【異種コスパ比較】新しくなったトヨタ カローラとホンダ フィット、お買い得なのはどっち?

トヨタ カローラセダンとホンダフィットは、どちらもメーカーを代表する車種であり、価格を含めたトータルパフォーマンスに優れたクルマだ。カローラは2024年4月に改良が実施され、フィットも同年9月に改良を受けて商品力が向上している。このタイミングで改めて両車のスペックを比較してみよう。

使いやすさではフィットが圧勝!しかしカローラセダンも負けない

ボディサイズはカローラセダンのほうが明らかに大きいが、室内空間を比較すると後席膝周りの広さは同じくらいだ。さらにフィットのほうが頭上空間に余裕がある。全高が低く、独立したトランクルームが備わるセダンは、どうしても居住性でハッチバックに劣ってしまう。

その代わり、後席周りの静粛性やボディ剛性といった点ではカローラセダンのほうが一枚上手だ。カローラセダンのW×Bグレードならトランクスルー機能も備わるため長物も積みやすい。

ボディサイズは大きく違うが最小回転半径はどちらも5m前後だ。日常における総合的な使い勝手ではフィットに軍配が上がる。しかし、扱いやすさではカローラセダンも負けてはいない。

トヨタ カローラセダン ハイブリッド W×B
ボディサイズ:全長4495mm×全幅1745mm×全高1435mm
ホイールベース:2640mm
車両重量:1370kg
タイヤサイズ:215/45R17(前後)

ホンダ フィット e:HEV LUXE
ボディサイズ:全長3995mm×全幅1695mm×全高1540mm
ホイールベース:2530mm
車両重量:1200kg
タイヤサイズ:185/55R16(前後)

燃費性能は僅差でカローラセダンの勝利!動力性能はフィットのほうが上

ハイブリッドモデル同士の排気量はカローラのほうが大きいが、フィットはモーター主体で走行する「e:HEV」であるため、単純な排気量の大小で比較はできない。

フィットに備わるモーターの最大トルクは、カローラセダンの約4割増しとなる253Nmを発揮し、発進加速性能は車重の軽さも手伝ってフィットのほうが優れる。しかも、フィットはモーターの効率が悪化する高速領域では直接エンジンパワーを使って走行するため、高速道路における動力性能でもカローラセダンと大差はない。

WLTCモード平均燃費を比較してもカローラが30.2km/L(ハイブリッドX/FF)、フィットは29.0km/L(e:HEV HOME/FF)でほぼ同等だ。パワートレインの比較は互角、あるいはフィットがやや有利といったところか。

トヨタ カローラセダン ハイブリッド W×B
エンジン形式:直列4気筒ガソリンエンジン
排気量:1797cc
最高出力:98ps/5200rpm
最大トルク:142Nm/3600rpm
トランスミッション:電気式CVT
駆動方式:2WD(FF)

ホンダ フィット e:HEV LUXE
エンジン形式:直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量:1496cc
最高出力:106ps/6000-6400rpm
最大トルク:127Nm/4500-5000rpm
トランスミッション:単速
駆動方式:2WD(FF)

街乗り主体で使うなら断然フィット! 高速走行ではカローラセダンの魅力が光る

車両本体価格は、いずれのグレードを比較してもフィットのほうが20万〜30万円ほど安い。使い勝手のよいハッチバックであるうえ、室内空間が広く動力性能や燃費性能も同等となれば、お買い得なクルマは明らかにフィットのほうだ。

しかし、独立したトランクルームが備わるカローラセダンは後方からの衝突安全性が高い。また、低めの全高により横風の影響を受けにくい点からも、高速走行時の安心感ではカローラセダンのほうが上となる。

どちらもコストを含めたトータルパフォーマンスに優れたクルマであることは間違いないが、フィットが本領を発揮するのは街乗りであり、カローラセダンは高速道路に向く。用途に応じて選び分けるとよいだろう。

車両本体価格

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