ICE駆動の新型AMG「C63S」はV8エンジンと決別し、直列4気筒のプラグインハイブリッドを搭載したことで物議を醸し出しているが、フルEVバージョンはどんな走りを魅せてくれるのだろうか。
プロトタイプは厳重にカモフラージュがほどこされているが、ベースとなるCクラスEVと比べていくつか目立った違いが見られる。フロントエンドでは、バンパーの両側に二組のカナードが装着されており、前後のホイールアーチはワイド化されている。
足回りには、前後異なるスポーティな大径ホイールを履き、その奥には赤いレッドキャリパーと強化ブレーキが搭載されている。後部バンパーに4本出しのエキゾーストパイプこそないが、AMG以外のプロトタイプには見られないリップスポイラーが装着されている。
AMGモデルを含む新型電動Cクラスの基盤となるのは、CLA EVのメルセデス・モジュラー・アーキテクチャではなく、同社の「MB.EA-Small」プラットフォームの可能性が高く、2つの電動モーターによるAWDを採用すると思われる。これにより、ライバルBMW i4のフラッグシップ「M50 xDrive」が持つ最高出力536psを余裕で上回り、ICE搭載「C63S」の670psさえ圧倒する出力も期待できるだろう。
キャビン内では、MBUXインフォテインメントシステムを搭載し、大型タッチスクリーン・インターフェイスを採用、直感的な音声コントロール、シームレスなスマートフォン連携により、未来的でユーザーフレンドリーな運転体験を実現するはずだ。
ICE搭載AMGが直列4気筒になったことで失ったV8魂を、このデュアルモーターEVが取り戻すことができるのか注目される。