「おれも」「わたしも」「あるある」必至・最新オートライトの問題点を探る

義務化された最新オートライトの問題点を探っていく。
最近のクルマは安全デバイスてんこ盛りで使いにくくなったと思っている。
今回は、その使いにくいデバイスの筆頭格にして、ここ2~3年に新車を買ったひとの多くが(?)抱いているであろう、義務化された最新オートライトの問題点を探っていく。
賛同するひと、多いのではないか?
「おれも」「わたしも」「あるある」必至・最新オートライトの問題点を探る【MFクルマなんでもラウンジ】 No.8
TEXT:山口尚志(YAMAGUCHI Hisashi) PHOTO:山口尚志/モーターファン・アーカイブ

完全義務化から約3年・・・新オートライトにもの申す!

これまでとは異なる新オートライトが義務化されて約3年が経った。

義務化された最新オートライトの問題点を探っていく。

2020年10月以降の生産車から適用。この時期以降に販売されるクルマは新オートライトが搭載されている。
周囲のクルマを見まわすと、夕暮れの早いうちからライトを灯すようになり、昼間でもトンネルやガード下に差し掛かればやテール点灯する前走車を目にするようになった・・・見ればおおかた3~4年以内に出てきたクルマで、早期点灯はライトのスイッチポジションが常に「AUTO」にあるゆえだ。

ただし、常時「AUTO」であるがために、2016年に予告されたときに抱いたとおりの問題点もちらほら・・・

今回は、前回水着美女のエアコン広告写真で締めた「ラウンジ」の次作とはおおよそ思えない、「新しいオートライトの問題点」という社会派テーマ(?)でお送りする。

誰も知らない(知りたいとも思わない?)AUTOライトヒストリー

まず最初に、過去のオートライトといまのオートライト(以下、新オートライト)の違いに触れておく。

周囲の明るさに応じてライトの点消灯をクルマが行なうオートライトは古くから存在していた。最古は1964年のクラウンエイトに搭載された「コンライト」で、外光の明るさ如何でライトを点消灯するばかりか、この時代にして対向車の光を検知し、自動でロー/ハイを切り替えることまでやってのけていた。ただしこの機能を有するコンライト搭載車は極めて限定的で、クラウンエイトとその発展型・初代センチュリー初期型への起用にとどまっている。

1964年発売クラウンエイトの計器盤左下にコンライトのスイッチがある。写真は当時のモーターショーに参考展示された後に撮影された1963年の、おそらく試作車。
黄色〇内がコンライトのスイッチ。「CON-LIGHT」の文字が見えるだろうか。
自動ロー/ハイ切り替えのための光学センサー。運転席側から。
光学センサーをフロント側から。
こちらも1963年撮影のクラウンエイトの計器盤。
1963年撮影のクラウンエイト。
同じくリヤ。

もっとも知られているのは、少し前まで主流だった「オートライト」だろう。ライトスイッチのポジションを「AUTO」に合わせておけばまわりの明るさ暗さを感知して自動でライトを点消灯・・・さきのコンライトから自動ロー/ハイ切り替えを取っ払ったものと考えていい。最初はクラウンやセドリック/グロリア級のクルマから「高級装備」の位置づけで始まり、時を経るにつれてカローラ、サニー級のクルマにまで広がっていったと記憶する。多くは「オートライト」または「オートライトシステム」と称したが、トヨタだけは引き続き「コンライト」だった。

スイッチのAUTO位置はメーカーによってまちまちで、いちばん使いやすかったのはトヨタ式。その並びは「OFF-車幅灯-ライト-AUTO」で、AUTOを好まないひとはOFFからライト点灯まで任意に合わせ、クルマ任せにしたいひとはスイッチを奥までまわして「AUTO」に入れっぱなしにしておけばいいという、いかにもトヨタ的な親切さが宿っていた。

2代めプリウスのライトスイッチ。「AUTO」位置はスイッチをいちばんまわした奥にある。この時代でもまだ「コンライト」を名乗っていた(写真は2008年型プリウス)。

考えた人、頭がいいなと思ったのがホンダのオートライトで、こちらは「OFF-車幅灯-AUTO-ライト」・・・これならまわりが明るかろうが暗かろうが、消灯→車幅灯→ライト点灯の順は変わらない。

写真は2003年型4代目インスパイアのライトスイッチのカタログ写真。ポジション表記がスイッチ側にあるので混乱するが、「OFF-車幅灯-AUTO-ライト」。頭いい!

