スタートアップ企業「ナラン・オートモーティブ」が発売を予定している「ハイパークーペ」の量産型プロトタイプがいよいよ公開直前となった。
ナランは、2020年に突如、ハイパークーペと名付けられたプロトタイプを公開。2022年に発売する計画を発表したが、その後は音沙汰がなくなっていた。しかしここにきて再び始動し、8月下旬の「サロン プリヴェ」にて市販型プロトタイプを公開するという。
創業者のアミール・ナラン氏は今年6月、WYNデザインのジョウィン・ウォン氏と協力し、ハイパークーペはモータースポーツにインスパイアされたスタイリングになることを明かした。ウォン氏の名前はピンとこないかもしれないが、同氏はデ・トマ「P72」やアポロ「インテンサ・エモツィオーネ」を手がけた人物だ。
詳細は不明だが、この車はアグレッシブでエッジの効いたクーペで、ベンチレーテッド・ボンネット、アグレッシブなフロント・スプリッター、ユニークなスタイルのヘッドライトユニットが特徴だ。また、スポーティなサイドスカート、存在感のあるリヤウィングを装備。脚周りにはカーボンセラミックブレーキシステムで支えられたハイブリッドカーボンホイールも確認できる。さらに、このモデルには複合ボディパネルと、「両端にヒンジ付きクラムシェル」が備わっていると述べている。
内装の画像は未公開だが、高級レザーやCNCミルドビレットアルミのアクセントが期待できそうだ。キャビンは広範囲にカスタマイズ可能で、大理石や花崗岩、金箔まであらゆるものが自由に組み合わせ可能と述べている。
エンジンは5.0L V型8気筒ツインターボで、最高出力1063PS、最大トルク1035Nmを発揮。これは「特注のトランスミッション」と全輪駆動システムに接続されているが、これを解除して後輪駆動に戻すこともできるようだ。
同社によると、このセットアップにより、クーペは0〜60mph(0〜96km/h)まで2.3秒、0〜200mph(0〜322km/h)まで16.5秒で加速できるといい、「世界最速の非電動4人乗り」になると豪語している。
ナランによれば、油圧ステアリング、4方向に調整可能なダンパー、ダブルウィッシュボーンサスペンションが採用されるという。また、「レーストラックにインスパイアされたエアロパック」についても言及しており、これは3036ポンド(1377kg)のダウンフォースを生み出すという。
発売時期は発表されていないが、生産台数はわずか39台で、価格は200万ユーロ(約3億2千200万円)とされており、35万ユーロ(約5600万円)の頭金で予約可能ということだ。