250台以上!? お台場で開催されたアメ車の祭典『スーパーアメリカンフェスティバル』の参加車両をチェック!今年はどんなレア車が?

今回で31回目を数えるアメリカ車の祭典『Super American Festival at お台場』がダイバーシティ前にあるお台場ウルトラパークで開催された。このイベントにはアメリカ車を中心に、さまざまな年代・車種・仕様のアメリカ車が集まった。カーショーだけでなく、ライブステージ、スワップミートと楽しみ方はさまざま。今回はイベントリポートとともに、エントリーマシンの中から注目したいアメリカ車をピックアップして紹介する。
REPORT&PHOTO:山崎 龍(YAMAZAKI Ryu)

アメ車ファンの秋祭り『Super American Festival』

ダイバーシティ前にある「お台場ウルトラパーク」を会場に、2024年10月20日に『Super American Festival 2024 at お台場』(以下、アメフェス)が開催された。今回で31回目を数えるアメフェスは、アメリカ車、カスタムカー、国産旧車、排気量5000ccを超えるモンスターバイクのお祭りとして、アメ車好きの間ですっかり秋の風物詩となっている。 

『Super American Festival 2023』at お台場

世界には日本車、ドイツ車、イタリア車、フランス車、イギリス車、スウェーデン車とさまざまな国のクルマがあり、それぞれに個性と特色があり、各々のクルマに熱狂的なファンが存在する。だが、最も熱狂的でディープなファンを擁しているのはアメリカ車かもしれない。

季節は秋でもアメ車ファンの情熱は真夏の太陽のようにギラギラ熱い!

2023年に日本国内で新車販売台数は400万台以上。そのうち輸入車メーカーの占める割合はわずか7.6%に過ぎず、全輸入車のうち日本で正規販売されるアメリカ車の占める割合は、ステランティス傘下のジープとキャデラック+シボレーのGMを合わせてもたったの4%未満しかないのだ。すなわち、新車販売に占める割合は0.03%。新車ベースで考えると道行く乗用車の3333台に1台しかアメ車は存在しないことになる。

1959~62年にかけて生産されたシボレー ・コルベットC1の最終生産型。1958年型でデュアルヘッドランプを備えたフロントマスクにフェイスリフトされた。

日本でアメリカ車が売れない理由は、日本のユーザーの品質面における偏見、過度な燃費志向、経済の長期低迷、異常に高過ぎる自動車税や重量税、大排気量車に不利となるガソリン価格の高さ、大陸基準のゆとりのある車体サイズとさまざまだ。

シボレー ・コルベットC1のリヤビュー。1959年型からボンネットルーバーとツイントランクスピアが廃止された。

しかし、アメリカ車のオーナーは、そんな逆境にも負けることなく、高い維持費に顔で笑って心で泣きながら(あるいはそうした些事には気にしない広い心と厚い財布を持っているのか)、アメリカ車を愛し続けているのだ。その愛情の深さたるや他国車のオーナーが束になっても敵わないほどだろう。

インパネを中心に運転席と助手席側で左右対象の衣装となるシボレー ・コルベットC1のインテリア。

エントリー車を見るだけでなくスワップミートやライブステージも楽しみ

そんなアメリカ車のオーナーが自慢の愛車で「お台場ウルトラパーク」に大集結。会場に並んだマシンは250台以上。一部に国産旧車や欧州車のエントリーもあったが、その主役はMade in USAのV8の心臓を持つビッグマシンたちだ。STREET ROD(ストリートロッド)、マッスルカー、ピックアップトラック、SUV、STRRET VAN(ストリートバン)、LOWRIDER(ローライダー)とジャンルを超えて様々な年代・車種・仕様のアメリカ車が勢揃いした。

1966年型オールズモビル・スターファイア。社名から「98」の文字が外れ、独立したモデルにスターファイアがなってからの第1世代で、豪華なフルサイズ・ラグジュアリークーペ&コンバーティブルとしてリリースされた。
1966年型オールズモビル・スターファイアのリヤビュー。この年式からコンバーチブルが廃止され、2ドアクーペのみの設定となった。
1966年型オールズモビル・スターファイアのサイドビュー。伸びやかで美しいスタイリングだ。オールズモビル製394cu-in(6.5L)「スカイロケット」と425cu-in(7L)V8「スーパーロケット」エンジンが搭載された。
1966年型オールズモビル・スターファイアのインテリア。本革のバケットシート、タコメーター付きセンターコンソール、ハイドラマティックトランスミッション用のフロアシフターなどを標準装備するなどスポーティさを前面に押し出した意匠となる。

その中には他のイベントではなかなかお目にかかないレアなクルマも多く、アメ車に興味がある人なら会場を見て回るだけでも十分楽しめる。また、お楽しみはカーミンティングだけでなく、アメリカンポップスが楽しめるステージイベントに、おもちゃ箱をひっくり返したようなグッズが並ぶスワップミート、キッチンカーによるグルメと、アメ車ファンが家族と一緒に楽しめる内容になっている。 

1987~1992年にかけて生産されたキャデラックのフルサイズ高級セダン・ブロアム。コンディションは素晴らしく、新車の雰囲気を今に残す。
キャデラック・ブロアムのリアビュー。スクウェアなスタイリングにバイナルトップ、テールフィンから変化した縦長のコンビランプが特徴となる。