トヨタ式でもホンダ式でもない、日産その他が用いた、いちばん多く、いちばん使いにくかったのが「OFF-AUTO-車幅灯-ライト」の配列。これは夜間の始動後、車幅灯だけ点けてひと待ちをしたい、もしくは自分の意志で点灯させたければ、どうしても「AUTO」を通過せねばならず、「ライト→スモール→ライト」と、一瞬の間のライト点滅を強いられることになっていた。

筆者が前に使っていた日産車のオートライトスイッチ。「OFF」の次が「AUTO」、そして「車幅灯」「ライト」と続く・・・使いにくいこの並びをトヨタ、ホンダ以外用いていた。

本来、ライトを短時間の間に点消灯をするのは光源の寿命を縮めることになってよくない。私は前に日産ティーダを使っていたが、ライトはオプションで選んだキセノンライト・・・いまのLEDはましだろうが、いわゆるディスチャージ式はいったん電圧をため込んでから点灯させるというプロセスの都合上(だから「ディスチャージ」)、信号待ちや短いトンネルの断続など、短時間の間の点消灯はバーナー寿命を短くする悩みがあった。なのに配列は「OFF-AUTO-車幅灯-ライト」なのである。当の日産が「点灯、消灯をくり返すと、バルブ寿命が短くなる特性があります。信号待ちなどで短時間停車するときは、点灯したままのほうが長持ちします。」と取扱説明書に書いていながら、これはいったいどういうことなのか、日産に説明を求めたい気分だった。

私が考えたのは、OFFからの手前一段まわしで「AUTO」となる、「AUTO-OFF-車幅灯-ライト」となる順列だ。これならAUTO派、自己判断派、どちらにも完全対応する使いやすいものになる。われながらいいアイデアだと思い、ティーダのスイッチを分解・改造しようかと企てたが、生来の不器用さが災いしてあきらめ、別の方法による改造でオートライト機能をキャンセルした。

とまあ、多勢を占めていた従来の「OFF-AUTO-車幅灯-ライト」順列のオートライトは、点灯の自己判断派にはまことにもって使いにくいものなのであった。

義務化版最新オートライトの働き

ひるがえって最新オートライトは機能も意味合いもかなり変わっており、はっきりいって、自分の判断でライト点消灯を行なう向きには使いにくくなった。

いまの新オートライトは、無灯火走行=ライトの点け忘れドライバー増加を起因とする事故増加を背景に、2016年10月の保安基準法改正で、2020年4月以降の新型車から装着を義務付けられたものだ。それ以前から生産されている継続生産車は2021年10月以降からと、いくらか猶予期間が設けられたいっぽう、2020年4月以前発売でも法規を先取りして新オートライト化した新型車もあった。

ハンドルを握るのは人間のことだ、ライトを点け忘れて走るクルマはいつの時代も見かけたものだが、私の観察では、平成半ばあたりに自発光メーター車が登場してから無灯火が増加したように思う。自発光メーターはエンジンをかければ昼間でも照明が点灯、そのまま周囲が暗くなっても「すでにライトを点けた」と思い違いしやすいからだ。

従来のオートライトは、もともとはカタログ上で「点消灯の操作のわずらわしさから解放されます」などの謳い文句でスタート・・・いわばドライバーの横着支援を主眼としていた。90年代に入って自動車の安全が叫ばれるようになるとこのオートライトも「安全装備」のひとつに位置づけられるようになったが(あくまでもカタログ上で)、同じクルマでも上級機種に限られるという矛盾があったし、そもそもいくら安全といったところでそれはスイッチを「AUTO」に合わせてあればの話で、機能も意味も知らないひとが「OFF」のままライトを点け忘れていれば安全もへったくれもなかった。

対してこちら義務化版新オートライトは機能もスイッチ構成も従来とはまったく異なる、完全な安全対策の一環となっている。
まずスイッチ起点がこれまで「OFF」だったのに対し、新オートライトでは「AUTO」ありきに変わった。だからエンジン始動が夜ならセンサーが「夜!」と判断してライトがドバッといきなり点くし、昼なら当然消えたままだ。スイッチは「AUTO」が定位置だから、手動でOFFにしても内部のばね仕掛けで、いやでも「AUTO」に里帰り。
その「OFF」とて「OFF」と「車幅灯」がいっしょくたにされ、ライト点灯の手前チョンまわしで車幅灯落ち、1秒ないし数秒手前保持でライトもスモールも全消灯するロジックになっている。ここでまた走り出せば再点灯・・・とにかく暗がりでは何が何でも点灯する方向になっているのだ。

