限定車やカスタムカーも参加!『足利モーターフェス2024』の最多エントリー車はフィアット500&アバルト500シリーズだった!?

2024年10月27日(日)に栃木県足柄市にある栗田美術館大駐車場で開催された『足利モーターフェス2024』。このイベントは生産国や年式を問わないオールジャンル参加可能なクルマ好きのお祭りだ。前身となるイベントはイタリア・フランス車を中心とした『足利ミーティング』であったことから、参加車両で目立つのがフィアット&アバルト500シリーズ。惜しまれつつ今年5月に日本向け車両の生産を終了したものの、相変わらず人気は衰えることを知らないようだ。
REPORT&PHOTO :山崎 龍(YAMAZAKI Ryu)

『足利モーターフェス2024』はイタリア車&フランス車からオールジャンルミーティングへ変身!マリオ高野や声優・夜道雪とゲスト陣も豪華!!

イタリア・フランス車を中心とした『足利ミーティング』がバイクを含めた生産国や年式を問わないクルマ好きが集うオールジャンル参加が可能なイベントにリニューアル! 2024年10月27日(日)に栃木県足利市駒場町にある栗田美術館大駐車場で開催された『足利モーターフェス2024』には、アバルト/フィアット500やアルファロメオ、BMWを中心に内外の様々な車が集まった。声優の夜道雪ちゃん、ジャーナリストにして太田市議会議員でもあるマリオ高野さん&元スバルデザイナーの手島彰さんのトークライブなどステージイベントも充実。今回はそんな『足利モーターフェス2024』をリポートする。 REPORT&PHOTO:山崎 龍(YAMAZAKI Ryu)

フィアット500はついに生産終了、残すは在庫販売のみ
イタリアの傑作小型車はモデル最末期でも人気は衰えない!

2007年に32年ぶりに復活した現行型フィアット500は、2008年3月の上陸以来、16年間に渡って約13万台を日本国内で販売した近年稀に見るイタリア車のベストセラーだ。そんなフィアット500も2024年5月に日本市場向けの生産を終了し、現在はノーマルルーフの500と、トップが開く500C、そしてオシャレなツートンカラーで塗装された限定75台の500C Collezione 1957が在庫販売されている。

フィアット500/500Cの国内販売が在庫限りで終了。国内累計で約13万台を記録

ステランティスジャパンはこのほど、ステランティスグループが掲げるグローバル戦略の柱である電動化の推進に伴い、フィアットのコンパクトカー「500(チンクエチェント)」および「500C(チンクエチェント シー)」の日本向け生産を5月で終了すると発表。これに伴い、フィアット正規ディーラーでの取り扱い在庫が無くなり次第、「500」の国内での販売は終了となる。

現行フィアット500に有終の美を飾る限定車「500Cコレッツィオーネ1957」が登場! 75台限定で税込340万円

ステランティスジャパンはこのほど、フィアットのコンパクトカー「500C 1.2 Dolcevita(チンクエチェント シー 1.2ドルチェヴィータ)」をベースに、限定車「500C Collezione 1957(チンクエチェント シー コレッツィオーネ ミレノベチェントチンクワンタセッテ)」を設定し、8月29日(木)より発売すると発表した。税込車両価格は340万円で、発売台数は75台限定だ。

画期的な2気筒エンジンとして注目を集めた「TWIN-AIR」はすでにランナップになく、いずれのモデルも1.2L直列4気筒マルチエアエンジンを搭載車となる。

フィアット500をベースに「サソリの毒」を注入したホットバージョンのアバルトF595&695についても同様で、こちらも残すは在庫限り。モデルやボディカラーによっては争奪戦が始まっているようだ。フィアットにしてもアバルトにしても、残された新車はあとわずか。これを逃すと新車を手に入れられるチャンスは永遠に失われる。新車購入を考えている人は早めに動いた方が良いだろう。

エアロパーツで完全武装したアバルト595コンペティツォーネ。
埼玉県宮代町にある「19 AUTO DESIGN」(一休オートデザイン)が手掛けた1台。

フツーに考えれば、最新のライバル車に比べれて機能・装備、安全性が見劣りし、おまけに価格が安くもない古い設計のフィアットやアバルトを新車で購入する意味はないのかもしれない。しかしながら、機能を超えた魅力……ヌオーバ・チンクエチェントと呼ばれる2代目フィアット500をモチーフにしたポップでキュートなスタイリング、オシャレで個性的なインテリア、独特の音と振動、イタリア車らしい取り回しがよく、キビキビした走り(デュアロジックの自動モードは少々かったるいが……)などは時間が経過しようとも決して古びることはない。そうしたところがモデル末期になった現在でも人気が衰えない秘訣なのだろう。