アメフェスの魅力はそれだけに止まらない。充実したライブステージは、舘ひろしや横山剣も在籍していた伝説のR&Rバンド『COOLS』の主要メンバーだったMr.フランク(濱野和男)率いる最高のR&B・SOULバンドの『ワンダラーズ』や、ヨーロッパツアーでも大好評最高のドゥワップグループ『オシャレルズ』、山下達郎も絶賛する『原めぐみ』などが熱演。このライブを目的に来場するほどのファンもいるほどだという。

東京都江戸川区の『ガレージダイバン』が会場に持ち込んだ1968年型シボレー・スポーツバン。キャブオーバーの「シェビーバン」は国内ではなかなかお目にかかれない。この車両は同店の売り物で車両本体価格は298万円(支払い総額333万円)とのこと。
このシボレー・スポーツバンはパネルバン仕様で、インテリアは商用車然としたもの。全幅は1870mmとやや幅広だが、全長は4310mmと短く、バイクのトランポなどにも使いやすそうだ。5L V8エンジンを積むので重い荷物を積んでも動力性能に不足を感じないだろう。

今年もやりました!『アメ車ワールド』編集長と
アメ車大好き! ドラゴン山崎が展示車両をチェック!

そんな今年のアメフェスに前回に引き続きアメ車専門総合情報サイト『アメ車ワールド』の田中享編集長と回った。YOUTUBE動画にて会場に並んだエントリー車両を簡単に紹介しているので、よろしければそちらも併せてご覧になっていただきたい。

1959年型ダッジ・コロネット・ランサー2ドアハードトップ。コロネットはダッジが7世代にわたって製造したフルサイズ車で、写真のクーペのほか、4ドアセダン、2ドアコンバーチブルなどが用意された。巨大なテールフィンが4代目コロネットの特徴となる。
LOWRIDERの永遠のアイドル1965年型シボレー・インパラ。今回のイベントにも多くのLOWRIDERがエントリーしていた。
内外装を美しくカスタムされていた1964年型シボレー ・インパラ2ドアコンバーチブル。エンジルームまで美しいクロームメッキがかけられ、キャブレターやラジエターなどの各パーツには見事な彫金加工が施されていた。
1974年型シボレー・カプリスのLOWRIDER。1960年代のインパラと並んで1970年代のカプリスもLOWRIDERのベース車として人気がある。
美しいコンディションの1979年型クライスラー ・ニューヨーカー。コンシールド・ヘッドランプがこの時代のクライスラー製高級車のアイデンティティだ。
1985~1990年代まで生産されていた6代目ビュイック・エレクトラ・パークアベニュー。駆動方式をFWDへとあらため、先代に比べてボディサイズを大幅にシュリンクした。心臓部は3.8L V型6気筒OHVを横置きに搭載する。ダチョウ倶楽部リーダーの肥後克広氏が同型車を愛車にしていたが、TV番組の企画で爆破されている。
2005年型リンカーン・タウンカー。リアドアを観音開きに改造し、大経ディッシュホイール&低扁平タイヤを組み合わせた「サウススタイル」あるいは「DONK」と呼ばれるカスタムスタイルだ。
1984~1996年型シボレー ・コルベットC4。フェラーリのファンであったチャック・ジョーダンが担当したスタイリングが今見ても古さを感じない。
7代目ダッジ・チャージャーのパーシュート仕様で、いわゆるパトカー仕様だ。2015年にフェイスリフトを受けた後期型であるが、アメリカ本国ではまだ警察からの払い下げは多くないと思われるので、あるいは市販車を改造したものかもしれない。
シェルビー ・コブラ427のリプロダクションモデル。2019年公開の『フォードvsフェラーリ』の影響もあるのか、会場でも注目を集めていた。
『ウルトラセブン』のTDF PO-Iポインター。劇用車と同じ1950年代後半のクライスラー・インペリアル4HTをベースに、1990年代に有志の手で復刻された車両。関東を中心にしたカーイベントではおなじみの車両だ。
1990年型シボレーC-1500 454SS。シボレーC/Kシリーズとしては4世代目にあたるモデルで、その中でも写真の車両は454cu-in(7.4L)V型8気筒OHVの心臓を持つスポーツトラック。
朝、入場を待つハマーH2軍団。すでにブランド廃止を受けてから久しいが、依然として愛好家からの人気が高いモデルだ。
4代目JL (手前)と3代目JK(奥)ジープ・ラングラー 。両者ともかなり手が入ったカスタムマシンで、細部に至るまで手が入っており、オーナーのこだわりを感じさせるマシンだ。
アメリカンV8の心臓を持つBOSS HOSSトライク。存在感といい迫力といい、まさしくモンスターマシンだ。
こちらはBOSS HOSSのバイク。ハーレーがマグナ50に見えるくらいのサイズ感だ。
ステージではライブイベントを開催。ハイレベルなサウンドにアメリカン・ポップス好きの来場者もご機嫌だった。
スワップミートはお宝と出会えるチャンスだ。Tシャツやジャケットなどのアパレル、ミニカーなどのおもちゃ、カーグッズなど様々なアイテムが販売されていた。

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著者プロフィール

山崎 龍 近影

山崎 龍

フリーライター。1973年東京生まれ。自動車雑誌編集者を経てフリーに。クルマやバイクが一応の専門だが、…