キアが描く、未来派バン計画
同ブランドは、「PBV」(Platform Beyond Vehicles)と呼ばれる、乗用バンと小型商用バンの両方の分野で視野を広げる準備しており、小型の「PV1」から大型の「PV7」電気バンまで拡大を計画している。その第一弾となる「PV5」は、未来的な外観と実用的な機能を融合し、実用性を向上させている。
2024 年の「Consumer Electronics Show」で、同社は PV1、PV5、PV7 という3つのコンセプトで電気バン戦略をプレビューした。最初に生産されるのは中型のPV5で、2025年に韓国で生産が開始される。その後、狭い市街地でも走行できるように開発されている小型のPV1と、商用車向けの大型PV7が続く。3つのモデルはすべて、統一されたデザイン言語が特徴となっている。
ヨーロッパで捉えた開発プロトタイプからわかるように、PV5は量産準備が整っているようだ。幾何学的な形状、シャープな折り目、フラットな表面が見てとれ、今年のCESイベントで発表したコンセプトのデザイン言語の多くを維持するだろう。主なハイライトは、ツートンカラーのフロントエンドにカスケードするLEDデイタイムランニングライトで、メインの照明ユニットは、長方形のフロントグリルグラフィック内のさらに下に配置されている。
また、角張ったフェンダーと高いガラスハウスが未来的な雰囲気を醸し出し、リアセクションには、水平に細長いLEDテールライトと、オフセットマウントのナンバープレートが付いた納屋風のドアも確認できる。
PV5のバージョンは、汎用性とユーザー重視のデザインを強調しており、乗用と商用モデルの高さは74.8インチ(1,900 mm)だ。これに対して、ハイルーフ バージョンは86.61インチ(2,200 mm)まで伸び、追加の荷物スペースを提供する。また、柔軟な「e-CCPM」(電動コンプリート・シャーシ・プラットフォーム・モジュール)アーキテクチャにより、固定コックピットの後ろでキャンピングカー、タクシー、キャブ シャーシ構成を交換できるのだ。
乗客用バージョンは、高度な接続性とAIを組み込んだインフォテインメント機能を備えた可動式シートを提供、配達用バンは、低くてアクセスしやすく、積み込みやすい機能で貨物スペースを最大限に活用する。さらに、ステアリングとブレーキに「バイワイヤ」テクノロジーを組み込んで、特に自動運転機能を備えたロボタクシーモデルで高度な運転支援テクノロジーを実現する。
具体的なパワートレインの詳細はまだ明らかにされていないが、PV5の完全電動セットアップは、最新のバッテリーテクノロジーを活用して、競争力のある航続距離と効率的なパフォーマンスを保証。デュアルモーターバージョンを含む同社の他の電動モデルとコンポーネントを共有する可能性があり、パワー、効率、および急速DC充電機能の組み合わせを提供してくれるはずだ。
PV5市販型は2025年にデビュー予定で、市場ではフォード「E-トランジット」、メルセデス・ベンツ「eVito」、そして近日発売予定のフォルクスワーゲン「ID.Buzz Cargo」など、増え続けるライバルたちとの厳しい競争に直面することになるだろう。
いよいよ、最大15万台の電気バンを生産するという、キアの野心的な計画がスタートする。