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フィアット500はついに生産終了、残すは在庫販売のみ
イタリアの傑作小型車はモデル最末期でも人気は衰えない!
2007年に32年ぶりに復活した現行型フィアット500は、2008年3月の上陸以来、16年間に渡って約13万台を日本国内で販売した近年稀に見るイタリア車のベストセラーだ。そんなフィアット500も2024年5月に日本市場向けの生産を終了し、現在はノーマルルーフの500と、トップが開く500C、そしてオシャレなツートンカラーで塗装された限定75台の500C Collezione 1957が在庫販売されている。
画期的な2気筒エンジンとして注目を集めた「TWIN-AIR」はすでにランナップになく、いずれのモデルも1.2L直列4気筒マルチエアエンジンを搭載車となる。
フィアット500をベースに「サソリの毒」を注入したホットバージョンのアバルトF595&695についても同様で、こちらも残すは在庫限り。モデルやボディカラーによっては争奪戦が始まっているようだ。フィアットにしてもアバルトにしても、残された新車はあとわずか。これを逃すと新車を手に入れられるチャンスは永遠に失われる。新車購入を考えている人は早めに動いた方が良いだろう。
フツーに考えれば、最新のライバル車に比べれて機能・装備、安全性が見劣りし、おまけに価格が安くもない古い設計のフィアットやアバルトを新車で購入する意味はないのかもしれない。しかしながら、機能を超えた魅力……ヌオーバ・チンクエチェントと呼ばれる2代目フィアット500をモチーフにしたポップでキュートなスタイリング、オシャレで個性的なインテリア、独特の音と振動、イタリア車らしい取り回しがよく、キビキビした走り(デュアロジックの自動モードは少々かったるいが……)などは時間が経過しようとも決して古びることはない。そうしたところがモデル末期になった現在でも人気が衰えない秘訣なのだろう。
『足利モーターフェス2024』でエントリー台数ナンバーワン
フィアット&アバルト500シリーズ
そのことは2024年10月27日(日)に栃木県足利市で開催された『足利モーターフェス2024』の会場を見れば明らかだ。エントリー車両の中でもっとも台数が多かったのが、フィアット500とアバルト500シリーズだったのだ。このイベントの前身となる『足利ミーティング』の第1回目が足利市内にある「アバルトカフェ」こと『Cafe-lien』の駐車場で始まったこともあり、その頃から毎回エントリーしている参加者が多いことも理由のひとつに挙げられるのだろうが、登場から年月を経てもなお、このクルマが多くのユーザーから支持を集めている証明でもある。
ちょっと郊外に出れば走りを楽しめるスポットがいくらでもあるという栃木という土地柄を反映してのことなのか、会場に集まった車両はベースとなったフィアット500よりもアバルトの方が圧倒的に多かった。そのアバルトにしてもノーマル車はむしろ少なく、エアロパーツで武装していたり、サスペンションやホイールなどの足回り、マフラーなどの吸排気系などに手が入ったものも多く、なかにはエンジンチューンを施された車両もあった。
フィアットにしてもアバルトにしてもオーナーごとの個性が表れており、1台として同じクルマがないところもユニークなところだ。筆者も愛車のフィアット500PINK!で参加したのだが、残念ながら取材に追われてオーナーのみなさんと交流する時間がなかった。次回『足利モーターフェス』にエントリーするときは、栃木エリアのフィアット&アバルトオーナーのみなさんと、お互いの愛車についてあれこれと話をしてみたいと思った。