2024年のダカール・ラリーを制したアウディは、この世界で最も過酷なモータースポーツにインスパイアされた特別仕様車「Q8 e-tronエディション ダカール」を同年に発表したが、新たなハードコア電動オフロードモデルも開発しているようだ。
このたびスクープされたプロトタイプは、近日発売予定の「Q6 e-tron Sportback」をベースにしているとみられるが、大幅にリフトアップされるとともにトレッドも拡大されている。全体としてQ8 e-tronベースのものより大幅にワイルド感が増しており、まるで実車版チョロQのようだ。
詳細を検証すると、非常に高く設定された最低地上高は、シャーシセットアップは完全に改良されていることを示唆している。足周りには、メルセデス「Gクラス 4×4 Squared」同様の分厚いオフロードタイヤ「トーヨータイヤ オープンカントリーM/T」が装着されている。
また、ラリーにインスパイアされた幅広のフェンダーエクステンションが、新設計のフロントバンパーとリヤバンパー、前面の目立つLEDデイタイムランニングライトと組み合わされ、ルーフラックはオフロードのルックスをさらに引き立てている。
そのほか、設定可能なLEDグラフィックスや、一体型スポイラーを備えた傾斜したルーフラインなど、近日発売予定の「Q6 e-tronスポーツバック」から引き継がれている様子が伺える。
はたしてこのプロトタイプの目的は何なのだろうか。
自動車メーカーは通常、公道でコンセプトモデルのテストを行わないため、ふたつのシナリオが考えられる。
ひとつは、2025年のダカールラリーに向けてQ6ラリーカーを準備している可能性。もうひとつは、純粋に量産車として準備しているというものだ。アウディがQ8 e-tronエディション ダカールを披露したとき、より本格的な量産オフロード車が示唆されていたが、このプロトタイプがその量産オフロード車であり、現在開発が進められていると推測できる。
パワートレインは、フォルクスワーゲングループの800ボルトPPEプラットフォーム、100kWhバッテリー、デュアルモーター全輪駆動を使用すると予想され、最高出力は483ps、ブーストモードで最大510psを発揮すると予想される。