『足利モーターフェス2024』でエントリー台数ナンバーワン
フィアット&アバルト500シリーズ

『足利モーターフェス2024』の会場となった栗田美術館大駐車場。車両展示エリアの1/6ほどをフィアット&アバルト500シリーズが占めた。

そのことは2024年10月27日(日)に栃木県足利市で開催された『足利モーターフェス2024』の会場を見れば明らかだ。エントリー車両の中でもっとも台数が多かったのが、フィアット500とアバルト500シリーズだったのだ。このイベントの前身となる『足利ミーティング』の第1回目が足利市内にある「アバルトカフェ」こと『Cafe-lien』の駐車場で始まったこともあり、その頃から毎回エントリーしている参加者が多いことも理由のひとつに挙げられるのだろうが、登場から年月を経てもなお、このクルマが多くのユーザーから支持を集めている証明でもある。

「アバルトカフェ」の愛称で親しまれている『Cafe-lien』。前身イベントの『第1回足利ミーティング』はこの店の駐車場で開催された。『足利モーターフェス2024』の参加者の多くが足を運ぶカフェだとか。
住所:栃木県足利市芳町25 TEL:0284-82-8021 営業日」土/日。(写真:『足利モーターフェス2024』公式HPより)

ちょっと郊外に出れば走りを楽しめるスポットがいくらでもあるという栃木という土地柄を反映してのことなのか、会場に集まった車両はベースとなったフィアット500よりもアバルトの方が圧倒的に多かった。そのアバルトにしてもノーマル車はむしろ少なく、エアロパーツで武装していたり、サスペンションやホイールなどの足回り、マフラーなどの吸排気系などに手が入ったものも多く、なかにはエンジンチューンを施された車両もあった。

フィアット500ツインエアの後期型。各地で行われるミーティングの常連らしく、記念ステッカーがたくさん貼られていた。
リヤハッチにはヌォーバ・チンクェチェント(2代目)を彷彿とさせるクラシカルガーニッシュが装着されている。

フィアットにしてもアバルトにしてもオーナーごとの個性が表れており、1台として同じクルマがないところもユニークなところだ。筆者も愛車のフィアット500PINK!で参加したのだが、残念ながら取材に追われてオーナーのみなさんと交流する時間がなかった。次回『足利モーターフェス』にエントリーするときは、栃木エリアのフィアット&アバルトオーナーのみなさんと、お互いの愛車についてあれこれと話をしてみたいと思った。

長期レポートを連載している筆者のフィアット 500PINK!。
世界限定600台・日本限定50台のレア車だ。派手なボディカラーなので会場でもよく目立っていた。
鮮やかなボディカラーにイエローのアクセントカラーが映えるアバルト595ピスタ。日本に導入された146台のうちの1台。
イエローのボディに黒いレーシングストライプ、カーボンリップが印象的なアバルト595前期型。
『ポケモン』のゲンガーのハチマキステッカーが貼られたイエローボディのアバルト595後期型。
ABARTHの文字が踊るバンパーガーニッシュとボディサイドデカール、OZの大径ホイールがカッコ良くキマったアバルト595後期型。
シリーズの中でスポーティな味付けが施されたフィアット500S。ディアロジックの他にMTの設定もあった。
2014年に発売されたフィアット500Mentina(メンティーナ)。1.2ラウンジをベースに、かわいいミントグリーンのボディカラーで塗装された限定車。200台が国内販売された。
3代目フィアット・パンダをベースにしたコンパクトクロスオーバーのパンダクロス。かわいいルックスながら6速MT+4WDの硬派な仕様だ。
ヌォーバ・チンクェチェント(2代目500)の後継として1972年に登場したフィアット126。「バンビーノ」(イタリア語で男の子の意味)の愛称で親しまれた小型大衆車。
1957年~1975年にかけて生産されたヌォーバ・チンクェチェント(2代目500)。イタリアの庶民に愛された小型大衆車の傑作。この車両は1965年のマイチェンを機に登場したベーシックグレードの500Fのようだ。

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著者プロフィール

山崎 龍 近影

山崎 龍

フリーライター。1973年東京生まれ。自動車雑誌編集者を経てフリーに。クルマやバイクが一応の専門だが、…