義務化されたことでオートライトの機能を一新。スイッチ構成はこのように。写真は現行エクストレイル。

法規を整理すると下記のようになる。

周囲の照度すれ違い用前照灯応答時間
1000lx 未満点灯する2秒以下
1000lx 以上 7000lx 以下(自動車製作者の定めによる)(自動車製作者の定めによる)
7000lx消灯する5秒超 300秒 以下
自動車種別適用時期(新型車)適用時期(継続生産車)
専ら乗用の用に供する自動車であり、
乗車定員11名以上のもの、
および貨物の運送の用に供する自動車で
車両総重量3.5t 超のもの
2021年4月2023年10月
上記以外の自動車2020年4月2021年10月

ことほどさように、ただでさえ使いにくかったオートライトが義務化による機能一新で、点消灯が自己判断主義のひとにはなお使いにくくなったという格好だ。

ここで、ここ1~2年の現行車の代表的なオートライトのスイッチを見てみよう。

トヨタカローラクロス(2021年型)。
トヨタヴォクシー(2022年型)。
ホンダN-BOX旧型(2022年型)。
スズキワゴンRスマイル(2021年型)。
スズキアルト(2022年型)。
ダイハツアトレー(2021年型)。
三菱eKワゴン(2022年型)。
マツダCX-60(2022年型)。
ホンダステップワゴン(2022年型)。
日産エクストレイル(2022年型)。

なお、どこのメーカーも、システムが変わっても名称は「オートライト」または「オートライトシステム」と呼称。長きに渡って「コンライト」と読んでいたトヨタもさすがに「オートライト」に呼称を変えたが、機能が法制化版になっても一部商用車でいまなお「コンライト」を名乗っているのがおもしろい。

新オートライト機能で困るシーン5つ

2016年に、その4年後のオートライト義務化のニュースを見たとき、「OFF-AUTO-車幅灯-ライト」並びの使いにくさに辟易していた私は、まずは直感的に「ヤだな。」と思ったものだ。
このときには強制的に点灯させることで困る場面もきっと出てくるだろうと予感したが、果たしてそのとおりになった。こりゃあ次のクルマを買うのは、新オートライト義務化前にしなきゃとまで思ったほどで、いま使っている旧ジムニーシエラを選んだ理由のひとつにオートライトがないことがある。

旧型ジムニーシエラ(2018年型)。結局はこれがいちばん使いやすいや。

私が最新型車をメーカーから拝借し、新オートライトのクルマで予想どおりに困ったシーンを挙げていこう。
各項を読んで「おれも」「わたしも」「そうそう!」というひとは少なくないと思う。

1.始動時からのいきなり点灯

夜のエンジン始動直後にすぐ出発しない場合(ひと待ちやナビ操作など)、いちいちライトを消さなければならないのが面倒だ。

センサーが敏感なクルマだと、夜といわず、ポート下など、ちょい暗めになっただけでライトが点く場合もある。

2.駐車場での点灯しっぱなし問題

これは無頓着なヤツが目の前にいればこちらが困るパターン。前項1とも付随する。
夜のスーパー、コンビニエンスストア、高速道路サービスエリアなどの駐車場で、向かいのスペースにエンジンをかけっぱなしでひと待ちor車内休憩をするクルマがある場合だ。
ドライバーが新オートライトの働きを理解していないひとなら、停車の都度ライトを消す配慮をするとは思えず、こちらもまわりもまぶしい思いをしなくてはならない。ましてやその場所が住宅街で、照らす先が住宅のお茶の間・・・は古いか、リビングの窓だったら、その家のひとは引っ越しでもしない限りカーテン越しの光から逃れることはできない。まあ、このようなケースは日本中探してもコンマ何%だろうが、それは外野から見ればの話で、1軒でもそんな家があれば、当のその家の住人にとっては毎日のことであり、100%の迷惑だ。

とあるスーパー駐車場で。車内に誰もいないシエンタ。こともあろうにドライバーはエンジンもライトもONのまま買いものしていたようだ。
こちらは都内コンビニエンスの駐車場。壁に向けているにせよ、ライトビカビカのまま長時間停車する日産ノート。
こちらは高速道SA駐車場のレクサスLBX。店舗とクルマを往復する歩行者にはさぞ迷惑だろう。さきのノートといいこのレクサスといい、ドライバーはライトを点けっぱなしで車内でスマートホンをいじくっていた。夢中になっていて周囲に迷惑を与えていることに気づいていないのである。

