イネオス オートモーティブは、大手化学メーカーのイネオスグループの子会社として2017年に設立された。グレナディアは、2016年にクラシック・ディフェンダーが生産終了となったとき、最も裕福な英国人であるジム・ラトクリフ氏が、オフロードの象徴であるこの車を復活させたものであり、そのテクノロジーはすべて自社で開発されている。
今回ベースとなっているのは、イネオス グレナディアシリーズ II Expeditionで、チューニングされた、ワイドボディ・ランドローバー ディフェンダーからインスピレーションを得たものだという。
他方、ボディキットを開発したのは、英国に拠点をおくカスタムビルダーのチェルシー・トラック・カンパニー(Chelsea Truck Company、以下CTC)で、クラシック・ディフェンダー用に作られた同様のワイドボディキットにヒントを得たという。
外装の改造は他のクリーム色のボディとは一線を画す3Dミリタリー・テクスチャ・マットブラック仕上げとされ、むき出しのカーボンファイバーコンポーネントが特徴だ。
また、ボルトで取り付けるフェンダーエクステンション、新設計のグリル、LED を内蔵した膨らんだボンネット、より大きな吸気口を備えた再設計されたフロントバンパーとリヤバンパー、ルーフスポイラー、照明付きの電動格納式サイドステップが装備されている。
足まわりでは、マットブラックの20インチRSフォージド・ディープ・コンケーブホイールに、37インチのオールテレン(全地形)タイヤを履いている。これらに30mm(1.2インチ)のサスペンションリフトが組み合わされて、地上高がオリジナルよりさらに増加している。
キャビン内は、フロントとリヤベンチの新しいスポーツシートも含めて、バーミリオンレッドのナッパレザーで覆われている。すべてを明るい色で覆ったマンソリーの手法とは異なり、CTCはダッシュボードとルーフライナーはそのまま残している。
パワートレインは、最高出力286ps、最大トルク450Nmを発揮するBMW製3.0L 直列6気筒ガソリンを搭載。
CTCによると、このプロトタイプはイネオスグレナディアの完全内製カスタムコンバージョンプログラムの開始を示しており、オーナーは同社のサービスから様々な恩恵を受けることができるという。