限定50台中2台が集合!? フィアット&アバルトのイベント「CIAO!FesTrico」に参加【フィアット500PINK!オーナーレポート vol.4】

引取時に高速道路上でミッション警告灯が点灯したものの、その後は故障知らずで絶好調な筆者のフィアット500PINK! 半年間で約4000kmほど走破したところで、2024年3月20日に千葉県で開催された「CIAO! FesTrico(チャオ・フェストリコ)」に参加した。筆者と愛車のチンクェチェントにとっては初のフィアット社を対象にしたミーティングへのエントリーとなった。

ミッション警告灯以来はトラブルもなく快調

フィアット500PINK!が納車されてから早くも半年あまりが経過した。大分県由布院の中古車店でこのクルマを購入し、仮ナンバーをつけて自走による帰り道に、中国自動車道の下関IC~山口JCTの長く続く登り坂で渋滞に巻き込まれ、ミッション警告灯が点灯した(すぐに警告灯は消えたが)。

フィアット500PINK!を購入した大分県由布院の中古車店「プランニングおがわ」。

しかし、トラブルらしいトラブルはそれっきり。登録作業を終えてから3代目チンクェチェントで鬼門となるデュアロジックを東京都・江戸川区の『ピッコロカーズ』で点検してもらったところ、「クラッチの摩耗が見られるもののしばらくは乗れる」とのことで、その日は念のためにキャリブレーションのみ行ってもらった。それからはトラブルらしいトラブルもなく、車両価格35万円のフィアットは約4000kmの距離を問題なく走破した。

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2023年7月に大分県由布院にある中古車店「プランニングおがわ」から購入したフィアット500 PINK!。スペシャルカラーのローザ・ローザでペイントされたこのクルマは、世界限定600台、日本正規導入50台という希少な限定モデルだ。現車チェックと契約を済ませ、仮ナンバーをつけての帰り道、中国自動車道の長い上り坂で事故渋滞に巻き込まれた際にミッション警告灯が点灯。さらに帰宅後にデュアロジックタンクの下の地面にオイルの染みを発見した。とりあえず機能的には問題がないようだが、大事になる前に東京・江戸川区の『ピッコロカーズ』で診てもらうことにした。

新たな愛車との初のイベント
「CIAO! FesTrico(チャオ・フェストリコ)」に参加

寒かった冬も終わりを告げ、季節はクルマやバイク関連のイベントが多く開催される春となった。せっかく愛らしいチンクェチェント、それも世界限定600台、日本導入50台の限定車……いわゆる「役モノ」のフィアット500PINK!を手に入れたのだから、イタリア車のイベントにも愛車で参加してみたいと考えていた。すると、タイミングよく2024年3月20日に千葉市のフェスティバルウォーク蘇我/ハーバーシティ第2駐車場にて「CIAO! FesTrico(チャオ・フェストリコ)」が開催されるという話を聞きつけた。

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パーツやイベント情報を始め、フィアット&アバルトに関するさまざまな情報を発信するウェブサイト「FesTrico(フェストリコ)」が初めて主催するミーティングイベント、「CIAO! FesTrico(チャオ・フェストリコ)」が2024年3月20日(春分の日)に千葉県のフェスティバルウォーク蘇我にて開催され、たくさんのオーナー&出展企業で賑わった。 REPORT&PHOTO:TOKYO CIAO MEDIA

このイベントはフィアット&アバルトファンのためのポータルサイト「FesTrico」が主催する初めてのミーティングで、エントリーできるのはフィアット&アバルト車のみ。オーナー同士の交流会のほか、企業ブースの出展が22社もあり、デモカーの展示やパーツやグッズの販売も行われるという。

駐車スペースの一角に展示されるMT DRACOのデモカー。同社はフィアット500用のホイールや後輪用アルフィンドラムなどを製造・販売するスペシャルショップだ。

さらにはイタリア車業界のレジェンドによるトークショー、エントリー車の撮影会があるなど内容は盛り沢山だ。興味をそそられた筆者はさっそくエントリーを申し込むことにした。

3月20日にフェスティバルウォーク蘇我/ハーバーシティ第2駐車場で開催された「CIAO! FesTrico(チャオ・フェストリコ)」にエントリーした筆者のフィアット500PINK!。

エントリー台数は約100台!アバルト&フィアット500の他に希少車の姿も?