3.合図がしにくい

これはドライバー本人がもどかしく思うケース。
お隣り車線のクルマがこちら=自分の前に車線変更で入りたがっている様子を察したとき、パッシングなりスモール落としなりでスペースを譲るときがある。俗にクルマのヘッドライトのことを「目玉」というときがあるが、このようなときはまさに「目は口ほどにものをいい」だ。道を譲るさい、私はパッシング、スモール落とし、両方行なうことがあるが、相手にはスモール落としのほうが譲ったことが伝わりやすいようで、合図をするとスムースに自車の前にすべり込む。なのに、パッシングはともかく、新オートライト義務化でスモール落としによる「どうぞ」の合図はできなくなった。

次のふたつはドライバーにとって危険極まりないというほど困るケース。2016年のニュースを見たとき、即座にこのふたつを危惧した。

4.霧の中での視界悪化。

視界「低下」じゃなく、堂々と「悪化」といっておこう。
平地でも天候によっては霧になることがあるし、平地で雨が降っている場合、その近辺にある山道はたいてい霧だ。
夜の霧のシーン走行ではヘッドライトの光が霧の粒つぶに乱反射し、ドライバーからはまるで自分がカルピスの中にいるかのように眼前が真っ白になって視界が遮られる。このようなときはむしろライトをスモールに落とし、装着車ならバンパー下部からのフォグランプ光で走る方が前方がいくらかでも見えていいのだが、走行中の強制点灯となるとそれもできなくなった道理だ。

本当は写真があれば一目瞭然なのだが、あいにく都合のよい写真の持ち合わせがない。うまく撮れたらいつかの「ラウンジ」でお目にかけたい。

5.トラックの後ろで消せない

いったい、何の必然性があってこんなものをつけやがるのか。装飾であるにしてもちょっと度が過ぎやしないか。
何のことかというと、大型トラックの後ろにあるギンギンギラギラの金属めっきパネル。こんなもの、自動車メーカーやトラックメーカーの工場段階で出たとは思えず、おそらくは架装メーカーの仕業か運送業者が納車後に加飾しているのだろう。
夜間走行時、このようなトラックの後ろについてしまったが最後、パネルに映った自車のライト光のまぶしさに惑わされながら走ることになる。ただでさえ許しがたいのに、中には後輪後ろのマッドガードにあたるパネル(あれ、何ていうんだ?)までギンギラにしているやつがいて、これがユラユラ動くものだから反射光が疑似的にハイビームになったりロービームになったり・・・そのようなときに限って前後左右にクルマがひしめいていて、車線変更で逃げることもできない。

背後をギンギラパネルで飾る大型トラック。自車ライト光が反射してただでさえまぶしいのに、揺れるマッドガード(?)までギンギラにしているものだから・・・
こちらのライト光もゆらゆらして目を直撃する。早急な規制をかけるべきだと思う。

何でもかんでも法制化すりゃあいいってもんじゃないと思っている私でさえ、さすがにトラック業界に規制を施すべきだと思う。このへん、どこのメディアも語らないし、誰も声を挙げないので、もしこれを誰かが読んで法制化されるとしてもだいぶ先のことだろう。
というわけで、私はもっか自己防衛として、周囲の明るさが許す場ではスモールで走ることにしている・・・のだが、これも新しいクルマではできなくなった。ただ、これは新オートライトに直接責任があるわけではなく、まずはトラック業界に改善を求めるべき問題だ。

これは別の場所で。このようなとき、周囲が明るめであれば・・・
スモールに落として対処できるのだが、義務化版オートライトでは不可能だ。それにしても、これほどのギンギラパネル、トラックに要りますか? せめてシルバー塗装にしてくださいよ。

これらが、私が感じた新オートライトの使いにくい5つのシーンだ。これを読んでいるひとの中には、また別の6つめ、7つめの感想を持っているかひとがいるかも知れない。

現行オートライトに対する要望

それにしてもこの新しいオートライト、もうちょい使いやすい、ドライバーの任意性のあるものにはならないのだろうか。

自動車メーカーは、国土交通省に対していい子ちゃんを演じたいのか、勘違いしているだけなのか、いまのオートライトは法規に対して忠実すぎるあまり、夜のエンジン始動時からいきなり点灯させるようにしている。しかし保安基準の「前照灯」の項を見ると、このたびの新オートライトのねらいは「走行中に前照灯を消すことができない」ことであり、始動直後から点灯することを求めてはいない。

ならばもうちょい柔軟性のある働きを持たせてもいいのではないか。

ぜひとも関連当局、および自動車メーカーに検討してもらいたい改良のためのアイデアがある。

例えばエンジンを始動するやいきなり光をぶっ放すのではなく、点灯は車幅灯にとどめておく。車速が0km/h超ないし2~3km/h or 10km/hあたりの到達で初めて点灯でいいではないか。夜の住宅街で歩行者をやり過ごすとき、彼、彼女らを前後から照らして動揺させたくないのもある。
いやいや、やはりゼロ発進から点けるべきだというなら、せめてシフトをDなり1速なりに入れた時点で点灯させても遅くはあるまい。
逆に、停車時の消し忘れの迷惑防止のため、停車して2分なり3分なり経過したら自動でスモールに落とす。動き出したら再点灯・・・いずれもシステムのプログラミングを変えるだけですむだろうからタダ同然でできるでしょ? 

