物流業界を変革するいすゞの次世代小型トラックも『トミカ』に登場!

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ? / トミカ × リアルカー オールカタログ / No.34 いすゞ エルフ

No.34 いすゞ エルフ (サスペンション可動、パネル開閉/希望小売価格550円・税込)
No.34 いすゞ エルフ リヤビュー

いすゞのエルフは、1959年に初代モデルが登場して以来、60年以上にわたり日本を代表する小型トラックとして広く支持されてきました。初代エルフは、軽量で取り回しがしやすく、特に都市部での配送業務に最適なトラックとして市場に浸透しました。その後、時代のニーズに応じてエンジン性能や燃費、安全性、快適性が向上し、特にディーゼルエンジン技術においては、いすゞが得意とする分野として各世代での改良が続けられてきました。

7代目 いすゞ エルフ 実車フロントビュー(標準キャビン、ドライバン系架装)

今回、『トミカ』に加わった『No.34 いすゞ エルフ』は、そのエルフの最新モデル、2023年にデビューした最新の7代目にあたるモデルを再現しています。

この7代目モデルは地球温暖化対策、ドライバーの労働環境改善、交通事故死傷者ゼロ社会の実現という物流業界の課題に対応しつつ、顧客の利便性を損なわない次世代トラックを提供するという目標を掲げて開発されました。また、「選べる自由、それが『運ぶ』の未来」というビジョンを掲げ、多岐にわたる改良を加え、物流の未来を切り拓くとしています。この7代目エルフは、トラック業界を取り巻く高度で複雑な課題に対応するため、具体的にはデザイン、ホスピタリティ、エコノミー、セーフティ、コネクテッド、ラインナップの6つの要素で大きな進化を遂げています。

ドライバーが快適に働けるよう、キャブの広さや操作性が向上されている。

デザインは“PLEASURE to CARRY”をコンセプトに内外装を一新。外装デザインは“運ぶ”ことを楽しめる先進的かつタフな外観に刷新され、内装では親しみやすさと機能性を両立させたデザインが採用されています。ドライバーが快適に働けるよう、キャブの広さや操作性が向上され、乗降時の利便性や長時間運転でも疲れにくい工夫が施されています。たとえばドア開口部の拡大と上下2方向からアクセス可能なセミグリップ式ドアハンドルの採用により、乗降性・操作性が向上しているほか、誰でも運転しやすい運転席を目指し、ステアリングの小径化やシートの材質・表皮縫製・スライドピッチの変更、ペダル位置の最適化などドライバーが運転時に触れるすべての機能を徹底的に見直し、最適なドライビングポジションが追求されています。また、高速走行や寒い季節での運行など様々な使われ方においても快適に運転できるよう、アームレストやシートヒーターが採用され、ドライバーの労働環境改善に貢献しています。

メーターパネルには7インチのメーターディスプレイが採用されている。

さらにメーターパネルには7インチのメーターディスプレイを採用、安全支援機能の作動状況や車両コンディションを表示することで、運転時の視線移動や操作を最小限に留めています。その他、ステアリングスイッチの採用やスイッチレイアウトの見直しにより操作性を向上させています。

AT限定運転免許にも対応の9速AMT 『ISIM(アイシム)』

燃費性能にも大きな改良が加えられており、『ISIM(アイシム)』と呼ぶ、AT免許で運転可能なAMT(自動変速式マニュアルトランスミッション)として、いすゞ独自の9速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)によって省燃費運転が容易に行なえ、トラック業界の常識を覆す運転フィーリングを実現しています。この『ISIM』は9速に多段化させたことでエンジン回転数の上昇を抑え、低騒音化による運転疲労軽減を実現、誰でも省燃費運転がしやすくなっています。また、デュアルクラッチ構造による素早いシフトチェンジで変速時のトルク抜けやシフトショックを低減し、トラックのイメージを塗り替えるドライブフィーリングを実現させています。

