラー付ターボ(7M-GTEU型)を搭載し、その他にも日本初のツインターボを搭載した2.0直6 DOHC(1G-GTEU型)とNA(1G-EU)エンジンも用意され、多くのスポーツカーファンを魅了した。
そして1990年のこの日、マイナーチェンジで3.0L直6 DOHCターボ(7M-GTEU型)に代えて、最高出力がトヨタ初の出力自主規制値280psを発生する2.5L直6 DOHCツインターボ(1JZ-GTE型)搭載の「スープラ2.5GTツインターボ」を追加。車両価格は、307.0万~370.3万円(5速MT)/316.3万~379.6万円(4速AT)。当時の大卒初任給は、17万円程度(現在は約23万円)なので、単純計算では現在の価値で約414万~501万円(5速MT)に相当する。
特に、「ツインターボR」は、レカロのセミバケットシート、ビルシュタインのショックアブソーバー、モモのステアリング、専用ホイールが装備されて、若者の憧れのクルマになった。
国産車ターボの歴史
国産乗用車で初めてターボエンジンを搭載したのは、1979年に登場した日産自動車の「5代目セドリック/6代目グロリア」(L20ET型)である。1973年のオイルショックや排ガス規制強化の影響で省エネ化が叫ばれているなか、ターボは高出力のためでなく、中低速トルクを増大し低燃費と性能のバランスを取ったターボということで国の認可を受けた。
その後、ターボ時代が到来。1982年にトヨタの3代目「セリカ1800GT-T」が国産車初のDOHCターボ(3T-GTEU型)を、また同年にマツダは「コスモ/ルーチェ」に世界初のロータリーターボ(12A型)を搭載。翌1983年には三菱自動車の「スタリオン」が国産初のインタークーラー付ターボ(G63型)、1985年には「マークII 3兄弟(5代目マークII、3代目チェイサー、2代目クレスタ)」が国産初のツインターボ(1G-GTEU型)、1987年にはスズキ「アルトワークス」が軽自動車初のDOHCターボ(F5A型)を搭載。これがきっかけとなり、軽自動車の出力自主規制値64psが始まった。
そして、1989年に4代目「フェアレディZ(Z32)」(VG30DETT型)が国産車で初めて280psを記録し、ここから登録車の出力自主規制値280psが始まり、しばらく上限280psの時代が続いた。
1980年代は、バブルの勢いも後押しし、国産車は“DOHC&ターボ祭り”といった高性能時代だったのだ。
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スープラは、その後モデルチェンジして4代目に移行したが、2002年に生産を休止。そして、2019年に17年ぶりに5代目スープラが「GRスープラ」として復活。GRスープラは、BMWとの共同開発モデルで、トップグレードは最高出力387psの3.0L直6ツインターボエンジン(B58型)を搭載した。30年足らずの間に、自主規制値の影響はあるものの、ターボの進化は凄まじいものがある。
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