この手があったかと思ったのが最新SUBARU車で、「OFF-AUTO-AUTO/車幅灯-ライト」。ホンダとはまた違う頭のよさで、「AUTO」を2か所に振り分ける発想はなかった! 残念ながら、最新SUBARUだけはまだ触れていないので(だから上にSUBARU車の写真がないのだ。ゴメン。)、資料からの受け売りでしかないが、「AUTO/車幅灯」にしておけば夜の始動時も点灯は車幅灯にとどまるようだ。ただし「AUTO/車幅灯」で停車してもスモールにならないらしい。

問題は、私のこのアイデアではさきに掲げた「困るシーン」のうちの1と2は解決できても、3~5に対してはまったく歯が立たないことだ。3の合図はパッシングで行なうとして、特に4~5はいかんせん走行中のことなので手の打ちようがない。

どこかの人気球団の「空白の1日」よろしく、法のスキを突く余地があるのは、4の霧中走行。
事実上、車幅灯での走行はできなくなったわけだが、法規ではフォグランプ単体の点灯を許しておらず、フォグランプ点灯時は車幅灯の同時点灯も義務づけている。逆にいうとフォグランプがついてさえいれば車幅灯で走ってもかまわないということだ。ならばフォグライトがついているクルマに限り、フォグライト点灯中はスモールで走ってもいいことにしてほしい。懸念は霧が晴れてもフォグライトのまま走る輩が出てくることだ。いまだって霧も出ていないのにヘッド+フォグ点灯で走るやつがいるのが実情だ。

もうひとつ、新オートライト車に触れて光明を見出したのは、ライトのレベライザーを応用できないかということだ。
いまは光軸のレベライザーも装着が義務付けられている。後席乗員 or 荷の満載などで上向き気味になったロービームを手動ないし自動で下向きにするやつで、いわばロービームをさらにロービームにする仕掛けだ。
こいつの照射範囲をより下方に拡大し、眼前に迫るのが深い霧であろうとギンギラトラックであろうと下向きMAXにして視界確保なんていうロジックを入れたらどうか・・・と思ったのだが、そこまでするほどのものかと自分でも思う。

無灯火が問題になれば強制点灯を法制化。そうするとまた別の問題点が浮上する・・・どんなデバイスをもってしても、使うひとが機能を理解しなかったり、周囲への影響について無頓着だと結局は迷惑行為は消えないことがわかる。
同時に、警察庁や国土交通省の役人は、とにかく点灯しさえすればよしとばかり、安易に考え出した規制であることも想像つく。いや、あれやこれやと考えはしたのかも知れないが、上記に掲げた例のように(特に霧とギンギラトラック)、強制点灯が裏目に出るシーンだってあることを見落とすなんて、やはりふだん自動車に乗らないひとが机上の空論で作り上げた決まりなのだろう。

とはいえ・・・↓

都内環状2号線を無灯火で豪快に走ってのける3代めプリウス。

こんなやつをしょっちゅう見かけりゃあ、そりゃあ法制化したくもなるわな。

とにかく、新オートライト義務化から約3年が経過した。
ライトを点けないで走る愚か者ドライバーのせいで新オートライトが法制化され、ごくまっとうに走りたいドライバーが巻き添えで迷惑を被っている。
まだまだオートライトなし車や従来のオートライトのクルマが多いが、新オートライトのクルマに乗り換えて、使いにくさに困惑しているひとも多いと思う。
警察庁や国交省など関係省庁、および自動車メーカーには新オートライト第2ステージとして、上記に掲げた不便を解消するような工夫を考えてほしい。

それと、お役人さんや、牛かパンダみたいなカラーリングのクラウンに乗る制服のおじさんたち、自動車にここまで求めたのなら、自転車の無灯火も何とかしてくれよ。

・・・・・・。

今回は法規にまで踏み込んだお堅いテーマでお送りしました。疲れた方はこちらを見て目を癒してくだされ

ではまた次回。

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著者プロフィール

山口 尚志 近影

山口 尚志