いすゞとして初となる量産バッテリーEVの『ELF EV』

また、いすゞとして初となる量産バッテリーEVの『ELF EV』がラインアップに加わったことも大きなトピックで、商用BEVの社会実装に貢献するものとしています。このEVモデルは、従来のディーゼルトラックと同様の架装対応が可能となっており、ユーザーは従来の利便性を損なうことなく持続可能な物流を支えることができます。

多種多様な安全装備によりドライバーの負担を軽減しつつ、高度な運転支援機能で安全運行をサポート。

安全性に関しても、先進の安全支援システムが多数搭載されており、交通事故死傷者ゼロ社会の実現に向けた一歩を踏み出しています。例えば、プリクラッシュブレーキや全車速車間クルーズ、レーンキープアシストなど、ドライバーの負担を軽減しつつ、高度な運転支援機能で安全運行をサポートします。さらに、いすゞが提供するコネクテッド技術『MIMAMORI』により、車両運行情報を遠隔で管理し、燃費やドライバーの操作状況を解析することで、効率的な物流運営を可能としています。さらに、架装物のモニタリングシステムも備えており、車両だけでなく荷物の稼働状況までリアルタイムで把握できる機能も提供されています。

さらに燃費性能と環境性能が磨かれた4JZ1-TCS型ディーゼルエンジン。

7代目エルフは、物流の未来を見据えた柔軟な動力選択と高度な技術を結集した、まさに次世代のトラックであり、いすゞはこのトラックを通じて、地球環境の保護とビジネスの発展を両立させる新たなソリューションを提案しています。

『トミカ』の『No.34 いすゞ エルフ』は、この物流の未来を見据えた次世代トラックの魅力を的確に表現しています。『トミカ』でモデル化されたのはディーゼルエンジン車、標準キャビンのドライバン系か温度管理系バン架装だと思われますが定かではありません。ちなみに7代目エルフでは、既述のように電気自動車版の『エルフEV』がラインアップされているのがポイントの一つですが、この電気自動車版はキャビン前方左側のグリル上部に、青地に白文字の“EV”のエンブレムが付きます。今回の『トミカ』ではこのエンブレムが見当たりませんので、通常のディーゼル車がモデル化されたものと推定できますが、このサイズではエンブレムの再現自体が難しい大きさのため、どちらとも確定は難しいところです。いずれにせよ『No.34 いすゞ エルフ』は、自車の箱絵が描かれた架装部分の、観音開きの後部パネルドアを開閉することが可能な、動きのある楽しい1台となっています。

7代目エルフは物流の未来を見据えた次世代トラックだ。(画像はELF EV)

■いすゞ エルフ 2トン ドライバン(日本フルハーフ製) 主要諸元

(『トミカ』のモデル車両と同一ではありません。また、トラックは架装によりサイズなどが変わりますので数値は参考値となります)

全長×全幅×全高(mm):5150×1890×2820

ホイールベース(mm):2490

エンジン形式: 直列4気筒DOHC 16バルブ ターボディーゼルエンジン(4JZ1-TCS)

排気量(cc):2999

最高出力:110kW(150ps)/2800rpm

最大トルク:375Nm(38.2kgm)/1280-2900rpm

トランスミッション:9AT(ISIM)

サスペンション(前/後) :ダブルウィッシュボーン/リーフリジッド

ブレーキ(前後) :ディスク/ドラム

タイヤ:(前/後) : 195/75R16

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.30 三菱 トライトン (サスペンション可動/希望小売価格550円・税込)

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2024年10月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.34 トヨタ アクア』に代わって『No.34 いすゞ エルフ』が登場します。また、それまでの『No.30 ダイハツ ハイゼット』に代わって『No.30 三菱トライトン』が登場します。『No.30 三菱トライトン』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。

No.30 三菱 トライトン(初回特別仕様) (サスペンション可動/希望小売価格550円・税込)*初回のみの特別仕様(特別色)です。

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