SUVとコンパクトハイトワゴンのいいトコ取り「スズキ・クロスビー」【最新国産SUV 車種別解説 SUZUKI XBEE】

軽自動車「ハスラー」に通じるキュートなエクステリアの5ナンバー枠SUV「スズキ・クロスビー」。プラットフォームは小型車ハイトワゴン「ソリオ」。使い勝手はソリオ同様に後席のスライド機構や高い着座位置で視認性も良好だ。操縦性もヨーロッパ的でしっかりしつつ軽快。悪路用のコントロールシステムもハイレベルで、アウトドアの用途にも応えてくれる。
REPORT:安藤 眞(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:大須賀あみ

後席スライド機構で足元広々 力強い走りに操舵感覚も良好

クロスビーの〝クロス〞はクロスオーバーの〝クロス〞。多くのクロスオーバーSUVがハッチバックやクーペとのクロスオーバーであるのに対し、ハイトワゴンとクロスオーバーさせたのがクロスビーだ。

エクステリア

ハスラーを普通車サイズに拡大させたようなイメージで、ボディカラーの設定も豊富。ルーフカラーが異なるツートーンのほか、ボディサイドにアクセントカラーをあしらったスリートーンも用意されている。最小回転半径は4.7m。

ベースとなっているのは、同社のコンパクトハイトワゴン〝ソリオ〞。乗員の着座姿勢はソリオと同様の腰掛けスタイルで、見晴らしは良好だ。リヤシートに165㎜の左右独立スライド機構が付くのもソリオ譲り。最後端にセットすれば、身長181㎝の僕でも楽に足が組めるし、最前端にしても乗り降りの際に足が引っ掛からない。

インストルメントパネル

全長が3760㎜という小さなクルマなので、後席を最後端にすると荷物はたいして積めないが、2〜3名で使用するならキャンプにも行けそうだ。パワートレインは欧州車的。1.0ℓ直列3気筒のターボエンジンに、ステップ式(遊星歯車式)6速ATを組み合わせる。

居住性

最大トルクは150Nmと1.6ℓの自然吸気エンジン並みで、それが1700〜4000rpmの広い範囲で使えるから、数値以上に力強く走る。6速ATの変速感も小気味良い。操舵のしっかり感も欧州車風だ。駆動方式はFFと4WDを用意。4WDはビスカスカップリング方式だが、悪路用のトラクションコントロール制御〝グリップコントロール〞を使えば、思いのほか良く走る。

うれしい装備

ラゲッジルームの床下には取り外すこともできるアンダーボックスを装備。FF車で81ℓ、4WD車で37ℓの容量があり、外して丸洗いも可能。
インパネにはType-AとType-Cの充電用USB電源を装備。すぐ上にスマートフォンが収納できるポケットも装備され、簡単に充電できる。
月間販売台数     1189台 (23年9月~24年2月平均値)
現行型発表      17年12月( 一部仕様変更 23年11月)
WLTCモード燃費    18.2 ㎞/ℓ ※FF車

ラゲッジルーム

以前、河原で試乗した際、「ここは無理じゃない?」と思った急斜面を、多少、苦労したとはいえ登り切ってしまった。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.158「2024-2025 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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