TWRとは、トム・ウォーキンショーの息子、ファーガス・ウォーキンショーが設立した独立系ブランドで、TWR初のパフォーマンスレストモッドとなるのがこの「TWR スーパーキャット」だ。
興味深いことに、TWRスーパーキャットの発売時期はジャガーのブランドの移行時期と一致しており、V12エンジン搭載のレストモッドは、ブランドの最新のイメージ転換によりさらに異質なものとなっている。
外観から見ると、スーパーキャットはXJSのレースバージョンのように見える。フェンダーフレアにより、幅が182 mm(7.2インチ)増加し、1975 mm(77.8インチ)に設計された。ただし、これは単純なボディキットではなく、Khyzyl Saleemによる完全に再設計されたカーボンファイバーボディワークで、吸気口が増え、アグレッシブなエアロが特徴となっている。
さらに、スーパーキャットは18インチと19インチのTWRフォージドモノブロックホイールを履いており、最新のLEDを備えている。
優れたレストモッドと同様に、TWRは車のパフォーマンスを向上させるために徹底的に取り組んだ。
スーパーキャットのパワーは、オリジナルの5.3L V型12気筒エンジンを大幅に改造したバージョンとなる。エンジンは5.6Lに拡大され、ドライサンプ式で7750回転まで回る。さらに重要なのは、このV12エンジンがスーパーチャージャー付きで、最高出力669psと最大トルク730Nmを発揮する点だ。
この出力は6速マニュアルギアボックスとLSDを介して後輪に伝達される。そして、強化シャーシ、特注の鋼管サブフレーム、調整可能なサスペンション、アップグレードされたカーボンセラミックブレーキには念入りにチューニングが施され、このスーパーカーのハイパワーに対応できるようにしている。
内装はオリジナルの2+2レイアウトから後席をラゲッジスペースとした 2シーターに変わり、「長距離ツーリング」にも適している。電動シートはシートバックをカーボンファイバー製としているほか、ダッシュボード、ドアトリム、ステアリングホイールはレザーで覆われている。
その他のアップグレードには、新しいデジタル計器クラスターと最新の接続機能があるほか、スイッチギアのほとんどは、空調ベントと特注のギアノブに合わせてアルミニウムで作られているという。
スーパーキャットは完全にプログラム可能なトラクション・コントロール、ローンチ・コントロール、および5つのドライブモードを備えており、ドライブシステムの近代化も完了している。TWRは、スーパーキャットが「サーキットでの爽快なパフォーマンス」と「道路での最高の快適さ」を兼ね備えていると明言している。
TWRスーパーキャットは、ジャガーXJドナーカーの費用を除いて、約28万5000ドル(約4400万円)からで、88台製造する予定となっている。