「天気晴朗なれど波高し」。当日は青空が広がるミーティング日和……なのは良かったのだが風が強い。会場となったハーバーシティ第2駐車場はすぐ隣が海という立地もあって、波がうねっており、波打ち際にクルマを停めるとバシャンバシャンと水しぶきが降りかかってくる。

22社が参加するショップエリアには各社自慢のデモカーとともにフィアット用パーツやグッズの販売が行われていた。

これが旧車のジュリアクーペなら錆が進むことを恐れて直ちに退散するところだが、同じイタリア車でも21世紀に登場した3代目フィアット500は、そこまで腐食に弱くはないので「帰ったら洗車しないとな~」くらいの鷹揚な気持ちでいられる。

シフトノブやドリンクホルダー、Tシャツなどを販売するLa FIT+a(ラフィータ)のブース。筆者はシフトノブを購入した(取付含めたレポートはまたいずれ)。

午前10時半ごろに入場すると、すでに駐車スペースには多くのフィアット&アバルト車が停まっていた。その多くがアバルト500シリーズで、ベース車のフィアット500よりもむしろ数が多いほど。次に多いのが筆者と同じ現行型チンクェチェントで、エントリーした約100台の8割以上が両者で占められていた。ほかにはヌォーバ・チンクェチェント(110F)、初代フィアット・パンダ、ムルティプラ 、バルケッタ、アウトビアンキA112などの姿も見える。

アバルト500&フィアット500以外のフィアット車も数は少ないがエントリーしていた。写真は二代目パンダ。
今となっては大変珍しいアウトビアンキA112アバルトのシリーズ2。ボディが腐食しやすいことから残存数は少ない車両だ。
2009年に日本市場にリリースされたアバルト・グランデプント。左ハンドル&6速MTのみというあらまほしき仕様で登場したのだが、アバルト500の人気に隠れてイマイチ目立たない存在に。しかしながら、やはりイタ車は左ハンドル&MTが至高である。
ND型マツダ・ロードスターの姉妹車で、広島で製造されたイタリア車のアバルト124スパイダー。

日本導入50台中の2台のフィアット500PINK!が邂逅した「CIAO! FesTrico」

会場入りして驚いたのは本部テント前に展示されていた1台のフィアット500だ。ノーマル然としたそのクルマのボディカラーはローザ・ローザ。いわゆるひとつの鮮やかなピンクである。チンクェチェントのユーザーの中には、この色に憧れてほかの色からリペイントする人もいるようだが、展示車両は前期型でどうやら本物のフィアット500PINK!のようだ。

「FesTrico」のアンバサダーのあゆたまさんのフィアット500PINK! 筆者のチンクェチェントとともに日本に50台しか導入されていない限定車が会場に2台もエントリーしたことになる。

運営本部で話を聞くとオーナーは「FesTrico」のアンバサダーのあゆたまさんとのこと。さっそく声をかけると彼女も他にPINK!のエントリーがあるとは思っていなかったらしく少し驚いていた。

あゆたまさんのトークショー。まあ、ピンクのフィアットのオーナーと言えばフツーに考えれば女子だよなぁ……筆者はアラフィフのおおっさんであるが。

話を聞くとあゆたまさんがフィアット500PINK!を購入したのは2023年秋頃とのこと。TVの自動車情報番組で4年ほど前にこのクルマの存在を知り、ずっと探していたのだという。筆者が購入したチンクェチェントにもチェック入れていたそうだが、販売店が遠方の九州ということで諦めたらしい。それからしばらくして、ちょうど運良く自宅近くの中古車店でフィアット500PINK!の売り物があったので購入を決めたそうだ。

初の「FesTrico」イベントは盛況に終わり、初めて愛車で参加した筆者も大満足。7月28日の「FesTrico周年祭ミーティング」には都合がつかず参加できなかったが、今後も「FesTrico」主催のイベントにはぜひまた参加したい。

2009年に50台のみが納車されたフィアット500PINK!のうち、今も現在している台数が何台あるのかは定かではないが、「CIAO! FesTrico」の会場にそのうちの2台が集まったことになる。筆者は購入してから同型車を目にしたことがない(というか、その前も10年くらい前にに1度首都高で見かけたことがあるだけ)こともあって、あゆたまさんの愛車との出会いはなかなか新鮮な体験になった。

ジョルジェット・ジウジアーロの傑作大衆車・初代フィアット・パンダ。久しぶりに実写と対面したが無駄のない合理的な設計にあらためて感心させられた。
二代目フィアット500(ヌォーバ・チンクェチェント)と21世紀に復活した三代目との間、126に代わるAセグメント車として1991年に登場したチンクェチェント。ポーランドのFSM社の工場で生産されたモデルで、数字ではなく車名が「Cinquecento」とアルファベットで綴らたこともあり、今では番外編扱いされている。日本には並行輸入でわずかに輸入された。写真のクルマはその中でも希少なワンメイクラリー仕様のトロフェオ。

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著者プロフィール

山崎 龍 近影

山崎 龍

フリーライター。1973年東京生まれ。自動車雑誌編集者を経てフリーに。クルマやバイクが一応の専門だが、…